ハワイのホテル、グルメ、ショッピング、オプショナルツアーなどの旅行情報 ホノルルから「ハワイ観光に役立つ最新情報」を毎日更新

ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイ出産物語」

第02回 主治医選び

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2002年02月14日

第2回 主治医選び


●人生の一大イベントを託す主治医
前回ス〜ッと音もなく登場した主治医のコササ先生(どうだ、今回は顔もみせちゃいます)。不妊治療とハイリスク・ケアの専門医で、ハワイでは唯一の産婦人科・小児科専門の総合病院であるKapiolani Medical Center(以下カピオラニ)の体外受精センター所長も兼ねる超多忙な先生です。「出産」という人生の一大イベントを託す主治医ですが、そのウエイトは日本と比べて重いかな〜と思うので、今回はハワイの病院システムの紹介も交えてお話しすることにします。

日本では、妊婦にとって「産院選び」は重要なポイントですよね。最近は希望するお産のスタイルに合わせて、設備の整った大学病院に始まって、サービスの異なる個人病院、または助産婦さんのやっている産院まで、いろいろ選択肢があるようです。日本のママ友達によると、産婦人科医の腕前がどうこうというより、入院中の食事がおいしいとか、無痛分娩もやってるとか、そんな口コミ情報がけっこう幅をきかせてる様子ですね。

ハワイでは、とにかく主治医を選ぶことが大先決。ドクターは個人のクリニック(診療所)を一般のオフィスビルやメディカル・ビルディングと呼ばれるドクターのクリニックが集まったビルに構えています。クリニックに入院設備はなく、妊婦は妊娠中と産後の診察にはクリニックに通い、出産時のみ主治医の契約している総合病院に入院することになります。ホノルル市内のドクターなら大抵、前述のカピオラニまたはQueens Medical Center(以下クイーンズ)のどちらか、または両方に登録していることが多いので、主治医を選ぶと必然的に病院も決まってしまうという仕組みなわけ。ちなみに入院期間は、正常分娩で2泊3日、帝王切開で3泊4日。母子ともに健康でもっと早く家に帰る必要があれば(幼い兄弟が多い、経済的に厳しいなど)、「エキスプレス」といって1泊2日で帰宅するプランもありますよ!

●ワープ? するコササ先生
わたしの場合、コササ先生はカピオラニ専属でクリニックも同病院内にあるため、選択肢なしでカピオラニでの出産が決定。ちなみにこの先生のクリニックは、写真のような診察台があるだけの診察室が3つ(うち1部屋には超音波を設置)、先生のオフィス、受付、血液検査や注射をするドアつきの小さなコーナー、待合室、トイレといった間取り。ドクターの診察は1対1で行われ、ナースも同席しません(これはどのクリニックでも同じです)。こういう患者のプライバシーが尊重されているところは、さすがアメリカ! 診察もすべて予約制、新患の受付も予約でコントロールしているので、待ち時間が短いのも大助かり。特に仕事をしながら不妊治療をしていた頃は病院通いも多く、毎回オフも取れないので、休み時間を融通して通ったりできたのが、有り難かったです。でも、たまにお産が外来時間と重なる時もあるのよねェ… そんな時はどうなるかって? 先生は手術着のまま外来の診察をして、「子宮口全開、もう産まれるぞ」コールが入ると、脱兎のごとく分娩室へ走る! そして後産の処置を終えるやいなや、またクリニックへ戻る! (こんな時でもス〜ッと音もなく、息も切らさず帰ってくるコササ先生。ひょっとしてワープしてるのかも?!) かくいう私も、2回とも外来時間に産んでしまった。ゴメンね〜!!

●口コミで巡り会えた名医
さて、余談ですが、わたしがどうやって主治医にたどり着いたかというと、やはり口コミ。コササ先生のところで不妊治療をした同僚が、めでたく双子の女の子を出産。「待ってても出来ひんで〜。紹介したるから行ってき〜」と、ハワイに居ながらコテコテの大阪弁で後押ししてくれたのが始まりでした。それ以前はどうしていたかというと、ハワイに来た当初は、カイザー・パーマネンテ(全米規模の健康保険組合)で子宮頚ガンの定期検診のみ受診。ちなみにこの保険は安価な保険料と治療費が売り物ですが、カイザー病院での治療しか受けることが出来ず、定期検診程度なら医師の指定もできないようになっています(最近は大丈夫みたいですが…)。その後、保険をHMSA(ハワイ最大手の健康保険組合)に切り替えてからは、星の数ほどいる産婦人科医から誰を選んでいいものやら、まだ主治医を決めかねていました。そこへ同僚からの口コミ情報! しかも一発で名医に巡りあえたのは今から思えばラッキーでした。もし、ここで専門医に巡り会っていなければ、可愛い子供たちと出会うにはもっと回り道をしたでしょうから…

最後に、妊娠に関係なく女性が産婦人科の主治医を持つのはアメリカではごく一般的なこと。子宮頚ガンの定期検診も普及していて(これを受診しなければ、ピルが処方されないからでもありますが)、何はともあれ1年に1回の定期検診だけには通います。とにかく女性にとっては長〜いお付き合いになるドクターなので、信頼できる相性のいい主治医を持ちたいものです。ことにアメリカ娘の母としては、娘が年頃になったらしかるべきドクターを見つけ、早い時期から自分の身体をケアする習慣を身につけさせたいと思います。なにせ子もちの高校生がウジャウジャいる土地柄だけに、母親にも打ち明けにくい「避妊」が必要な事態も、そう遠い将来ではないかもしれない(ウ〜、考えたくないケド…)。そんな時でも娘がピルをもらいに行けるような主治医がいるというのは、まさに転ばぬ先の杖! そう思うのは親バカのわたしだけでしょうかねぇ?!

プロフィール(わたしと家族の紹介)
わたし:愛称「がっちゃん」こと前田和子。ハワイ在住14年目。オペレーション・スーパーバイザーとして大手旅行社に勤務後、長女出産。「ハワイの歩き方」のエディター(育児休職中)で、現在2人の女児(4歳、5ヶ月)の育児に奮闘中。只今の生き甲斐は、子供たちが寝た後にホッとしていただくコーヒーと速読(ヤレヤレ)。
パパ:ぎりぎり49歳で2女の父になった超遅咲きパパ。ゴルフ三昧の定年人生は望むべくもなく、愛娘のために「死ぬまで働きつづける」のが今後の課題。職業はハワイ諸島の開発予定地の発掘調査を手がける考古学者。特技は子供を放りなげ続けるプール遊び。(当然ながら子供には超好かれます。ここまで体張って遊んでくれる大人はめったにいません)。
ステフ:長女。現在4歳半。妹を「マイベイビー」と自慢のタネにするのが得意。将来の夢はバレリーナと公言しつつレッスンに通うが、いまだにスキップができない。起き抜けに1枚、食後に1枚、寝しなに1枚、とお絵かきがやめられない元気いっぱいのプリスクール児。園ではクイン君という熱狂的なファン約1名を従えている。
クリス:次女。2001年9月11日に生まれた強運の持ち主。特技は、夜ひとりで勝手に眠れること。最近自分の足を発見したことがうれしくてたまらない5ヶ月児。腹ばいは苦手。愛称はちいちゃん(ミドルネームがちのちゃんです)だが、近頃はちーちー→ちーにまで簡略化されている。



この記事が属するカテゴリー: アロハダイアリー
関連キーワード: 出産, 子育て,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*


人気連載「ハワイ出産物語」


現地最新情報トップ5


前後の記事