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ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイ出産物語」

第10回 超豪華で充実した病院施設

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2002年06月14日

第10回 超豪華で充実した病院施設


●1つの部屋に陣痛・分娩・回復室の3機能
ラマーズ講座の最終日に行われた病院内ツアー。その行き届いた設備にプレママ一同感激し、出産が楽しみになったものです。今日はみなさんに、そんな豪華な施設をご案内しましょう。

カピオラニ病院のメインを占めるBirthing Center。ここはハワイ最大の出生数を誇っているだけあって、毎日「ベビー・ファクトリー」かと見まがうほどの赤ちゃんが誕生します。実際、わたしの入院中のある夜も、5人の赤ちゃんが立て続きに産まれ、ナースセンターはうれしい悲鳴をあげていました。ただ近年、病院間の競争も激しくなり、より快適な出産を提供することでシェアを広げようと、どの病院も5〜6年前あたりに競ってLDRを導入し始めました。LDRとはLabor Delivery Recoveryの略で、一つの部屋が陣痛・分娩・回復室の3つの機能を果たすようにデザインされています。LDRについては、皇太子妃雅子さまのご出産時に宮内庁病院も導入したとかで、何度か日本のワイドショーでも取り上げられていたので、多くの方が知っているか、もう体験済みという方もいらっしゃるかもしれませんね。

わたしがハワイで5年前に長女ステフを出産した時は、ちょうどカピオラニ病院の全ての分娩室がLDRにリフォームされたばかりで、ラッキーなことに早速その恩恵をこうむりました。今回の次女クリスの出産時にはLDRをさらに増築していたので、今ごろは部屋数もグッと増えているはず。以前は一度に多くの出産が重なった場合、産後の回復期は一般病棟に移されたりしていたのですが(ちなみに、わたしも長女の出産後すぐ移されました)、これで大抵は退院までずっと同じ部屋に滞在できるという訳です。わずか2〜3泊の小旅行で何度も宿替えするのは面倒なもの。入院だって同じような感覚ではないでしょうか。

快適な豪華ホテルなみの部屋
カピオラニ病院のLDRに1歩足を踏み入れてみましょう。部屋のドアを開けるとナチュラルなフローリングの床が広がり、部屋の中央部にはフロアにマッチしたヘッドボードのついたベッドが一つあるだけ。パッと見ただけなら、まるでホテルの部屋のようで、病院特有の冷たい感じは全くありません。唯一サイドテーブルにのっているモニターの機械が無機質なだけ。壁もペパーミントグリーンに塗られていて、パステル調の絵も掛けられています。あとは付き添い用のピンクの長いす(簡易ベッドになり宿泊可。でも幅が狭いので、うちのパパは直立不動の姿勢で寝ていました)が一つと、丸テーブルに椅子が2脚のテーブルセットがあり、軽い食事程度ならゆったりと取ることができるようになっています。

当然ながら、トイレ・シャワー付きのバスルームも各部屋に完備。電話とテレビだって付いています。何と言っても「快適さ」がLDRのコンセプト。あくまでも、どこまでも「ホテル仕様」にこだわって造られています。加えて、今回わたしが使用した部屋は、見舞い客をして「がっちゃん、特別料金でも払ったの〜?!」と言わしめたほどの広さ(もしかしたら一番大きい部屋だったかも)。壁一面が窓になっているので(ちなみに、これはマジック・ガラスで、外からは中が見えません。ホッ、良かった、出産シーンが丸見えじゃなくて)、そこからの眺望はオーシャン・ビューならぬセントラル・ユニオン教会・ビュー。これがなかなか素晴らしく、大満足のステイだったのです。

この、どこまでも豪華なホテルルーム? が分娩時にどう変身するかというと(ここが肝心)、ジャジャジャーン! ベッドの向いの壁一面に備え付けられている木目調のクロゼットを開けると、出産に必要なあらゆる医療機器が出てくるという仕組み。これらの医療機器は赤ちゃんが産まれる寸前にセットアップされるので、陣痛の間は普通の部屋にいる感覚で過ごせるように工夫されています。このように機能と居心地の良さを兼ね備えているのがLDRの特長で、妊婦にやさしい造りになっています。

●広いシャワールームも完備
特筆すべきなのがバスルームです。バスタブこそありませんが、広いシャワールームには、ダイヤル1つでタイプが調節できるシャワーが設置されています。陣痛の痛みを緩和させたい時に、座ったままで背中だけに集中してシャワーをかけたり、全角度から全身にシャワーをかけたりすることができるようになっています。なんだか流行りのスパのシャワーって感じですねぇ。わたしは残念ながら陣痛中にシャワーを浴びる体力と気力は残っていませんでしたが、陣痛が長引いて苦しい時なんかには最適かと思われます。ちなみに、全く試さないのは悔しいので、産後2日目にシャワーで腰をマッサージしてみましたが、なかなかグッドでしたよ!

日本では特別室にでも入院しない限り、こんな待遇で過ごせることはないのではないでしょうか? 以前「歯科と産婦人科はアメリカが日本より10年進んでいる」と聞いたことがありますが、施設を見る限り、まんざら外れてはなさそうです。産後すぐの痛みの残る体では、トイレへ歩いて行くことすら結構大変なので、自室ですべてが済ませられるのは、体の回復にとっても大きなメリットだと思います。あと、電話もすごーく助かった! 横になったまま、思いつくまま夫に「明日、あれ持ってきて」と電話したり、深夜に日本へ国際電話をかけて無事出産したことを報告できたりしましたから。

ちょっと余談になりますが、出産を「ファミリーに新しいメンバーが増えるイベント」として捉えているハワイの人達にとって、家族・親族が遠慮なく出産に立ち会えるスペースがあるというのは、必要不可欠なことなのかもしれません。 ラマーズクラスのベティ先生曰く、「陣痛でウンウン苦しんでいる妊婦の横で、親戚のおじさんがウクレレを弾いてハワイアン・ソングで励ましていた」というファミリーもいるそうですから。もちろんそのウクレレおじさんの背後では、一族が総出で見守っているんですよ。きっと無事産まれたら、その場でパーティーでもしちゃうんじゃないのかな〜
?! こんな明るくオープンな出産も楽しいな〜、と今は呑気に思えますが、陣痛の最中は違いました。思ったことはたった一つ、「今、ウクレレは聞きたくない! ビブラートの効いた裏声もいや〜! とにかく一人にしてくれ〜!!!(断末魔の叫び)」 どうやら、まだまだハワイアンの大らかさには到達できてないようです。ヤレヤレ…

プロフィール(わたしと家族の紹介)
わたし:愛称「がっちゃん」こと前田和子。ハワイ在住14年目。オペレーション・スーパーバイザーとして大手旅行社に勤務後、長女出産。「ハワイの歩き方」のエディター(育児休職中)で、現在2人の女児(4歳、5ヶ月)の育児に奮闘中。只今の生き甲斐は、子供たちが寝た後にホッとしていただくコーヒーと速読(ヤレヤレ)。
パパ:ぎりぎり49歳で2女の父になった超遅咲きパパ。ゴルフ三昧の定年人生は望むべくもなく、愛娘のために「死ぬまで働きつづける」のが今後の課題。職業はハワイ諸島の開発予定地の発掘調査を手がける考古学者。特技は子供を放りなげ続けるプール遊び。(当然ながら子供には超好かれます。ここまで体張って遊んでくれる大人はめったにいません)。
ステフ:長女。現在4歳半。妹を「マイベイビー」と自慢のタネにするのが得意。将来の夢はバレリーナと公言しつつレッスンに通うが、いまだにスキップができない。起き抜けに1枚、食後に1枚、寝しなに1枚と、お絵かきがやめられない元気いっぱいのプリスクール児。園ではクイン君という熱狂的なファン約1名を従えている。
クリス:次女。2001年9月11日に生まれた強運の持ち主。特技は、夜ひとりで勝手に眠れること。最近自分の足を発見したことがうれしくてたまらない5ヶ月児。腹ばいは苦手。愛称はちいちゃん(ミドルネームがちのちゃんです)だが、近頃はちーちー→ちーにまで簡略化されている。



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