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ハワイ歩き方事務局
人気連載「ハワイの歴史」

その3

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:1999年12月08日

ハワイの歴史、気候、地理などを扱った「知識編」と、旅行者にとっての必須トピックを扱った「実践編」にわけてお届けする「ハワイの基礎知識」。取り上げて欲しい内容がありましたら、編集部宛にお知らせください。

ハワイの歴史 その3

ハワイ王朝時代と世界史への登場

1779年、イギリス人の探検家ジェームス・クック(キャプテン・クック)が太平洋航海の途中でハワイ諸島を「発見」。クックによりサンドイッチ諸島と名付けられた”ハワイ”が世界史の中に初めて登場します。この「発見」以降、イギリス、フランス、スペインといったヨーロッパ列強から交易や探検家たちがハワイを訪れはじめます。

一方、1790年カメハメハはハワイ島制圧を果たしていますが、この頃には欧米人とも交流を深めており、すでに植民地支配の経験を持っていたヨーロッパ人から多くのことを学んでいました。1795年にカメハメハがハワイ全島の支配のためマウイ島の攻略を開始した時には、欧米から取りよせた銃や大砲といった最新の武器とイギリス人の軍事顧問を従えていたのです。間もなくマウイ島、モロカイ島を手中に収めオアフ島に上陸したカメハメハ軍は激しい戦闘を続けた後、現在では観光名所となっているヌウアヌ・パリの戦いで勝利してカウアイ島を除くハワイ全島を支配下に置いたのです。カメハメハは大王となり、ハワイ王朝が始まります。やがてカウアイ島も統治され、ハワイ諸島はカメハメハ大王による中央集権的な王政社会の誕生と欧米諸国とのかかわりの中で激しい変革の時代を迎えていきます。

カメハメハ大王は農業や産業の振興に努め、特にサンダルウッド(白檀)を中国向けに輸出してハワイ王朝の財政的な基礎を作ることに成功しています。首都もハワイ島のカイルア・コナからラナイ島を経てマウイ島のラハイナへ遷都されています。

カメハメハ2世の時代には古来からの風習に大きな変革が起こります。第5回で紹介した「カ」と呼ばれるタブー(禁制)の廃止です。これによってカフナと呼ばれていた神官たちの存在が否定され、秩序や風俗などが混乱し始めた、ちょうどその頃、キリスト教が伝来します。

カメハメハ3世が即位した1825年当時、ハワイは捕鯨の基地としてあるいは貿易の中継地点として発展しつつありましたが、捕鯨船の乗り組み員や貿易商などの外国人の流入などによって社会は常に不安定だったようです。そんななかでキリスト教はハワイ王室の庇護を得て急速に浸透していきます。文字のなかったハワイ語をアルファベット化してハワイ語の聖書が出版されています。こうして西洋文明は短期間にハワイに浸透して近代化を促進し、同時に古来からの口頭による伝承文化に終わりを告げてしまったのです。カメハメハ3世の時代にはヨーロッパ式の政治制度が導入されて、多くの白人たちが政府に加わりました。1840年には憲法が発布、さらに土地改革が行われて、もともと土地を所有する概念が無かったハワイに土地を所有する、あるいは財産とみなす価値観が登場します。これによって捕鯨が衰退した1850年代以降のハワイ経済を支えた、砂糖キビのプランテーション産業が一気に広がりをみせたのです。この頃から西欧によるハワイへの侵略行為がたびたび行われるようになり、イギリス、フランスなどが武力によって一時的にハワイを占領する事件が起きています。ハワイ王室はアメリカとの併合の道を模索しはじめるのです。その後、カメハメハ4世からカメハメハ5世と続いたところでカメハメハ大王直系の王家は血筋が跡絶え、議会により選ばれたルナリオ王が即位しますがわずか1年あまりで他界。

次いで選挙で選ばれたカラカウア王は砂糖産業を発展させ、大量の移民労働者を呼び寄せました。さらに日本を訪れ明治天皇と会見し、日本の皇室との間に姻戚関係を築こうとしますがこれは果たせずに終わっています。白人による産業と政治の支配から「ハワイ人によるハワイへの回帰」を目指していたカラカウア王でしたが、時代は彼に味方せずに静養先のサンフランシスコで王は亡くなってしまいます。1891年即位したリリウオカラニ女王は王権の拡大を計り、1893年に新憲法を発布すると発表します。ところがこれをめぐってアメリカ系白人勢力とハワイアン勢力の間で緊張が高まりイオラニ宮殿でクーデターが勃発。1893年1月17日、武力衝突を避けるため女王は降伏して、事実上ハワイ王朝は終わりを告げるのです。

(1999年取材)

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