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キョーコ

最初で最後のオヤジの一人旅

投稿者: キョーコ
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一昨日の午後、娘を迎えにいくため車に乗り込もうとドアを開けたところで、私の目の前に大きな大きな黒い蛾が飛んで来て、思わず「ヒャ〜」と声をあげてしまいました。

 

「あれ、なにかの記念日だったっけ?」

 

黒い蛾が現れると、私は父がなにかを伝えにきたと信じています。詳しくはこちらの黒い蛾にまつわるハワイの伝説をどうぞ。

 

そして、もうすぐ父の誕生日だということを思い出しました。

 

生きていればこの1115日で82歳になります。父はいくつになっても「誕生日は娘からプレゼントをもらう日」と信じており、毎年数日前に“もうすぐ誕生日だよコール”をくれたものです。

 

4年前から電話はかかってきませんが、母や姉たちは毎年お墓参りをしたり、仏壇に父の大好物の月餅や羊かんを供えたりして、祝ってあげているようです

 

私も父がプレゼントの次に嬉しいであろう…「父との思い出」を振り返ってお祝いしています。

 

いつまでたっても子どものように自己チューだった父は、自分のことが話題にされるのが嬉しいにちがいありません。

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以前、ハワイ報知という日本語新聞の編集部に勤務していたころ、月に2度コラムを書かなくてはならず、話題につきない父をたびたび登場させていました。

 

「あんまりいろいろ書くなよ」と言っていましたが、内心は嬉しかったようで、自分のことが書かれたコラムを大切に保管していました。

 

2001年に父が初めて1人でハワイを訪れたときのことを、2回に分けてコラムに綴ったのですが、さすがに照れくさくて父には書いたことを内緒にしていました。

 

ここにその一部を掲載しますね。みなさんが読んで笑ってくだされば、「お、オレのことが話題になっている」と父も喜んでくれるにちがいありません。少し長くなりますが、よろしかったらお付き合いくださいませ。

 

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オヤジの旅1(抜粋)

 

「特攻野郎Aチーム」というドラマに出てくるミスター・Tは、モヒカン頭に筋肉モリモリ、怖いモノ無しのキャラクターで子どもたちの人気者だったが、唯一の弱点が「飛行機に乗ること」。飛行機に乗らなきゃいけない時は必ず駄々をこねるので、そのつど仲間からぶん殴られて気絶させられ、機内に運び込まれるのである。

 

私は気絶して運ばれるミスター・Tと、飛行機嫌いの我が父の姿をいつも重ね合わせ、「あ〜でもしないと、うちの頑固親父も飛行機には乗らないだろうな」と思っていた。

 

その父がハワイに来る。それも一人旅である。

 

一昨年(1999年)の暮れ、心筋梗塞で倒れた父は、「元気になったらハワイで思う存分ゴルフを楽しむ」と心に誓いながら、2週間の入院生活を送っていたらしい。医師からOKをもらい、今年(2001年)2月半ばに旅行を計画、以来「あと100日」「50日」と、遠足を待ちきれない子どものように、しょっちゅう電話を掛けてきた。

 

「現金は腹巻きに入れたほうがいいか」「ハワイで浣腸は売っているか」「煎餅は手荷物のほうがいいか」などど、1日数回電話してくる始末。「用件は最低5つまとめてから」と注意しても、「緊急の用事だ」と言って電話してきては、「かりんとうは黒糖の方がいいか?」などと質問するのである。

 

さらに「荷物は少なく、お土産は軽いモノを」とさんざん忠告しているにも拘わらず、悲しいかな、旅慣れていない父は、相撲図柄入り座布団や九谷焼のどんぶりなどを買ってしまったらしい。「バカねえ」と言われながら、一人黙々と荷造りをしているという。

 

誰もが呆れるほどの超わがままで頭の固い親父であるが、海外で勉強したいと言った時も、夫との結婚を決めた時も、一言も文句を言わず、陰ながら応援してくれた(と、私は信じている)ことに心から感謝している。

 

だからこの機会に10年、20年分の親孝行をしよう、そう心に決めた。まずは、かさばってしょうがないヘンテコな座布団を「ハイ、お土産」と手渡された時にも、気持ちよく「ありがとう」と言えるよう、鏡の前で笑顔づくりの練習に励んでいる。

 

相撲柄座布団↓

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オヤジの旅2(抜粋)

 

まるで台風が大暴れしたような1週間だった。

 

苦手な飛行機を克服し、1人でハワイを訪れた父は滞在中、見たい、食べたい、行きたい、買いたいを連発し、記念写真を100枚以上撮り、周囲の者をヘトヘトにさせて帰っていった。

 

台風一過ならぬ「親父一過」。父がいる間は、ゆっくり見ることも出来なかった日本からのお土産を、今一つ一つ取り出して、眺めている。

 

見慣れたデパートのロゴマークが入った紙袋の中には、子供の頃、私が大好きだったお菓子がぎっしり。その中にひときわ懐かしい箱を見つけた。「銘菓ひよこ」。親にとって私はいつまでも、お菓子が大好きな娘なのであろう。

 

さっそく一口食べてみる。その途端、胸が苦しくなった。

 

空港で父を見送った時には我慢できたのに、お菓子を一口囓ったら、堰を切ったように涙が出てきた。「もっと優しくしてあげればよかった」。

 

娘の前で涙を流す父のことを「年取ったなあ」と思って見送っていたが、懐かしい菓子を一口つまんだだけで、涙してしまうなんて、私も年を取ったもんだ。

 

袋の中に「都こんぶ」を見つけた。遠足のおやつに、私が必ず買っていたことを覚えていてくれたのだろうか。そんなことを考えながら、昆布を一枚取り出し、口に放り込む。「しょっぱ〜い」。

 

涙が出てくるのはしょっぱいから。年のせいじゃないもんね、と独り言なんぞつぶやきながら、ひたすら昆布を食べ続けた。(完)

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2 responses to 最初で最後のオヤジの一人旅

  1. ヨウコさま、ハワイ報知時代から私のコラムを読んで下さっていたそうで、ありがとうございます!温かいコメント、とても感激しましたが、「お顔はそのまま」というのが、もう飛び上がるほど嬉しかったです。父親に対しては(ときに無愛想でも不親切でも)娘らしく接するのが一番いいのではと、いまはそう思います。年老いた自分に娘が気を使って優しくしてくれたら、居心地悪いぞって私なら思うでしょうね。

  2. 初めまして。ハワイ在住のヨウコと申します。
    以前から何度もコメントを送ろうと思っていたのですが、途中で恥ずかしくなってしまい
    いつも送らずじまいでした。でも今回はずっとキョーコさんに伝えようと思っていた
    キョーコさんのお父さんの記事だったので思い切ってコメントすることにしました。

    キョーコさんのことを初めて知ったのは当時勤めていた会社でとっていたハワイ報知の
    記事を読んだ時でした。その時からさっぱりとした文章の書き方と楽しい話題性に惹かれ
    毎回ハワイ報知でのキョーコさんの記事を心待ちにする日々でした。
    ですので最近偶然インターネットでキョーコさんのブログを見つけたときは本当に嬉しかったです。
    ハワイ報知の写真で知っていた頃よりも髪は短くなっていたけど、
    お顔はそのままだったのですぐにわかりました。
    もう10年以上前の事ですがハワイ報知に掲載されていた「ひよこ」と「都こんぶ」
    の話は今でも鮮明に覚えています。
    その当時も泣きそうになりましたが、今回も改めて読んでみてまた泣きそうになりました。
    都こんぶのしょっぱさって画面を通して移っちゃうんですね(笑)。
    何だかうちの父と似ているんです、キョーコさんのお父さん。
    うちの父はハワイにはもう5~6年来ていないし、来ると私もクタクタになってしまうくらい
    振り回されるので来られるのも微妙なんですが(笑)、父が一人で日本へ帰る時には
    ホノルル空港で号泣してしまうんですよね、私。
    多分、寂しいのよりも、ハワイ滞在中の父にしてあげられなかった沢山の事への後悔や、
    ほんの短い期間なのに、つい冷たくあたってしまった事に対しての反省の涙だと思うんです。
    何だか今回キョーコさんの記事を改めて読ませてもらって、
    父がまだ元気なうちにもう一度ハワイに来て欲しいかな、、、
    なんて恐ろしい事まで考えてしまいました(笑)。このあと父にメールしてみようと思います。
    いつも素敵なブログ有難うございます。素敵な週末を!
    ヨウコ

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