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ハワイ歩き方事務局
人気連載「フラ講義」

第48回 メリー・モナーク・フラフェスティバルほか

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2003年04月15日

メリー・モナーク・フラフェスティバルほか

●ポリネシア文化センターの多彩な側面
今年も「メリー・モナーク・フラフェスティバル」が始まりました。テレビや新聞など、地元のメディアや開催地ハワイ島はもちろん、オアフ島でも、あちこちでニュースを耳にします。テレビ局のKITVのウェブサイトでは、ライブで大会の模様を3日間流すそうです。では、大会の様子と例年のようにキラウエアの米軍キャンプに滞在する私の同胞達の様子でもご紹介… と思いきや、この原稿が掲載される頃には、もう大会がほとんど終了しているんですよね。ということで、今回はメリー・モナークと同じく40年間ポリネシアの文化を提唱し続けている「ポリネシア文化センター」を経済だけでなく、教育や文化的な側面からご紹介することにします。

●経済効果
ポリネシア文化センター(Plynesian Cultural Center)はその名の通り、「PCC」として地元の人たちに親しまれています。1963年10月の開業以来、これまでに約3000万人もの入場者数を誇るほどに成長したからには、もちろん様々な歴史が刻まれてきました。新しいものに賛否両論はつきもので、同文化センターの開業には立地条件など、批判も多かったそうです。40年前には、「ワイキキからはるか40マイルも離れた島の反対側 Laie (Windward)くんだりまで、現地人が腰を振るのを見になんて誰も行く訳がない」と言われたそうです。その批判を受けて、色とりどりの衣装を着た人たちが、呼び込みのため周辺の道路沿いに立ち並んだそうです。1940年代後半、モルモン教会がサポートしてルアウとエンターテインメントのイベントを組み合わせました。さらに、1950年代にはワイキキまで観光の取材に出かけた学生達が、ポリネシア独特の歌と踊りのレビューを作り上げたのでした。

●教育補助
この文化センターで働いている従業員の多くは、ブリガム・ヤング大学ハワイ校(Brigham Young University-Hawaii)の学生達です。その数は約700人。センターで働く従業員の総数は1000人といいますから、その7割は学生が占めているということになります。また、その半数の350人は全額奨学金を授与されています。つまり、このセンターはポリネシア各地出身の学生達に授業料の心配をさせず、教育を受ける機会を与えているのです。学生の中には出身地の学校と較べて内容も敷地も規模が大きいハワイの大学で、ビジネスを実践しながら勉強できる環境に感謝している人たちが沢山います。開業以来、このセンターで働きながら、大学を卒業した学生数は約1万3000人にのぼるそうです。Brigham Young University-Hawaii が、同文化センターの所有者であるThe Church of Jesus Christ of Latter-day Saintsと密接なつながりを持っているとはいえ、このセンターで働く学生達はモルモン教徒ばかりではありません。学生達は世界約70カ国から集まり、教育を受ける機会を授かりながら、ポリネシアの文化を学び、維持し、より多くの人たちに文化保存を提唱しているのです。また、このセンターが教育を推進している姿勢に賛同して、何度も訪れる観光客もいます。おそらく、学生達の文化を尊ぶ姿勢が、ワイキキの「見せる」ショーとは異なり、センターで一番人気のナイトショーに反映されているのかもしれませんね。ショーの内容は、開業以来監修しているクムフラ(師)の指導のもと、学生達の手によって新しく変わっていきます。

●文化保存
ポリネシア文化センターが開業した時、ハワイからニュージーランドまで約100人のボランティアが協力して、12エーカー(48560m2)の敷地の中に39の建物を造りました。今日、7つのポリネシア村(トンガ、フィジー、タヒチ、サモア、ニュージーランド、マーケサス、ハワイ)を含む100もの建造物が42エーカー(170000m2)に拡張された敷地内に並んでいます。プログラムは見るだけでなく体験できるものが多く、一日中、文化を楽しみながら学ぶことができます。経済振興だけでなく、文化保存の姿勢は世界中に関心を呼び、これまでに60カ国からその経営システムを求められました。同センターの方針には「ポリネシアの文化を維持することが他民族の文化保存の手本につながる」とあります。私の所属するハラウのクムフラも、「フラを通してハワイ文化を維持することが、他文化保護の方法を提唱することになる」と言いますから、哲学が似ているのかもしれませんね。

現在、ポリネシア文化センターは、ハワイ州でトップの収益をあげる観光スポットに成長しました。10月の40周年記念イベントに向けて、数年前から500万ドルを費やして改築を繰り返しています。入口、ルアウサイトの改築のほか、ラパヌイの展示や12の大型ティキを構築しました。開催が今から楽しみですね。

●「May Day is Lei Day」
古くはローマ人の花祭りに起源を発する「メイデー」は、ハワイでは「レイデー」として有名な日です。この時期、誰でもどこでも耳にする「May Day is Lei Day」という言葉は、実はグレース・タワー・ウォレンという作家が作ったのだそうです。私はてっきり、メイデーに毎年ワイキキ・シェルでコンサートを行う大御所のハワイアンシンガーが言い始めたのかと思っていました。

レイデーは1928年5月1日にこの作家の発案により始まり、ホノルル中の人々はレイを身にまとい、ダウンタウンはフラと音楽とレイ作りのデモンストレーションと展示とコンテストで賑わいました。記念すべき初日の様子は、地元紙のホノルル・スター・ブリテンに見ることができます。「レイは麦わらやフェルトで作られた帽子を飾っただけでなく、自動車にも飾られました。女性や子ども達はもとより男性の方にもかけられ、カメハメハ王の銅像にはマイレとプルメリアのレイが飾られました。レイは愛と花と薫と笑いとアロハを象徴する、ハワイの伝統的精神を再現しました」。以来、この慣習は第二次世界大戦中を除いて、今日まで連綿と続けられています。

国でも州でも、未だ公式の祭日としては認められてはいませんが、ハワイの人々の心の中では、クリスマスと並ぶくらいに特別な楽しいお祭りの日なのです。オアフ島ではカピオラニパークを中心に、毎年、様々なイベントが開催されます。

ムームーやアロハシャツを好みのレイで着飾ってお祭り気分を味わう人もいれば、愛情表現のひとつとして、この日、レイを愛する人に贈る人たちもいます。2月14日に日本の女性達が言葉で伝えられない気持ちを、チョコレートに託して贈るように。ハワイの人々が「I love you」を言いにくいかは別として、「レイに使われた花は長もちしないけど、レイの奥に隠された思いは永遠だから」だそうです。

レイデーにちなんで、各島を代表する「花」をご紹介しましょう。メリー・モナークやカメハメハ・フラフェスティバルで踊るダンサー達は、表現する曲やチャントの時代背景や場所を意識して、その島に存在する植物を使ったレイを身にまといます。レイを見ただけで、どこの島の話か理解できるということなのです。
ハワイ島:レフア。ペレに象徴されるキラウエア火山に生息するオヒアレフアの木に咲く花です。赤が一般的ですが、白、黄色、オレンジもあります。
カウアイ島:モキハナ。紫色の実はカウアイ島独特の木にビーズのように実ります。アニスのような薫は長く続きます。
カホオラベ島:ヒナヒナ。シルバーグレイの花とツルは島の海岸に生息します。
ラナイ島:カウナオア。薄いオレンジ色で糸のように細いツルを沢山集めて撚ってレイに編んで行きます。
マウイ島:ロケラニ。いわゆるピンクのバラです。
モロカイ島:ククイ。シルバーグリーンの木の実は白い花と葉と共につないでレイを作ります。
ニイハウ島:ププ。岩だらけの島の海岸で見られる、かの有名な白い貝殻に穴を開けてつなげてレイになります。
オアフ島:イリマ。黄色に近いオレンジ色の紙のように薄い花びらで作られたレイは、かつて高位者しか身に付けることが許されなかったことから「ロイヤルレイ」と呼ばれることもあります。

ところで、日本語ではレイを「かける」といいますが、英語では「wear」すなわち「着る」とか「身にまとう」の意の単語を使います。レイは身に「つける」ものではなく、洋服や宝石のようにファッションとして「着飾る」意味が強いからでしょうか。

「レイ・デイ」に関するサイト
www.gohawaii.about.com
www.theholidayspot.com
www.geocities.com

お知らせ
5月18日(日)、ハラウ恒例の「ファミリー・フェア」が開催されます。場所はハラウの練習場でもあるケエヒラグーン(空港近く、ニミッツハイウェイ沿い)。歌あり、踊りあり、ケイキカーニバルありの盛りだくさんで、ハワイアンフードから工芸品まで一日中ローカル気分を味わえます。この時期ホノルルにいらっしゃる予定の方は、是非ハワイアンホリデーを楽しんでください。入場券をご希望の方は、メール(上記)でご連絡ください。

2003年メリー・モナークに関する情報(英語)
www.thehawaiichannel.com
www.starbulletin.com

(Kawailani)

 

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