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ハワイ歩き方事務局
人気連載「かずこセリッグの「ハワイ語の世界」」

第11回 ロミロミ・マッサージの歴史 最終回

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2010年08月03日

かずこセリッグのハワイ語の世界

10年以上前に、フラマスターのジョージ・ナオペ氏より「マカナオカラニ(天からの贈り物)」というハワイアン・ネームを頂いてから、正に天からの贈り物のように、次々と奇跡的な出会いや出来事に導かれ、これまでハワイ文化を学んでくることができました。今では私の人生の一部となっているハワイ語の世界と、ハワイアン・カルチャーの素晴らしさを、皆さんにシェアしていきたいと思います。第一回はこちら

かずこセリッグの「ハワイ語の世界」  最終回 ロミロミ・マッサージの歴史

ハワイの文化

●ロミロミとは?
アロハ・マイ! かずこセリッグです。きびしい残暑が続く毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 「こんな日は、ここちよく冷房のきいた海辺のスパで、一日中ゆったりと癒された?い!」…という方もいらっしゃるのでは? ハワイのスパといえば、ロミロミ・マッサージ。というわけで、ロミロミについてお話します。

ロミロミは、ハワイ語で「揉む」または、「マッサージ(する)」という意味です。ここ数年のスパブームで、ロミロミの名は、ハワイ流のマッサージとして日本でもすっかりおなじみになりましたが、ロミロミとは、一体どんなマッサージなのでしょうか? インターネットなどで、「ロミロミは王家だけに伝わった秘技」という文句をよく見かけますが、本当にそうなのでしょうか?

 

●古代より続く伝統

ハワイ語

確かに、古代のハワイには、王様をマッサージする人がいたようです。しかし、この人は、いわゆるマッサージ師ではなく、「王様の便を管理する」という役割を持つ人でした。ある古いハワイ語辞書には、ロミロミの意味の一つとして、「王様の便を管理する召使い」と記されています。便は健康のバロメータであるという考えに基づくもので、整腸の一つの手段として、ロミロミが用いられていたと考えられています。そして、彼のもうひとつの大事な仕事として、王様の便を人目につかないように隠すという役割がありました。それは、敵が王様の服や、髪の毛、爪、便などを手に入れると、それらに呪いをかけられて殺される事があったからです。

他の召使たちによって、リラクゼーションや、疲労緩和などを目的とするマッサージも、行われていたようです。けれども、これは王家に限った事ではありませんでした。

ハワイ文化研究に大きな功績を残した、メアリー・カヴェナ・プクイによれば、ハワイでは誰もがロミロミを行っていました。妊婦へのマッサージ、陣痛を和らげるマッサージ、筋肉の疲れをとるマッサージ、リラクゼーションのためのマッサージなどの他、子供の頭、顔、指、性器などを美しく整形するための美容マッサージなども、ハワイの家庭では日常的に行われていたのです。また、ハワイ人は、ロミロミだけでなく、基本的な薬草の知識や、骨接ぎの知識も豊富で、漁師やカウボーイなど、怪我が多い仕事につく人々は、お互いに処置をするのが普通だったそうです。

 

ロミロミ

●医療に携わる専門家、カフナ
それでも怪我や病気が治らない場合は、カフナとよばれる専門家のところへ治療にいきました。医療に携わる主な専門家には、カフナ・ハーハーと、カフナ・ラーアウ・ラパアウがあります。ハーハーは「触診する」という意味があり、カフナ・ハーハーとは何の病気なのかを特定する診断の専門家です。ラーアウ・ラパアウは「薬草」という意味で、薬を作る薬剤の専門家です。診断や薬剤作りには、霊的な知識と、医学的知識の両方が必要でした。適切な祈りがなければ、薬草も、薬にはならなかったのです。時には、悪霊や、神の怒りが病の原因であることもあり、これを祈りだけでしてしまう事もありました。これらの知識を習得するには、「ヒーラーの魂」すなわち、人を助けたいという情熱とやさしい心をもっている事が不可欠とされ、子供のころに素質を認められ、選ばれた者だけがカフナになるトレーニングを受けたと言われています。オアフ島のアイエアにある神殿「ケアイヴァ・ヘイアウ」は、これらのトレーニングが実際に行われた場所として有名です。トレーニングは20数年にも及ぶ長いもので、たくさんある学科のひとつに、ロミロミも含まれていたと言われています。カフナたちはロミロミを治療の一つの手段として用いていたのです。カフナの知識はカプ(神聖)であり、カフナ以外の一般人に伝授されることはありませんでした。

ルアという格闘技も、ロミロミの源流のひとつと考えられています。ルアは、戦闘訓練のために行われていた格闘技で、練習中に命を落とす者もいたほど激しいものでした。兵士たちは、練習が終わると、練習で負った傷、骨折、脱臼、筋肉痛などをお互いに治療していたといいます。ルアもまた、秘技とされており、グループ内の兵士以外は見ることさえ許されませんでしたが、その理由は、戦い方の手口を敵にもらさないためだと考えられています。

 

ハワイ

●アンティ・マーガレットの言葉とは?
これまでご紹介した内容は、1800年代以降に書かれたロミロミに関する資料をまとめたものなのですが、これらを検証していくと、ハワイのロミロミの源流は、ひとつではなく、家庭や、カフナ・ハーハ―、カフナ・ラーアウ・ラパアウ、ルアなど、いろいろなところにあると言えそうです。

白人がハワイに訪れるようになると、今まで見たこともない病気がハワイで流行りだしました。カフナたちは、外国の病気には外国の薬草を使ったらよいのではないかと考え、唐辛子などを使った新しい薬を作ったり、試行錯誤を重ねて新しい病気の治療に力を尽くしました。

現代のロミロミは、マッサージテーブルやアロマオイルを使い、技術的にもヨーロッパのスエディッシュや日本の指圧をとりいれるセラピストが多く、一見、伝統的なロミロミとは違うもののような気がします。しかし、現代医学が日々進歩するように、カフナたちも新しい病気の治療のために試行錯誤くりかえしてきたのですから、現代のロミロミが新しいものを取り入れて、より効果的なものに発展していくのは、当然の道筋だと言えるのではないでしょうか。

ロミロミを、初めて学校で教えたハワイ人は、アンティー・マーガレットの名で親しまれている、マーガレット・マチャド氏でした。彼女は、1960年から1990年まで多くのセラピストを育て、現代のロミロミに大きな影響を与えた人です。彼女はロミロミについて次のように語っています。

『人を治すのは私ではなく、神なのです。だから私はいつでも神に祈るのよ。この人が良くなりますようにと祈りながらマッサージするの。ロミロミってそういうものですよ』。

ハワイ語の世界は今回で最終回となります。今までご愛読どうもありがとうございました。

※かずこさんは2013年11月にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りいたします。

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