6月といえばハワイはもう夏、真っ盛り。2分も外にいば手足はこんがりだし、ブーゲンビリアやハイビスカスもひときわ色濃く、勢いよく咲いている。学校も夏休みに突入するから、自然も人も、世を謳歌するのがこの時分なのだ。
そして食いしん坊にも嬉しいのがこの季節。なにしろ、ありとあらゆるトロピカル・フルーツが次から次へと旬になる。しかも、ヒロは偉大なるカントリーサイド。その季節感は「スーバーに並ぶ生鮮品」でなく「道端」で感じられるのです。
ハワイ島の一軒家ではたいていの庭に何かしら“食べられる樹”が植わっている。道沿いに果樹が無造作にはえてることも少なくない。そんな樹にマンゴーなんかがどっさり実っているのを見かけては「この樹のはウマそう…」とか思ったりするのが、ここの季節感なのだ。
この季節旬になるのはまずライチとマンゴー。そしてリリコイ、アボカド、スターフルーツ、マウンテンアップルなどなどが続く。こんなトロピカル・フルーツや冬場の柑橘類、それから季節を問わず実るバナナやパパイヤなど、ほっておいてもまるで雑草のように実ってしまうのがハワイ島。シーズンともなれば毎日食べても消化しきれないし、ご近所に配りまくってもまだ余る。あげくは、にわかフルーツスタンドを家の前に作って無人販売する人もいるし(この場合、お金の回収は二の次)、果ては行きずりの人にもイキナリお裾分けという事態も起こったりする。
例えばこんな風。ある日、取材の中休みでコーヒーショップにいた私とクルー3人組は、日系のおじいちゃんに「日本から来たのか」話しかけられた。そうだというと「ちょっと待っとりなさい」(そこだけ日本語)、 とどこかへ。はてなマークを飛ばしつつ待つことしばし。やがて戻ってきたおじいちゃんは「ほれ」となにかがいっぱい詰まったスーパー袋を差し出した。中身は…みかんだった。あっけにとられる日本組に、翁は満面の笑みで「これうちでなったんじゃ。イッツ・ベリー・グッド。ユー・ノウ?(わかるだろ?)」。この際、スーツケースにいれて日本に持って帰れるかどうかなどということは、問題ではない。おじいちゃんはお裾分けするチャンスを逃さなかったのである。
そんなわけで、季節の恵み豊かな土地柄なのであるが、お裾分け待ちより確実にその恵みを味わおう、手に入れようと思ったら、ファーマーズ・マーケットに出かけるのがおすすめ。とりわけハワイ島のファーマーズ・マーケットは、地産のフルーツや野菜、生花を直売しているケースが多いから、なにしろ安くて新鮮なのだ。私の住むヒロのマーケットだと、例えばパパイヤは6個とか8個で$2、いかにもトロピカルなアンセリウムの花は5本で$3という具合。これがホノルルだと倍以上の値段だから、ヒロに遊びにくる度、重くてかさばるのにもめげず買い込む友人もいるくらいだ。
というわけでハウイ島の果物自慢でした。ここに来たら、ホテル滞在だからとめげず、果物ナイフ・紙皿・フォークを手に入れて、ぜひここのフルーツ、味わってください。その手間をかける価値大ですよ~。
ではまた次回。A hui hou!
HILO FARMERS MARKET ヒロのダウンタウン、カメハメハ・アベニューとマモ・ストリートの角。水曜・土曜7:00〜16:00開催 www.hilofarmersmarket.com
(2012年6月更新)
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