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ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイで直撃インタビュー」

第18回 ハワイ語&ボランティア・エキスパート、かずこセリッグさん

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2009年03月09日

最近、「ハワイでボランティアをしたい」という声がハワイの歩き方読者の方々からとても増えています。そこで、今回はハワイ在住でボランティア歴25年のボランティア・エキスパート、かずこセリッグさんに編集長の野崎彩子がハワイでのボランティアについてインタビューしてみました。ハワイ大学大学院で言語学を修め、現在はハワイ語講師とハワイ語翻訳家として活躍する、かずこセリッグさんのボランティアの極意とは?

ハワイで直撃インタビュー 第18回 ハワイ語&ボランティア・エキスパート、かずこセリッグさん

ハワイの歩き方編集長、野崎彩子(以下彩子):今日は、お忙しいところお時間を取ってくださり、ありがとうございます。今、日本からの旅行者の方々の中に「ハワイでボランティアをしたい」という声がものすごく多いんですよ。特にリピーターの方々に。

かずこセリッグ(以下セリッグ):
そうですね。最近、私も日本の旅行会社の方々から、「ハワイでボランティアをするツアーを企画してくださいよ」という相談をよく受けるようになりましたね。


彩子:やはり、そうですか。身近なところでは、母が私を訪ねてハワイによく来るのですが、数年前から「今度、ハワイに行くときは、老人ホームとかでボランティアでもしたいわね」なんて言っていますよ。でも、英語がわからない旅行者が、「ハワイでボランティアしたい」といっても、受け入れ先が見つからないのでいまだに実現していません(笑)。

セリッグ:そうですね。ボランティアというのは、する側だけでは成り立たないんですね。いつも、「ボランティアは、される側が受け入れてくれないとできない」ということに気づかされます。たとえば、資格や経験がなくても、一生懸命な気持ちだけで「何かをしたい」という人を、おおらかに受け入れてくれる相手がいてこそ、ボランティアが成り立つのです。だから、ボランティアというのは、何かを一方的にしてあげるのではなく、好意の交換です。ボランティアの後は、した側もされた側も沢山好意をうけとることができます。

彩子:なるほど。「ボランティアは好意の交換である」ということには、思いも及びませんでした。セリッグさんは、7才のときからボランティアをされていて、ハワイに移住されてからも、ボランティア歴が長いそうですが、具体的にはどんなボランティアをなさっていましたか。

セリッグ:日本では、大学病院の小児病棟でボランティアしていました。入院のために勉強が遅れている子供たちに3年ほど英語を教えていました。あとは、知的障害者の施設にお手伝いにいったり、老人ホームでフラを踊ったりもしました。ハワイでは、こちらに住み始めてすぐに、イオラニ宮殿で1年ほど通訳ガイドのボランティアをしました。その後、カピオラニ・コミュニティ・カレッジ入学後は、大学内にある「サービス・ラーニング」というプログラムでボランティアをしましたね。

彩子:「サービス」というと、日本語では「無料のおまけ」という意味合いで使うことが多いですが、英語の「サービス」という言葉は、どちらかというと「社会貢献」とか「社会奉仕」、つまり「ボランティア」という意味ですよね。

セリッグ:そうです。これは、自分の興味のある分野で地域貢献をしながら学ぶ、という大変ユニークな大学のプログラムなんです。私はハワイ文化研究を専攻していたので、ハワイの原生植物を育てたり、海藻を植えたりしました。それから、ヘイアウ(神殿)と呼ばれるハワイアンの聖地や、歴史的遺産であるフィッシュポンドを清掃したりといったボランティア活動をしました。

彩子:ハワイアンのへイアウ(神殿)のお掃除のボランティアもされたんですか? 先月、ハワイアンのカフ(伝統継承者)の方にハワイの聖地(パワースポット)を訪ねるときのルールを聞いたのですが、入る前に必ず許可を求めるお祈りをすることと、何かその場所に貢献すること、自分にできることを考えるということを仰っていましたね。

セリッグ:ハワイアンのヘイアウ(神殿)はもちろんのこと、歴史的に重要な意味を持つ場所でボランティアをすることが多かったので、まずはハワイ語のチャント(詠唱)を覚えさせられました。どこかに入る際に、必ずその場所を守っている精霊から許可を得るために絶対に必要だからです。神聖なへイアウに入るときは、必ず清掃などのボランティアをしていましたね。というか、私は必ずそうするものだと思っていました(笑)。

彩子:ハワイで体験された珍しいボランティア活動や普通の人が参加できないようなものはありましたか? 

セリッグ:普段は入ることができない、オアフ島のノースショアにあるカアラという山の雑草駆除のボランティアをしたことがあります。この地域は、自然環境が大変特殊なため、ハワイ固有種のみならず、世界中でこのカアラ山にだけにしか存在しない植物までもが生息しています。ここへ入るには特別な許可が必要なのですが、この場所にあるべきでない植物が誰かの靴について進入し、固有種を圧迫していたので、駆除のボランティアをするために、入場許可をもらいました。

彩子:ほう〜。それは、珍しい、超限定体験ですねえ。ボランティアでもしなければ、その場所を見ることも許されない! ボランティアって、奉仕する側も実はかなり得るものが沢山あるのですね。セリッグさんは、ボランティアをしていて、自分の意識にどんな影響を与えていると思いますか?

ハワイ語復興の第一人者、ライアナ・ウォン博士と

セリッグ:ボランティアは、「地域や人々の役に立ちたい」という気持からはじめるのですが、実は自分が助けられているほうが多いように思います。過去を振りかえってみると、「あんな経験はボランティアでしかできなかったな」というものばかりで、まさにお金では買えない貴重な経験をたくさんしました。また、ボランティアを経験して初めて実感できること、理解できることがあります。そして、理解の上には相手に対する尊敬や愛が生まれます

彩子:ボランティアは、お互いの内面を変えるんですね。私自身も、今まで社会貢献するお仕事や活動をしていた頃は、人生がものすごく充実していて楽しかったと思います。自分の行動が人の役に立っているとか、地球の役に立っているという実感って、生きがいとか生きる意味とか究極の幸せをもたらすのかなと思います。人間って、おいしいものを食べたり、趣味に打ち込んだり、仕事や学校に行ったり、という普通の日常生活だけじゃなくて、高い次元の喜びも感じたいのかもしれませんね。ところで、現在、セリッグさんは、どんなボランティアをされていますか?

ボランティアのユニフォーム

セリッグ:現在は、ホノルルのクイーンズ病院でがん患者の方をメインにヒーリングの施術をするボランティア活動をしています。患者さんと接していると、昏睡状態の方の目がパチッと開いたり、「生命とはエネルギーのかたまりなんだ」と実感して、命の重さを感じさせられますね。また、実用的な報酬もあって、看護婦の方々が行うヒーリング技術の講座を無料で受講させてもらったり、ミールクーポンがもらえたり、バス券が割引になったりしています。

彩子:いろいろ特典もあるのですね。

セリッグ:その点は、アメリカでは返って来るものが多いですし、ボランティア活動が社会的に重要視されていますね。例えば看護士になりたい人は、まず病院などでボランティアをします。ボランティア経験は、アメリカでは経歴として履歴書にも書けますから、競争の激しい職種の場合はボランティア経験があると有利になるのです。

彩子:なるほど。それでは、短期の旅行者の方でもハワイ滞在中に初心者でも参加できるようなボランティアがあれば教えて下さい。

セリッグ:
まず最初は、ワイキキ・ビーチやダイヤモンドヘッドの清掃やホノルル・マラソンの受付、ホノルル・フェスティバルなどのボランティアがおすすめですね。


パラキコ・ヤゴディッチさん

彩子:それでは、「ボランティア」とは、一体何なのでしょうか? 社会貢献? 生きがい? 人助け? 究極の贅沢? 人間として当たり前のこと?

セリッグ:ボランティアって、人や地域に役立つのはいいことだからするものだけど、「どうして役に立ちたいの?」って聞かれると、説明に困りますね(笑)。戦争などの破壊的な行動は、自分や自分を含む狭い意味でのコミュニティを守るための本能かもしれないですが、逆に「人を助ける」っていうのも、もっと大きな地球規模のコミュニティを守るための本能かもしれないですね。

彩子:地球規模で人間が「なんとかしなくっちゃ」って思うようになってきているのかもしれませんね。それでは、締めくくりとして、「ハワイでのボランティア」について一言お願いします。

セリッグ:
ボランティアは、純粋に与える気持ちで行うもので、見返りを期待してするものではありません。ところが、なぜか結果的には、いつもボランティアの後に、たくさんのものを与えてもらっていることに気付かされます。特にここ、ハワイでは、それを実感することが多いのです。これは、「純粋に与える」というコンセプトが、ハワイアンの文化そのものだからではないかと思います。これからは、日本からの観光客のみなさんもハワイでボランティアをしながらハワイの文化を体験できるように、受け入れ態勢を整えるお手伝いをしていきたいと思います。

彩子:「見返りを考えずに与える愛」、というのが本当のアロハ・スピリットで、ボランティアの極意でもあるということなのですね。そして、これからのセリッグさんのご活躍に期待しています。今日は貴重なお話をありがとうございました。

(2009年3月更新)

ハワイアン・カルチャーとボランティア
野崎彩子日本に住んでいた頃はフラダンサーとして活躍されていた、かずこセリッグさん。なんと、高木ブーさんのライブのダンサーを務めたこともあるそうです。現在は、フラダンサーとして舞台に立たれることはほとんどないそうですが、フラマスターのクム・キモ・アラマ・ケアウラナ氏のもとでフラを続けているとのこと。今回は、「ハワイでのボランティア」をテーマにお話を伺いましたが、ハワイにはまだまだケアが必要なエリアがいっぱいあって、ハワイアンの遺跡や保護区などでボランティアをしてくれる熱意ある人の数はまだまだ足りないということを知りました。ハワイアン・カルチャーを多角的に学んだ彼女がボランティアの極意である「見返りを求めずに純粋に与えるというコンセプトは、ハワイアンの文化そのもの」と語っていたのが印象に残りました。それは、ハワイ王室霊廟の館長であるビル・マイオホ氏が伝えてくれた本当のアロハの教えに通じるものだと思います。旅行者でも気軽にハワイでボランティアに参加できるようになり、ハワイのアロハ・スピリットを体験できるようになる日はもうすぐかもしれませんね。
(ハワイの歩き方編集長、野崎彩子)

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