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ハワイ歩き方事務局
人気連載「インターンの生活」

第06回 クレジットカードの取得

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2004年10月21日

第6回 クレジットカードの取得


車の広告にもローンを組むにはクレジットの承認についての記載が

●クレジット・ヒストリーって?
アメリカで生活していると、時々ぶつかる意外な壁が「クレジット・ヒストリー」の問題。携帯電話を購入する場合でも、クレジット・ヒストリーがないと、かなりの金額のデポジットを要求されます(第5回参照)。「家を購入するんじゃないんだから、携帯電話くらい、デポジットなしで作らせてよ…」というのがこちらの本音ですが。でも、業者サイドに言わせると、ヒストリーもなく、まして外国人(日本人を含む)の場合は、使用した料金を踏み倒して帰国するようなケースもたまにはあるそうです。だから、これも自衛のためなんでしょうね。「郷に入っては郷に従え」。しかし、このクレジット・ヒストリー、なかなかの曲者(くせもの)なんです。

クレジット・ヒストリーとは、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(社会保障番号、通称SSN)のもとに管理された個人の支払い履歴のことで、「カード会社のホスト・コンピューターに記録される、カードを使った信用取引の実績をいい、カード会社はヒストリーを基準にして信用度を測り、カードの限度額を上げたり、融資の可否の判定を下すもの」なのだそうです。つまり、簡単にいえば、借金の履歴なんです。これまでに、いくらお金を借り入れ、その支払いが滞りなく行われているのか、いくら借金の残高があるかなど、個人の全ての情報が記録として残り、スコア換算されます。たとえば、持っているクレジットカードに関する情報のほか、車や住宅ローンなどの借入金に関する情報などが記載されています。

このクレジット・ヒストリーに影響する情報は、おおよそ以下のようになっています。
1,支払いの履歴(滞りなくが基本)
2,借金の残高(複数のカードで限度額まで借り入れたりするとスコアが悪くなるようです)
3,ヒストリーの期間(長い間、きちんと返済している履歴があればOK)
4,新規申し込み状況(短期間にいくつもカードを作ると怪しまれます)
そのほか、クレジットの種類の組み合わせなど、いろいろな情報が加味されるようです。

●クレジット・ヒストリー作るには?
まず、ソーシャル・セキュリティ・ナンバー(SSN)がないと、クレジットカードの申し込みはできません。現在、就労ビザかグリーンカードがないとSSNを取得できないので、学生のケースでは残念ながらクレジット・ヒストリーについては諦めるしかありません。

SSNがあっても、現実にはクレジット会社の審査に通らないとクレジットカードは作れません。このクレジット会社の審査は、クレジットビューローと呼ばれる第三者機関が管理しており、現実はメインランドにある、いくつかの審査会社が行っているようです。日本でVISAカードを使い続け、「善良で優良なカードホルダー」と自負していた私ですが、たとえアメリカのVISAカードの申し込みをしたとしても、この日本での履歴はアメリカでは全く考慮されません。つまり、アメリカで一度もクレジットカードを作ったことがない私には、クレジット・ヒストリーはない訳で、クレジット・ヒストリーがなければ審査はいとも簡単に却下され、クレジットカードの申請ができない、まるで「ニワトリが先か? 卵が先か?」というような抜け道のない不思議な悪循環に迷い込んでしまうのです。

実は、会社の同僚Sさんと、どうやればクレジットカードを手に入れられるかを、常に情報交換している私。でも、なぜか、「どちらが早くクレジットカードを手に入れるか?」という競争に様変わりしたのです。それでは、ここから私とSさんのクレジットカード争奪・個人メドレー・レースの模様をお伝えします


このたった1枚のレターで社会人として否定された気分に…

●失敗に継ぐ失敗
第1のコース、ユミコ。第2のコース、Sさん。
個人メドレー最初の種目。両者一斉にレースしました。スタート時点では、アメリカの厳しいクレジット審査について何も知らなかったユミコ。自分の口座に一切入金がない状態(つまり収入がない)でも、銀行とカード会社が提携しているクレジットカードの申請を行いました。ユミコ選手、自分が日本でVISAカードを使い続け、自分を優良顧客と過信しており、アカウント(口座)にあるお金が十分であれば必ず申請をパスできると勘違いしていた模様。当然ながら申請は却下され、大幅に出遅れることに。その点、S選手はそんなことは既に調査済み。基本的なミスは犯さずに、頭一つ抜け出る好スタートです。

ユミコ選手、最初のターンで、クレジット審査会社から、「あなたの申請は、残念ながらクレジット・ヒストリーがないため、却下されました」という、たった一枚の紙切れで、まるで社会の一員として認められなかったような回答を受け、ショックを隠しきれず。自分のペースを見失ったようです。ターンの後のキックにキレがありません。それを横目にS選手、堂々の泳ぎでユミコ選手を大きく引き離します。まるで「自分は当然、社会的に認められる人間だ」ということを見せつけているようです。

次の種目で、周りからの大きな声援を聞くと、「プレミオ・カード」というものがあるらしい。息継ぎをするたびに、「日本でのクレジット・ヒストリーも考慮されるらしい」、「このカードで申請が通らなかったら、どこのカードも作れないらしい」という情報が耳に入ってくる。「よし それなら申請してみたらいいでしょうとペースを上げてターン」。が、この申請でも、やはり却下されてしまい、最初と同じ文書を受けとってしまいました。隣のコースで一歩先を行っていたかのように見えた同僚S選手、S選手もプレミアカード申請後、私がこの文書を受け取った数日後に同じ文書を受け取り、心乱れた様子。これまでの自信はどこにいったのでしょう? その隙を狙って、追い上げるユミコ。S選手に追いつきました。

コーチから、「何度も申請をして断わられると、それもクレジット・ヒストリーのポイントを下げるらしいぞ」という叱咤を受け、2回も申請を断われてしまっている自分に動揺するユミコ選手。しかしながら、ここは我慢。隣のコースのS選手も何やらコーチから指導を受けている。ここは落ち着いてレースの分析。自棄になったり、心乱れたほうが負け。卵が先かニワトリが先か?(クレジットカードが先か? クレジット・ヒストリーが先か?)の問題を考えると、集中できなくなってしまいますからね。

S選手とほぼ並んでターンしたユミコ選手、しかし、自分に集中している間、S選手の動向を把握できず。最後の種目に入ったときにも「同じだ」とすっかり思い込み。息継ぎをした時に、S選手の様子をキャッチ。すると、その手には燦然と光り輝くメダルならぬ、「JCBカード」。何が起こったか分からずにパニックになっていると、S選手、大きなストロークで一気にユミコ選手からぬきんでて、堂々のゴールを果たしたのです。


これはJCBセキュアード・カード。外見は全く同じです

●救世主セキュアードカード
Sさんが手にしていたものは、「セキュアード・カード」と呼ばれるものでした。セキュアード・カードは、あらかじめ一定額のデポジットを入れておいて、その金額の範囲内(つまり、その金額内なら保証付きなのです)でなら、クレジットカードとして使えるというものです。このカードで利用したクレジットについては、きちんと審査会社にも報告されます。期日を遅れることなく、きちんと支払いを続けていれば、ポイントが加算されて、だんだんとクレジット・ヒストリーが溜まっていきます。デポジットの額は$200〜$5,000と、この範囲もカードによって異なります。このように着実にポイントを貯めていくという地味な努力の結果、約1年から2年くらいで正式なクレジット・カードが作れるようになるそうです。

クレジットカードの信用が確立されれば、アメリカでの社会人としての基盤ができたようなもの。クレジット・ヒストリーが無いために、家を借りるときに余計にデポジットを払ったりしなくてもよくなりますし、住宅ローンも使えるようになります。

外国人だけがこの矛盾の壁に突き当たるとおもいきや、実はアメリカ人でさえこのクレジット・カードには悩まされている模様。でも、親が保証人になったりすることで、彼らは私達よりも楽にカードが作れるようですけどね。長期でアメリカに滞在をお考えの方、将来的にはこちらに住みたいとお考えの方。私のように申請が通らなくなるかもしれない恐怖と戦う前に、セキュアード・カードで地道にクレジット・ヒストリーをためましょう。銀行によってはセキュアード・カードを取り扱っているところもあるようですが、私はハワイではまだ見つけていません。

プレミオカードが、日本でのクレジット・ヒストリーを考慮して発行してくれるというのは本当みたいですけど、私はJ1、SさんはF1のビザステータスだったので、難しかったのかもしれません(日本での自らのステータスを否定したくないため、あえてビザステータスのせいにしておきたい私)。でも、真相は闇の中。クレジットカードの申請が拒否された場合、自分のクレジット・ヒストリーがどうなっているのか確認することができます。私が2回も受け取った「却下」のお知らせに、その連絡先がありますので、どうしても納得のいかない方は、そちらに問い合わせされるといいと思います。それでは、次のレースに備え(何のレースだ?)、私も早速セキュアード・カードの申し込みを行いたいと思います。

●ミカも一言
そういえば、私もアメリカではクレジットカードをいまだに申請していません… でも、今のところ、ATMカードで全て用は足りているので、「問題ないかぁ」と楽観的(笑)。しかし、クレジットカードを作成し、月に数回はカードを利用して期日までに返済することは、クレジット・ヒストリーを築くためには大切な道のりなのです。まずは、クレジットカードを取得し、クレジット・ヒストリーを構築するのはいいアイディア。私もクレジットカードを取得して、地道にヒストリーを貯めるべく、レースに参加させてもらおうかな!?

■関連情報 / 「地球の暮らし方 ハワイ」

(Yumiko)

プロフィール
ミカ:日本の企業で4年間システムプログラマーとして働いた後、さらなる経験を積むためにインターンシップに参加。2004年1月からハワイの歩き方編集部で研修中。生まれも育ちも長野県の信州人。海に囲まれた生活は初めてなので、新しい環境を満喫しています。「ずく(気力)」だして、インターン生活に励んでますよ 日本の短大を卒業後、ネブラスカ州の大学に編入したため、アメリカ生活は今回で2度目。ハワイでのインターン生活に奮闘中。
早いもので、インターンを開始してから6カ月が経過しました。今は1週間がとても早くて、あっという間に金曜を迎えることが多いです。最近、ベリーダンスのレッスンを受け始めました。両手に小さいシンバルをはめて「シャリシャリ」と音を奏でながらステップを踏む妖艶な雰囲気にちょっとはまっています。

ユミコ: 九州の大学を卒業後、東京で就職。文学部卒業のくせに、なぜかIT企業へ。半年間の語学留学を経験したあと、こちらハワイでインターン研修を始めました。新しい仕事、新しい生活、あれもやりたい、これもやりたいで毎日が終わっていきます。サーフィンを楽しむ一方、現在ヨガに熱心に通っています。このヨガ、ストレッチに加え、筋肉トレーニングも兼ねており、徐々に筋肉が強くなってくる自分を実感。この筋肉がサーフィンに生かされるといいんだけど

この記事が属するカテゴリー: アロハダイアリー, ハワイ留学・学ぶ・英会話
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