
山岸康三・ダイエー(USA)代表取締役会長 |
ハワイ住む日本人や日系人にとって、なくてはならないスーパーマーケットの一つが、おなじみの「ダイエー」。「Daiei USA Inc」本社があるカヘカ店のほか、ハワイにはカイルア、パールシティー、ワイパフの4店舗を構え、日本の食材はもちろん、和洋中なら何でも揃う便利なスーパーとして、広くローカルをはじめ、アジア系の人たちやコンドミニアムに宿泊する日本人観光客など、年間約600万人に利用されています。日本との関わりも深いだけに、今回のイラク戦争の影響が気になるところですが、「実は一時は心配しましたが、全く影響はありません」と約1000人の従業員のトップに立つ山岸康三・ダイエー代表取締役会長。8日(火)、カヘカ店で行った山岸会長との一問一答は、次の通りです。
-日本からの観光客にもよく利用されるようですが、比率はどれくらいでしょうか
「ワイキキからのアクセスが便利なカヘカ店には、毎日約9000人の買い物客が来られますが、そのうち日本人を含む観光客の利用者は10%くらいでしょう。最近はホテルよりキッチン付きのコンドミニアム利用者が増えるにしたがって、食材を買い求める観光客のお客様が年々増えています。また、ワイキキで買うより安い化粧品やお土産などにも人気がありますね。特に、若い人は高級ホテルより便利なコンドを利用し、余ったお金はしっかりショッピングに回されているようです」
-イラク攻撃で日本人観光客が大きく減っていますが、何か影響は
「実はこりゃ、やばいな、と一時は心配していたのですが、いざ戦争が始まってみると、今のところ全く何の影響もありません。ローカルの消費者も心理的に買い控えの傾向が強まるかな? とも危惧したのですが、売上自体は減っていません。これは意外でした。911の時は、私は日本にいたのですが、あの時でさえハワイ店はほとんど影響を受けていなかったようです」
-テロの危険性など、ハワイにいると感じませんが
「メインランドから来るアメリカ人に聞くと、本土よりハワイにいる方が安全だそうです。日本人はパールハーバーのイメージとか、心理的にどうしてもハワイ=外国ということで、何かあれば言葉や文化の違いなどから困るだろうと、躊躇するのでしょうね。日本にいると、北朝鮮のミサイルの方がずっと怖い気がしますが」
-最近、カヘカ店の店内が随分きれいになりましたね
「約1億円をかけて、昨年12月に改装工事を終えました。営業しながらの工事ですので、大変でしたが、魚売場や野菜コーナーなど、かなり広くてお客様が買いやすいように工夫しました。天井から吊してあるコーナーごとの説明書きなども一新し、かなり明るくて綺麗になったと、お客様にも喜ばれているようです」
-日本の親会社は一時、1兆8000億円の有利子負債を抱えるなど、厳しい経営再建の途上にありますが、ハワイ店は親会社の孝行息子だそうですね
「ハワイ4店はおかげさまで黒字続きで、毎年改善できています。個人的には、もう1店舗増やしたいのですが、日本の銀行筋は認めてくれないでしょうね。アラモアナの山側にウォルマートができることだし、今後、約70%は食材で勝負しているダイエーの特色を生かして、肉や野菜、魚、惣菜ならダイエーが一番、といわれるようにしないと。薄切り肉などの技術もウチの売りで、加工技術も付加価値を生むものだから、もっと伸ばさないと。私はフグを売ってみたいんだけど、刺身にできる技術者が今はいないんです」
-山岸さんはハワイに住まれて通算9年目ですね
「食文化というのはアートだと考え、日本が一番だと私は思っています。フランスのパリより日本の方が上。たぶん、東京かニューヨークが世界の双璧でしょう。その日本の食文化に少しでも近づけるようにするのが、ハワイのダイエーの使命だと思っています。ダイエーで美味しくて、リーズナブルな価格で買えるようにすること。そうなって、消費者のみなさんに喜んでもらえたら、うれしいですね」
-ハワイに行こうかどうかと、迷っている日本からの観光客に何かメッセージを
「ハワイは、やはり究極の楽園だと思います。どうか、日本にいるのと同じように、気楽にハワイに来てもらいたいですね。私はグリーンカードを持っているので、定年後はのんびりハワイで暮らすのが夢です。転勤で私が日本に帰国したときでも、家族はハワイにいました。ハワイに住みながら、日本へ遊びに行くというのが最高の人生ではないか、と思っています」
●山岸 康三さん
◎略歴
1945年9月20日、滋賀県出身、57才。ダイエー入社後は、婦人服の仕入れ業務などに携わった。英国・ロンドンのチェーンストアで1年半ほど修行の後、ダイエー本社のサービス関連本部長などを歴任し、福岡ドームや同ホテルを立ち上げた。1995年にアラモアナ・センターが100%ダイエー資本となった時に、オーナーとしてハワイに赴任(99年に売却)。2001年に帰国し、本社取締役。昨年2月から現職。中内功・前オーナーから言われた「前向きにやった失敗は許される」という趣旨の言葉を座右の銘に、「リスクを恐れず、良いと思ったら何でもやる」が持論。趣味はカリフォルニア・ワインの収集。妻と三女。
(4月8日 20:00)
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