第20回 卒業式にもやっばりレイ
先週、私が働く会社でアルバイトをしていた、ハワイ大学生の卒業式に出席する機会がありました。この時期に卒業式？と思ったのですが、アメリカの大学では1月から学校に入る人も多く、12月の卒業式も結構あるみたいです。「ハワイの卒業式には、みんなレイをもらうんだよ」という話を聞いて、「レイ・レポートのネタだ！」と、のぞきに行ってみたのでした。
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| 真ん中がエリース。パーティで銀紙のきれいなレイをもらって記念撮影 | |||
今回卒業する子の名前はエリース。マーケティングを専攻する23才の女の子で、インターンという実習生みたいなシステムで、うちの会社にやってきました。日系３世の彼女は子供の頃、日本に数年間住んでいたことがあるそうで、ちょっとだけ日本語を覚えています。
エリースの覚えている日本語 — だいこん、こんにゃく、たまご、はんぺん・・・セブンイレブンにかなり通ったらしく、おでんの具はほとんど言えるらしい。その他にも、とんかつ、しゃぶしゃぶ、てんぷら、南蛮漬け（なぜか）・・・食べることばっかり！ただエリースのえらいところはにぎやかで食欲旺盛なだけじゃない。仕事がよくできる、頭の回転の速い子なのです。
事前の相談で卒業式自体には出席せず、その後みんなが集まるというグラウンドに行くことにしました。「名字が田中だから「T」のサインの所に来てね」という彼女。「グラウンド？Ｔのサイン？」と不思議な言葉に疑問を感じながらも当日、さっそく花屋さんへ。
「えっ、レイメーカーなのに作らないのか」って？すいません・・・朝弱くって・・・花取りに行ったりする時間なくて・・・とりあえず花屋へ！しかし・・・お店の前には長い列！！そう、この日は誰もがレイを持って卒業式に行くため花屋は激混み状態だったのです。
なんとかローズのレイをゲットしたものの約束の時間にかなり遅れ、ハワイ大学へダッッシュ。式はすでに終わっており、道すがらたくさんのレイをかけた卒業生らしき人たちとすれ違いました。門を通って、校舎をよこぎり視界が開けると・・・
「うそ〜〜〜〜」と叫びたくなるような光景が・・・。なんとだだっぴろいグラウンドにすごい人の数。しかも炎天下。そして私はエリースの言ってた「Ｔ」のサインの意味を知ったのです。あまりにも人が多いため、名字のアルファベット順に卒業生は待機し、そこにみんながお祝いに来るといういうわけだったのだ。さすがマンモス校。でも卒業式ってこんなにオープンで明るいものなのか？？う〜ん、ちょっとカルチャーショック。
「Ｔ」のエリアに行くとすでに人が帰り始める気配が・・。まずい、と必死に探していると案の定帰りかけたエリースをみつけたのでした。彼女は人一倍たくさんのレイをつけて、ほとんどダルマ状態。レイに埋もれて前も見えないくらいです。頭には素敵なハク・レイ（編み込むタイプのレイで頭に飾る）をつけていました。「遅い！」とせめられながらも、無事にレイを渡すことができて、記念撮影も完了（写真は筆者でなくお母様です）。ああ、間に合って良かった！それにしてもこのクソ熱い天気、黒いガウンを着た卒業生にはちょっと酷ですねえ。まあ、ロコたちは平気なのかなあ・・・。
その後、ワイアラエの人気レストラン「3660オン・ザ・ライズ」で卒業を祝うパーティがあり、おめかしをしたエリースの門出をみんなで祝いました。ここでもたくさんのレイが贈られ、中には銀紙やファンシーグッズを使ったおもろしろいレイ（一番上の写真）もあったりして、卒業式にレイは欠かせないという事実を再認識したのでした。きっとひとつひとつのレイに、エリースの将来を応援する気持ちがこもってるんですね。
彼女は来月、ハワイを離れてサンフランシスコで仕事を探す予定です。それって日本の地方から東京に出ていく感じかな。家族と別れて新しい土地で生活を始めるのは、楽しいことばかりじゃないかもしれないけど、彼女ならきっと大丈夫でしょう。エリース、色々と手伝ってくれてありがとう、そして新生活がんばってね！（by Akiko)
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