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ハワイに伝わる黒い蛾の伝説

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エイプリルフールの来訪者

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3年前のエイプリルフールに父はこの世を去りました。

大好物のうな重に少しだけハシをつけたあと、「ちょっとトイレへ」と病室を出て行った父は、そのまま帰らぬ人となりました。

エイプリルフールなんて、いかにも父らしい…などといったら、「どういう意味だ」と本人に叱られそうですが、訃報を聞き、病院に駆け付けた5人の叔母たちも、「きっと兄さんのことだから、四月馬鹿でしたって笑っていると思ったのに〜」と号泣していました。

自他ともに認める〃桜キチ〃の父は、病室で花見の計画を立てていましたが、残念ながら叶わず。東日本大震災後の余震がまだつづく中、私は母とともに鎌倉に出向き、夢叶わなかった父にかわって〃リベンジ花見〃をしました。そして一句詠みました。

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「父逝くも 鎌倉の桜 咲きにけり」

父がいないのに、桜はなにごともなかったように咲き誇っている…。当然のことですが、そのことに私は少しだけふてくされていました。そんなわけで、桜の季節は少し切なくなります。

葬儀を済ませ、ひとりハワイに戻りました。それから数日後、仕事を終え、自宅の駐車場に車を停めたところで、大きな黒い蛾がひらひらとどこからともなく飛んできました。

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大きな蛾は私の車のそばから離れず、ずっと飛び続けていました。一瞬止まったところで、私はなぜか大慌てで携帯電話を取り出し、その姿を写真におさめました。しばらく歩いたところで振り返ると、黒い蛾はどこに行くでもなく、また私の車の上をひらひらと旋回しているのでした。

その夜、寝支度をしていると、さきほど駐車場で見たのと同じような蛾が、コンドミニアム9階の我が家の寝室に飛び込んできました。その大きさに家人は度肝を抜かれていましたが、私は蛾の再訪がなぜか嬉しく、その姿を残しておこうと、このときもカメラにおさめました。

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それから月日は流れ、蛾のことなどすっかり忘れていた昨年の2月、地元紙に掲載されていたある記事に、目が釘付けになりました。

その記事は、ハワイの高校サッカー決勝戦で、息子を応援していたお母さんが脳溢血で倒れ、搬送先の病院で死亡したというものでした。「試合が終わるまで、(倒れたことを)息子に知らせないで」というのがお母さんの最期の言葉となり、息子は何も知らないまま、3ゴールを決めチームを優勝に導きました。この悲しいニュースはCNNでも報じられました。

新聞では葬儀の様子も伝えられました。「母の死後、元気を出せと友だちに誘われてボウリングに行ったときのことです」。息子が参列者に向かって語り始めます。

「駐車場に戻ると、車の上に大きな黒い蛾が飛んでいました」

そばにいた友人が教えてくれたといいます。「ハワイの伝説に、死んだ人が愛する人のことを心配して、黒い蛾となって様子をみにくるというのがあるんだよ」。

読み終えたあと、泣きたいような、温かいような、なんとも不思議な気持ちになりました。

昨年の父の命日(ハワイでは3月31日)だった日曜の朝、居間で掃除機をかけていた私の足下に、何かが飛んできました。黒い蛾でした。ひらひらと舞う蛾を、家族みんなで大騒ぎしながら追いかけました。

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その日、黒い蛾はクローゼットや洗面所などに時々移動しながら、私が寝るまで天井に止まっていました。私には、父が娘のことを心配してというより、大好きなハワイで過ごしたいというような気がしてならないのですが…。

そして今年、各部屋の窓を大きく開けるなどして来訪を期待していましたが、黒い蛾はついに現れませんでした。ようやく父も、娘のことは「心配無用」と思ってくれたんでしょうかね。

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