3月になると決まって机の引き出しから、飛び出すカードタイプの雛飾りを取り出してきて、テレビの上とか本棚に飾ります。
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ほんの数日間のささやかな雛祭りですが、娘が生まれてからずっと続けています。
昔遊んだ久月の雛人形七段飾りは、なんの取り決めもないまま、2人の娘を持つ次姉が持っていってしまいました。桃の節句には毎年、雛飾りを囲んでワイワイ楽しくやっているようです。こちらは飛び出すカードを眺めながら、桜餅を食べたりして、ひっそりとお祝いしているというのに。
俳人の清水哲男さんがこんなことを言っていました。
『昔の女性にとっての雛飾りは、そのまま素直に“女の一生”の記憶につながっていったと思われる。物心のついた頃からはじまって、少女時代、娘時代を経て結婚、出産のときのことなど、雛を飾りながらひとりでに思い出されることは多かったはずだ。“節句”の意味合いは、そこにもある』
隅っこが少し折れ曲がった飛び出すカードを眺めながら、ぼんやり考えます。祝ってもらった昔の自分を懐かしみ、祝ってあげるこれからの自分を思いめぐらす。そんな時間を求めての雛祭りなのかしら…な〜んて。私も年を取ったなあ。
桃の節句が終わると、カードはまた引き出しの中へ。ずいぶんあとになって気付いたのですが、カードの包装紙に「成田空港」とあります。
そういえば、このカードはハワイに帰る私を見送りに来た姉が、出発ギリギリに空港内のお土産屋で買ってくれたのでした。
「あの久月の雛人形もらうからね。アンタはこれで我慢して」
そんなメッセージが、この飛び出すカードには込められているのかもしれません。
こちら、娘が幼稚園のときに学校で作った雛人形。私にはどうみても北島さぶちゃんがかつらをかぶっているようにしか見えません。
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