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第7回 ヌウアヌ・パリ
●オアフ随一の怪談の名所・ヌウアヌ
●崖下から見つかった800体の白骨
当時、ハワイの戦いは槍や棍棒など原始的な武器に頼っていましたが、カメハメハ軍はイギリス人を参謀に銃や大砲まで使いこなし、オアフ軍を圧倒。ヌウアヌ・パリ展望台右上の丘の頂上には、この時にカメハメハ軍が掘った幅9メートル、深さ4メートルもの大砲用の溝が2つ、今も残されています(駐車場からは少し見えにくいですが、展望台へと向かう途中のパリ・ハイウェイから、しっかりと見ることができます)。人工的に造られたことがひと目で分かる巨大な長方形の溝なので、皆さんも近くを通る時には見上げてみてくださいね。
●ハワイアン戦士の霊が車を止める? そんな背景から、何かと恐い伝説が囁かれているヌウアヌ一帯。中でも一番有名なのは、「夜中に豚肉を持ってパリ・ハイウェイを走ると、車が故障する」というものでしょう。それにしても、なぜ豚肉なのでしょうか? 補足すると、豚肉というのは先史時代のハワイでは、大変な御馳走でした。ごく特別な機会に、それも男性だけが豚肉を食べることが許され、もし女性が食べると死刑になったほどの貴重な食物だったんですね。そのために、豚肉を持ってパリ越えをすると、「飢えたハワイアン戦士の霊が、豚肉を求めて車を止める」と信じられている訳なのです。
パリ・ハイウェイ完成以前から、ホノルルを越えてカイルア側に抜ける唯一の道だったのがこのルートなのです。崖っぷちを登るという大変危険なパリ越えを前に、ハワイアンはいつも道端にお供えをしたのだそうで、その慣習が今だに残っているのだという説もありますが、真相は不明。実際、今も土地の人たちはパリ越えに不安を覚えているようです。ティーリーフ(邪悪な霊から守ってくれるとハワイで信じられている、神聖な植物)片手にパリ・ハイウェイを自転車で走るおじいさんも時折出没し、名物的な存在となっています(それにしても... いくらティーリーフを握りしめていても、自転車でパリ・ハイウェイを走るなんて、危険極まりないですが)。その他にも、展望台付近には「夜中、ハワイアンの叫び声や槍、棍棒のぶつかり合う音などが風にのって聞こえてくる」「死んだ戦士たちが松明(たいまつ)を掲げて行進している」など、いろいろなパターンのコワイ噂があり、深夜の展望台に肝試しに出かけるティーン・エイジャーが後を絶たないそうです。 ●2台の車に起こった不可思議な出来事
二人とも、車に豚肉など積んではいなかったのは言うまでもありません。しかし、それでも、もしかしたらその土地に眠るハワイアンの霊が、「物見遊山の人間はさっさと出て行け!」と、警告してきたのかもしれませんね。怪談の名所に興味はありますが、やはりイタズラ半分に深夜ヌウアヌ・パリに出かけるなんて無謀な真似は、やめておいた方がよさそう。木が落ちて来るのも怖いですが、あの急カーブの続くパリ・ハイウェイでブレーキが故障、なんていう事態を考えてみただけで背筋がゾッとするのは、私だけでしょうか? そんな私ですが(怖がってばかりもいられず)、先日、写真を撮りに久しぶりにヌウアヌ・パリの展望台に出かけました。よく晴れた暖かな日でしたが、いざ展望台に立ってみると、相変わらずの強風が吹き荒れていました。周囲には松の木に似たアイロンウッドの木がゴウゴウと轟音をたて、それが夜だったらさぞ不気味だったことと思います。しかも、展望台から下の絶壁を覗きこむと、あまりの風に後ろに押し返されるかのよう... 「展望台から飛び降り自殺を図った人が、吹き上げる強風に、元の場所に押し戻されてしまった」という笑い話を聞いたこともありますが、「もしかして、それって実話かも」と思ってしまったほどの、風の勢いでした。そんな訳で、皆さんもこの展望台を訪れる時は、ジャケットの携帯が絶対オススメです。もちろん、決して(マナプアなど)豚肉を持って行かないよう、くれぐれも注意してくださいね! (森出じゅん) |
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