第4回 病院と保険
●私を悩ませるハワイの自然 足を中心に、たくさん虫に刺され、何度も何度もぶり返す痒み。お部屋のクローゼットに入れたTシャツには、虫が湧き、お部屋には小さなムカデのような虫がはう始末。虫が嫌いで、「どこかに虫が潜んでいて、私を狙っている…」。このジワジワ迫る精神的ダメージに弱い私は、ストレスも重なり、掻けば掻くほど湿疹が出ている範囲が広がってきたのでした。 次に、私を悩ませたのが強い日差し。ハワイに到着した日から日焼け止めクリームはもちろん手放せません。でも、夏以外に、それもSPF50なんて強い日焼け止めクリームを使ったことのない私は、日焼け止めクリームにも悩まされることに… ある日、まだ1月というのに日差しも強く、ランドリーをしているだけで汗ばむような日でした。もちろん、午前中といえども日焼け止めクリームはしっかり塗っていたのです。すると、突然、目に何か刺さるような刺激。「おかしいなー?」と、思っていると顔と腕に痒みが。そして、私の顔と腕の皮膚は、赤い湿疹ができて、皮膚が硬くなっていくのを感じて大慌て。いくら、もう若くはないといっても、お肌の調子は気になります。ほぼ全身に広がった皮膚トラブルに、「これはヤバイ!」と、ようやく病院行きを決意したのです。 ●英語オンリーでも病院に行く!
J-1ビザで研修を受ける場合は、その研修期間+1カ月分、日本で旅行者用の傷害保険に加入しなければなりません。その保険会社のコールセンターに電話をして、「皮膚科を紹介してください」とお願いしたところ、「ドクターズ・オン・コールを紹介しようと思っていました。そこは皮膚科はなくて、内科と婦人科です」との返事。「明らかに皮膚がおかしいのに、なぜ内科にかかるのか?」と、正直、少々憤りを感じざるを得なかったのです。「これは、自力でなんとか皮膚科に行くしかない!」と決断。会社の健康診断で使った病院に皮膚科があることが分かり、つたない英語で、皮膚科という単語「dermatology」も調べずに電話。なんとかアポイントを取り、病院に出向きました(通常は、ドクターズ・オン・コールに出向いても何も問題はないようです。私は気が短すぎました!)。 日本語を話せる人がいない病院。「本当に、私はちゃんと治療が受けられるのだろうか? でも、症状は一目瞭然だから、ま、痒いとか、何日前からだ、とか言えれば大丈夫だろう」と自分に言い聞かせます。念のため、いつから症状が出たかだけはメモしていきました。使っている日焼け止めクリームを2種類持参し、先生に見せたところ、「こんなにいろんな成分が入っていたら、どれが悪いのか特定できないわ。薬を出しますから」とのこと。すごく身構えて、電子辞書の準備も万端だったけれど、案外簡単に診療は終わってしまいました。皮膚科の診療は、長く続いた症状ほど原因を特定するのが難しいそうで、もう原因云々よりも、今ある症状を抑える治療が優先されます。でも、先生は、ちゃんと刺激の少ない日焼け止めクリームを紹介してくれました。 ●治療費など保険の申請 アメリカでの医療費は高い、ということは分かっていました。というより、日本の医療費も高いのですが、3割負担なので、そんなに実感していなかっただけですね。治療費と薬に、それぞれ$80近くかかりました。治療費は保険会社に直接請求してもらうことになっているので、今回の一時負担は薬代の$80。薬を買ったら、窓口で「保険会社に請求の必要があるので」という風に言えば、申請用フォームを渡してくれます。それに必要事項を記入し、レシートを添付して保険会社に送れば、後でお金が戻ってくるという仕組みです。
●一難去ってまた一難 素直にドクターズ・オン・コールに行けば、最初からこんなハプニングに見舞われることはなかったんですけどね。でも、いい経験になりました。「もう、病院に行くのも怖くないです!」。でも、その後はいたって健康。傷害保険を利用すれば、インターンとしてアメリカに滞在中の治療費は全額保険会社の方でカバーされます。滞在中に具合が悪くなったときには、躊躇せず、すぐに病院に行きましょう!! ●ミカも一言 紹介された病院へ行くと、担当の先生がペンを片手に紙に図を書きながら、丁寧に状況を説明してくれました。「虫に刺された場所は、手先と足のひざにかけてまで。お腹にも数箇所刺されているね。もし、これがベッドに住み付く虫なら、体中を刺されるはず。ということは、カーペットから新しい血を求めてジャンプしてきた虫たちに手先と足先の血を吸われたんだね。こっちの虫って、本当に新しい血が好きみたいだからねぇ… 今後、この虫に刺されない対応策として、ベッドをビニールで覆って、虫がベッドの上に這い上がってこないようにしましょう。そして、その上にバスタオルを引いてベッドシーツをかければ、ビニールの違和感なく眠れると思うよ。もちろん、カーペットは取り外した方がいいですね」と先生。ベッドにビニールを引くとは、ちょっと不思議ではありますが、効果はありそう。でも、家のオーナーと相談して、結局、カーペットを取り外し、ベッドも別のものと交換することに。それからは、虫刺されはなくなりました。でも、その時の虫刺されの跡は、まだ足に残っているんですよね。 ハワイの虫が新しい血を好むのは結構本当のようで、ハワイに来たばかりの時は、多くの人が虫の攻撃にあうようです。ハワイ滞在5カ月が経とうとしている今、蚊以外の虫には全く刺されていない私… もう、私の血までもがハワイ色に染まってきたということかしら? ■関連情報 / 「ハワイの基礎知識 ハワイの緊急医療サービス」 (Yumi) |
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