パクチーをはじめて食べたときのショックといったら…
もう20年以上前のことなのに、はっきり覚えております。
蒸し魚のブラックビーンソース掛けという料理でした。「うまそ〜」と口に入れた途端、異変に気付きました。
「カメムシを食べてしまった!」
すぐに吐き出して、カメムシを探しましたがありません。他のお客さんに気付かれないように、一つひとつ材料のにおいをそっと嗅いだり、 前歯でコチョコチョ噛みながら、匂いのもとを探していましたら、みつけました。パセリだとばかり思っていたらパクチーという香草でした。
そんなわけでパクチーをふんだんに使用するタイやベトナム料理を食べるのが怖くなりました。友人たちから「なぜあの良さがわからない」とさんざん責められていますが、苦手なものは苦手なのです。
それでもベトナム風「BALEサンドイッチ」だけは例外で、カリカリフランスパンと大根と人参のピクルスがおいしいのでよく行きますが、注文するときは大きな声ではっきりと「パクチー(店の人にはチャイニーズパセリと言っていました)は入れないでください」とお願いしていました。
そんなとき、ある友人が自信満々に言いました。「年齢とともに嗜好が変わるから、ぜったい好きになるよ」って。「私の経験にもとづけば、40代後半で確実に好きになる」と。
彼女は私より一回り以上年上でした。彼女も昔は苦手だったといいます。「銃を突きつけられて命令されたら食べるけど、ぜったいに好きにはならない」と当時30代半ばだった私は思っていました。
ところがです。少し前にメキシコ料理店で出てきたサルサソースにみじん切りのパクチーが大量に入っておりまして、よけることは不可能でした。でもこれなしではチップスは食べられない。みんなにさんざん勧められ、しかたなくそっと付けて食べてみたところ、美味しいじゃないですか。あのカメムシのような匂いも、独特な香味と味わいで、絶妙なスパイスとなっています。「ああこれか、みんなが言っていたパクチーの良さは〜」
40代後半になって、ようやくパクチーが食べられるようになりました。
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先週、ジッピーズで注文したオリエンタルチキンサラダにもパクチーが入っていました。
「美味しいわ〜」と言える自分がステキ〜。
週末、久しぶりに訪れたBALEサンドイッチ。
もう「パクチーは入れないでください」なんて言いません。
しかも夫のパクチーをもらって、山のように積み上げてツナサンドを完食いたしました。
友の大予言がその通りになりました。恐るべし年の功。
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