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ハワイ歩き方事務局
人気連載「モオレロ」

第03回 イオラニ宮殿の怪

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2007年12月03日

第3回 イオラニ宮殿の怪



ハワイ王朝7代目のカラカウア王が建てた瀟洒な宮殿

●ハワイ王朝栄華の象徴「イオラニ宮殿」
ハワイに伝わる不思議な言い伝えや伝説の地を紹介する「モオレロ」。今回はホノルルの中心、ダウンタウンにあるアメリカで唯一の宮殿である「イオラニ宮殿」がテーマです。カメハメハ大王像と並び、ダウンタウン観光の目玉として人気を集めているこの宮殿の、ちょっとミステリアスなお話をご紹介しましょう。

イオラニ宮殿は1882年、ハワイ王朝7代目の王カラカウアとその妃カピオラニの住居として建てられたものです。それまでの小さな木造宮殿に代わり、当時の金額で35万ドルという大金をかけて、アメリカン・フィレンツェ様式と呼ばれる優雅な建築スタイルを採用して造られました。この宮殿はカラカウアの死後、王位を継いだ妹のリリウオカラニが、クーデターにより退位させられた1893年までの11年間、ハワイ王朝の社交の中心舞台として活躍。特に、メリー・モナーク(陽気な王様)との異名をとったカラカウア王の時代には、毎夜ここで、盛大なルアウ(ハワイ式宴会)が繰り広げられたということです。現在はミュージアムとして、一般公開されています。

●「霊廟跡」と「リロアの岩」


今もゲートには、ハワイ王朝の紋章が残されています

緑に包まれた広い敷地内には、樹齢100年を超える背高のヤシの木やカピオラニ女王が植樹したという巨大なバニヤン・ツリーが茂り、日が傾きかけた夕方など、もうそれだけでミステリアスな雰囲気に溢れています。さらに注目して頂きたいのが、宮殿から見て左手前方にある霊廟跡なのです。ここには以前、1824年に死去したカメハメハ2世とその妃の遺体を納めるために建てられた、珊瑚造りの埋葬所がありました。その後、埋葬所は王家の霊廟として使用され、各島の墓所から古来の王族達の遺体が、ここに集められたそうです。しかし、1865年に、ヌウアヌ・バレーに大がかりな霊廟「ロイヤル・モザリアム」が造られたため、それらの遺体はロイヤル・モザリアムへ。霊廟は取り壊されてしまったのでした。


今だ王族の遺体が眠ると言われる庭の霊廟跡

ところが、当時からなぜか「霊廟跡の土中には、まだ数体の遺体が埋まっている」との噂が絶えず、先祖の遺体が荒らされるのを恐れたのでしょうか。カラカウア王は1874年の即位後、霊廟跡に盛り土をして整え、一般人の立ち入りを禁止しました。さらに、1930年には時の州知事により立派な柵や「KAPU」(ハワイ語でタブーの意)の看板が設けられ、現在に至っています。この霊廟跡は敷地内の南東の端にあり、辺りはひっそりとして、心なしか空気そのものまでヒンヤリしているような… おまけに宮殿でもらった1枚の資料には、次のようなことが書かれていました。

「旧霊廟から『大部分』の遺体がロイヤル・モザリアムに移された」云々…

ということは、やはり遺体の一部は、まだ残っているということなのでしょうか? 柵の内側にぐるりと植えられたティーリーフの葉(ハワイで邪悪な霊を追い払うと信じられている神聖な植物)といい、「KAPU」の看板といい、いずれにしてもハワイの人たちがこの霊廟跡を現役の聖地として扱っているのは、確かなようです。


霊廟跡にはタブーを意味する「KAPU」の看板が

霊廟跡の山側にある宮殿事務所前にも、もう一つ、曰く付きの物があります。事務所前のキャプテン・クック記念碑の前にある「リロアの聖なる敷居岩」がそれ。リロアとは15世紀にハワイ島を支配していた、カメハメハやカラカウアの先祖とされる大酋長です。そのリロアの住居の敷居にあったとされる岩が、カラカウア王によってホノルルに運ばれ、巡り巡ってこの場所に設置されたと言われています。一見、何の変哲もない長方形の岩ですが、一説によると不思議なマナ(ハワイ語で霊力のこと)が宿っているそうで、そのマナが強すぎて、周囲に植えたヤシの木が何本も枯れたという話まであります。何せ、昔は庶民が手を触れただけで死刑になったという神聖な岩なのですから、皆さんも足をかけたりなど、間違っても罰当りな真似はしないように注意してくださいね。

●目撃された女王の似姿


昔は手を触れただけで死刑になった「リロアの岩」

さて、この岩の写真を撮っている時のこと。庭師の方が近くで仕事していたので、つい聞いてしまいました。「この宮殿に幽霊が出るって本当ですか?」。すると庭師さんは、ごく普通の何喰わぬ顔で、「オー、イエス」と答えたではないですか! 「ある守衛が、白いムームーを着たリリウオカラニ女王の幽霊を見たと言ってたよ」。ハワイ王朝最後の女王リリウオカラニは、アメリカ人を中心とした白人武力勢力がハワイ王朝転覆を図ってクーデターを起こした1893年、退位を迫られて一時期、宮殿に幽閉されていました。何でもその幽霊は、女王が幽閉されていた2階の部屋前のバルコニー(宮殿のワイキキ側)を、行ったり来たりしているのを目撃されたそうです。「その人以外にも、もう何人もの守衛が女王の姿を見ているよ」と庭師さん。


女王の姿が目撃された東側2階のバルコニー

そう言えば私自身、こんな話を聞いたことがあります。数年前ですが、宮殿のボランティア養成クラスに出席した時のこと。その時も私は、講師の女性に聞いてしまいました。「この宮殿に怖い話が多いって、本当ですか?」。講師はきわめて厳格な雰囲気の老婦人でした。しかも宮殿のスタッフですから、嫌な顔をされるか、笑い飛ばされるのを覚悟で聞いたのですが、老婦人は真面目な顔でうなずき、こう教えてくれたのでした。「夜中に宮殿内を回っていた守衛が、誰かハミングしているのを聞いたり、床で火花が散ったりしているのを見たそうですよ」。

白人勢力によって倒されたハワイ王朝の、栄華を今に伝える「イオラニ宮殿」。「怨念」とまで言っては言いすぎでしょうが、今もそこにはクーデターによって国を奪われた王族達の情念や無念、悲しみがこもっているのかもしれませんね。

(森出じゅん)

◎イオラニ宮殿
場所:364 S. King St.(ワイキキから2番、13番、エクスプレスB番バスで約20分) 
電話:522-0832
料金:ガイド付き館内ツアーは$20

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