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第09回 カホオラベ3話

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2001年01月13日

第9回 カホオラベ3話


カホオラベ島にはマウイ島のワイレアの南に位置するマケナビーチから出発します。ホノルルから夜、3便に分かれてカフルイ空港に飛び、空港で合流した後、ビーチまでは2台のスクールバスで向かったので、時間がかかること、お尻が痛いこと。ビーチに着いた頃はすべては闇の中。何がどこにあるのかさっぱり見当がつかないまま、寝袋を取り出してコンクリートの道路に眠ることになりました。周辺でたった1箇所電気がついていた公衆トイレは故障中で使えませんでした。今から思えば、これが、ハプニング続きのキャンプの幕開けだったのです。

夜中、具合の悪いダンサーが1人出て、病院の救急にクムが連れていくことになりました。とても泳げる状態ではないとドクターストップがかかったものの、絶対行きたいと言う本人の強い希望で、強い注射を打ってもらい戻ってきました。どうなることかと思いきや、翌朝は、寝起きの悪い人達よりもずっと元気になり、夜明け前に全員で出発です。といっても、同時に50人が乗るボートはないので、3グループに分かれます。まず、マケナビーチから泳いでダグボートに乗り込み、沖で待っている小型船に乗り換えます。約45分でその小型船がカホオラベの沖に着き、今度は逆の手順です。ダグボートに乗り換えて、最後は島のハキオアバの岩場に泳いで上陸します。出発開始から全員が島に上陸するまでには天候が良くて7時間はかかります。

ビーチに残っている人達は自主トレーニング、カホオラベに先に着いた人達は後から来る荷物運びを手伝います。3月はまだ冬の海、次第に波が高くなってくることを予想して、泳ぎの苦手な人達からPKOの先導で出発します。私は2番目のグループでした。あいにく天候が悪く、やっと小型船に乗り換えたものの、揺れがひどく船酔いに苦しみました。それでも、生まれて初めて鯨のジャンプや飛び魚や鮫の群れを肉眼で見ることができて感動しました。

フラでは様々なチャントを状況に応じて使い分けます。小型船からダグボートに乗り換えるには、上陸を請う「メレ・コモ」というチャントを捧げなければなりません。ボートが船の回りを数回まわるうちに、エンジンの音に負けないくらい大声で叫び、ボートの上から返答のチャントである「メレ・カヘア」が返されたら許可されたことになります。上陸したら一目散に焚き火に向かいましたが、体が温まった頃に次のグループが到着するので、荷物を運びにまた冷たい海に入ります。立ち泳ぎをしながら、ジグザグに向かい合って2列を作り、ボートから降ろされる荷物を岸までリレーのようにつないで運びます。軽いものはできるだけ水につからないよう、頭の上にかかげて運びます。私達の間では今でも荷物の搬送をするときにカホオラベリレーと呼ばれています。テントを張り終わったのは午後3時頃でしたが、1日が終わったくらいに疲れ果てていました。

私達のグループの他にホノルルの教会のグループが加わり、総勢85人の大所帯のキャンプが始まりました。キャンプの間は粗食といえども、これだけの大所帯では食事の量も半端じゃありません。グループに合わせて、PKOに教わりながら作ります。他に、単独行動は危険なので、事前に決められたパートナーにいつでも行動を知らせておくこと、プウ<ホラガイ>の音が聞こえたら何をおいてもどこにいても集合すること、などが決められていました。

こうした安全面だけでなくカホオラベ島では環境保護のため様々なことが規制されています。電気も水道もないので日が沈む前に海水で髪と体を洗うよう言われていましたが、結局いつも間に合わず、暗くなってから冷たい海に入っていました。体を洗うにはこの食器用洗剤だけ、髪を洗うにはこのブランドだけ、とPKOに指示されたものを使いました。排泄物はカンポートイレから肥料にされます。他の島では見ることのできなくなったハワイ生粋の植物を保護し生育するように畑が作られているからです。島に食事の材料を持ちこんでもよいのですが、魚やブレッドフルーツを焼く時などの火種に使って灰になったもの以外は、すべて、ほかの燃えないごみと一緒に持ち帰らなくてはいけません。ですから帰るときのごみ袋には荷物のほかに本当のごみも入っているのです。(つづく)

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