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ハワイ歩き方事務局
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第41回 クイーン・リリウオカラニ・ケイキフラ大会

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2002年08月31日

クイーン・リリウオカラニ・ケイキフラ大会


●初出場に伴った困難
「クイーン・リリウオカラニ・ケイキフラ大会」が2002年7月25日から3日間、ニール・ブレイスデル・ホールで開催されました。12歳までの子供達とは思えないほど、迫力のある本格的な舞台でした。私たちのハラウは「子供にストレスを感じさせたくない」というクムの配慮から、例年9月に開催される、規模がもう少し小さい「フラオニエ」という大会に出場していましたが、今年は子供のクラスを教えているアラカイの1人が9月に結婚するため、この大会に初参加することになりました。

今まで大会やショーに多く出場していた常連組が揃って大人のクラスに上がってしまい、人前で踊ったことがない子供達が大半を占める構成になりました。子供達は、1つ年齢が違うだけで成長が著しく異なります。年齢の様々な子供達30人あまりをキャンプに連れて行くには、アラカイだけでは心もとなく、大人のダンサー達も数人借り出されました。キャンプでは顔中、虫に刺されて、「大会までにもとの皮膚には戻らない」と医師に診断された子供達も多く出たので、どうなることかと直前まで心配していました。大会の前週はプリンス・ロット・フェスティバルがあったので、アラカイ達は手分けして大人たちと子供達の練習を見ることになってしまいました。

●画期的な衣装を試みたアウアナ
仲良しのフラシスターの1人は大会の練習でアラカイの補佐を努めるだけでなく、キャンプでは子供達の世話をし、ティリーフのワークショップでは両親達に作り方を伝授。さらに、衣装の製作が間に合わないというので、プリンス・ロット・フェスティバルの参加を辞退してまで準備にかかりきりでした。私はプリンス・ロット・フェスティバルの翌日に、ケイキフラのブレッシングの準備に出かけました。ハワイアンフードを作りながら、大会の無事を祈りました。大会当日は会社から直接会場に出向き、子供達の支度を手伝いました。数時間、32人のダンサー全員の髪にホットカーラーをあて続け、手にマメができましたが、化粧をしてカールがうまくできると、どの子もお姫様みたいに変身するからやり甲斐があります。

アウアナでは、プルメリアの花でスカートを作るという画期的な衣装を試みました。プルメリアは決して、持ちの良い花ではないので、用意して作り始めるのは早くても前日なのです。花はオアフ島だけでは足りず、モロカイ島に住むフラシスターに手配してもらって取り寄せました。ダンサー達で賑わう控え室の外の廊下に座り込み、レイニードルに細いゴムを通して、刺せども刺せども終わりがない作業を繰り返しました。スカートのほかに、頭にも4つロゼをつけ、手足のクペエもプルメリアという徹底ぶり。出番の前に列を組んでステージ裏まで会場を歩いていくのですが、頭のてっぺんから足首まで花で飾られた22人のダンサーが歩いた後には甘い香が広がりました。

カヒコではカイ(入場)のホオプカから始まり、長いリリウのオリの後、チャントをしながら踊り、さらにホイ(退場)までずっとチャントをし続けました。アウアナでは、プイリを持って踊りながらクルリと廻ると長いスカートがきれいに広がってとてもエレガント。思わず、ディズニー映画「ファンタジア」の花のワルツを思い起こしました。こうして、ケイキは、カヒコもアウアナも堂々3位に入賞しただけでなく、さらに、ハワイ語を正しく発音できたということでオレロハワイ賞までもらいました。

●勉強になったケイキフラ
クイーン・リリウオカラニ・ケイキフラ大会を観ていて、改めて位置と基本のステップの大切さが分かります。本番前にはステージリハーサルは行われませんが、ブロッキングといってステージで踊る場所を確認する時間を与えられます。でも、ステージの上には印などありませんから、思った通りの場所に進めず、グループがステージの右に寄ったり左に寄ったりしてしまうこともあります。この場合、踊っている本人達は気づかなくても、ステージを上から眺めると列と列の間隔が均一でないことが一目瞭然なのです。私たちのハラウでは、大会が近づくとステージの大きさに合わせて稽古場にロープを張り、踊るスペースと動く範囲を各自確認しながら、何度も何度もステージの入退場の練習をし、足元を見なくても決められた位置までたどり着くようにします。また、横の列にきちんと並んでいても、アングルが正しくないと斜めの線がきれいに出ないということも観客席にいるとよく分かります。

位置のほかに、向きも気になりました。前を向いて踊っているはずなのに、だんだん体が斜めを向いてしまう子も数人いました。わずかの違いなのに1人だけ異なると、とても目立ちます。基本も大事です。ウエヘのタイミングがせっかくきれいに合っているのに、バンプのカホロになるとスカートの動きがバラバラになってしまったり、着慣れない衣装をまとっているせいか、全然スカートが動かなかったり。テレビで放映されるときはズームインされていることが多く、ダンサーの表情や表現の勉強にはなる一方、こうして実際に会場に出向くと、通常のクラスで受ける留意点を自分の目で確認でき、とても勉強になりました。クムやアラカイの言うことは、さすが理に適っているのだ、ということを実感できます。他人ならず、「子供の振り見て、わが振り直そう」と思った次第です。

(Kawailani)

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