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ハワイ歩き方事務局

聖地マウナ・アラ、ハワイ王室霊廟(ロイヤル・モザリウム)

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2009年02月16日

古代ハワイアンのヒーリング・パワースポットやヘイアウ(神殿)巡りが脚光を浴びていますが、ハワイアンのカフ(伝統継承者)の方から、「ハワイで最も神聖な場所がある」と聞いて、ある場所へやってきました。それは、ハワイの王室が眠る霊廟、「ロイヤル・モザリウム」。ハワイ王族の子孫であり、ハワイの魂ともいうべき場所の館長を務めるビル・マイオホ氏を訪ねました。(ハワイのパワースポットでのルールはこちらから)

聖地マウナ・アラ、ハワイ王室霊廟(ロイヤル・モザリウム)


ハワイ王室霊廟のマイオホ館長

■ハワイで最も神聖な場所、「マウナ・アラ」
オアフ島ホノルルのヌアヌ通りを北上して5分の場所にハワイで最も神聖な場所とされる「マウナ・アラ」があります。「マウナ・アラ」とは「香りたつ山」という意味のハワイ語ですが、ここは、「ロイヤル・モザリウム」と呼ばれ、ハワイ王室が眠る霊廟です。なぜこの場所が聖地なのかというと、この場所はアメリカ合衆国の管轄下ではなく、ハワイ州の管轄下にあり、ピュアなハワイアンの土地だからです。このため、ここは公共の場所でありながら、アメリカ合衆国の星条旗を一緒に掲げずにハワイ王国の旗のみを掲げることが許されている地球上で唯一の場所なのです。この土地は、ハワイ王室の埋葬以外の目的で使われることがないよう、米議会からの条例によって保護されています。今回は、この「ハワイ王室霊廟」の館長であり、ハワイ王族の血を引くカフ(ハワイアンの伝統継承者)であるビル・マイオホ氏をハワイの歩き方編集長の彩子が訪ねました。

■ハワイアンの聖地に入るということ

今回は、ハワイアンの聖地を訪ねるときの心構えや作法を学ぶためにこの場所にやってきたのです。同じくハワイアンの血を引くカフであるカイミロア・ダハンさんも同行して下さいました。ここでは、まず正式なハワイアンの作法に則り、参拝する側と参拝される側がハワイ語のチャント(祝詞)を交わします。ハワイアンの聖地には、ほとんどの場合、公式な管理者としてカフ(ハワイの伝統継承者)の方がそれぞれ任命されています。ハワイ王室霊廟の場合は、先祖代々王室の遺骨を守ってきた王族の血を引く家系のマイオホ氏がカフを務めています(具体的にいうと、カメハメハ大王の遺骨を隠した族長であるホオルルの血を引く方です)。カイミロアさんが参拝者を代表して、ここに入る許可を求めるハワイ語のチャントを捧げます。そして、この聖地の管理者であるマイオホ氏がハワイ語で神々とここに眠るハワイ王族のかわりに、入場許可をチャントで返答してくださいました。カイミロアさんによると、ここに眠っているハワイの王族は、今でもハワイの土地を見守っているので、何かハワイで物事を始めたい人やハワイアンの神殿や文化に関わることをしていく人は、ここに参拝してその許可を得にくることは筋が通っているのだそうです。

入場許可のハワイ語のチャント

■与える心、アロハと尊重する気持ちで
ハワイアンの血を引く者にとっては、聖地での作法はとても重要なことだそうですが、異民族である日本人がこうして参拝の作法を熱心に学びに来たということで、マイオホ氏の目に涙がうっすらと浮かんでいました。なんでも、彼が知る限り、これまでハワイアンの聖地での正式な参拝の仕方を聞きに来た人はハワイアンでも外国人でもいなかったそうなのです。マイオホ氏は、「マウナ・アラはハワイアンにとって土地のマナがあるサンクチュアリ(聖域)です」と説明して下さり、ハワイの聖地に入るときに一番大切なのは、「与える心と役に立ちたい気持ちを持つこと、そしてアロハと尊重する気持ちを持つこと」と語ってくださいました。ただマナを得ようとする人(取るだけの人)は、聖地のマナを受け取ることができず、なぜか居心地が悪く感じてしまう場合が多いとのことでした。(詳しくは、ビデオをご参照ください)

パワースポットでのマナー

ハワイアンの歴史が息づく神聖な場所
ハワイ語のチャントのやりとりによって入場を許可され、厳かな気分で敷地内にある英国風のチャペルに案内されました。中ではマイオホ氏がハワイの王族の歴史について講義をして下さいました。チャペルの中は、王族が用いた羽根飾りや調度品が飾られていました。丸いステンドグラスは、8つの花弁がハワイの8つの島を象徴しており、紫という色は王室を意味するのだそう。王族ハワイ王室霊廟(ロイヤル・モザリウム)には、カメハメハ王朝からカラカウア王朝までの王族の遺骨が納められており、ここに埋葬されていないのはカメハメハ大王とルナリロ王の2人だけ。カメハメハの遺骨は、ハワイの伝統に従って、族長の血を引くホオルル(マイオホ氏の先祖)によって誰にも分からない場所に隠され、ルナリロ王の遺骨は本人の希望によりカワイアハオ教会に埋葬されたとのこと。ハワイ王室の歴史を語るマイオホ氏は、「私の先祖が私の口を通じて話しているときもあります」と仰っていました。

ハワイのパワースポットで

ハワイアンが命がけで守ってきた秘密のスピリチュアルな教えとは?
マイオホ氏は、1800年代の初頭にカメハメハ大王がハワイを統一する際、カウアイ島がなかなか陥落しなかった頃にカウアイ島を統治していた女王の苦悩と決断について語ってくださいました。「カウアイ島の女王は、未来を見通すカフナ(神官)をアドバイザーとして抱えており、もしカメハメハと戦ったら、どうなるか分かっていたのです。もし、戦ったら皆殺しにされた上に、ハワイアンの本当のアロハの精神と平和の教えそのものが途絶えてしまうことが分かっていたのです。その結果、降伏はしましたが、多くの命が救われ、本当のハワイアンの教えを存続させることができたのです。今、ハワイアンの人々は(その後、西洋文化に取り込まれて民族と文化を破壊されてしまったことに)怒りを感じています。今までは重要なハワイアンのスピリチュアルな教えは秘密にされてきました。でも、今こそカプ(タブー)を超えて、ハワイアンが大きな犠牲を払って守ってきた奥義を伝え、ヒーリングを広めるときが来ているのです。悲しい過去は変えられません。今は、許しが必要なのです。私たちは、傷ついた自分のハートを癒すために何かできるか考えなくてはいけないのです」。ハワイアンのアロハの教えは人種や国境を越えた、このハワイ王室霊廟での埋葬方法にも表れています。ここには、チャールズ・ビショップ氏(パウアヒ王女の夫)などを含むハワイ王族の配偶者であった6人の外国人が埋葬されているのです。「ハワイのアロハは、すべてを受け入れる愛です。ここはハワイアンの王室の墓だから、外国人の骨は排除しろ、という人もいます。でも、彼らがハワイアンの王族と共有した愛は奪うことはできないのです」と涙ながらにマイオホ氏は語ってくださいました。

人種や国境を越えて、悲しみや過去の戦争などの悲劇を乗り越えて、すべてを受け入れる愛… きっとそれがハワイアンが命がけで守ってきた教えに違いありません。民族の文化や言葉、命の大半を失ってしまったハワイアンなのに、それでも許すこと、受け入れること、愛することを教えてくれています。外国人である私たちに、通常は一般入場者は入ることができない地下室での参拝を許してくださり、ハワイアンの魂ともいえるこの聖地の奥まで見せて下さった上に、ハワイに伝わる奥義を伝えてくださったマイオホ氏とハワイアンの王族たちのスピリットに感謝しながら、この聖地を後にしました。

 

聖地マウナアラ、ハワイ王室霊廟(ロイヤル・モザリウム)

住所:2261 Nuuanu Avenue, Honolulu, Hawaii 96817
入場料:無料
開園時間:月〜金の8:00-16:30(土、日は休館)
参拝の際の注意: ハワイ王室が眠るお墓なので、水着や肌を露出するものなどカジュアルすぎる服装は避け、厳粛な気持ちで訪れましょう。また、献花する花をご持参することをおすすめいたします。ご参考に、ハワイアンの聖地を訪れる際のルールをお読みください。


ハワイのパワースポット(聖地)に行く前に…
2009年1月にハワイアンの聖地、マウナ・アラ(ロイヤル・モザリウム)に参拝させていただくことができました。聖地といってもここはハワイの王族の方が眠っているお墓です。ハワイアンの神殿(へイアウ)が好きで、よく訪れていたのですが、最近、ハワイアンのカフ(伝統継承者)の方たちとお付き合いするようになり、神殿に対する考え方が変わってきました。ヘイアウの周辺には、人骨が埋まっていることが多く、お遊び気分で行くべき場所ではないということに気づかされました。「パワースポット」という言葉にもあるように、ヘイアウはヒーリングなどを得る場所だと思っていたのですが、これは完全な間違いだとわかりました。ハワイアンの聖地は、アロハの交換の場所であり、学びの場所であり、ただご利益をもらうだけの場所ではないということ。ここでハワイ王室の祖霊たちに、ハワイアンの神殿(へイアウ)についての記事を書かせていただくことの許可を求めたところ、ハワイアンのスピリットたちから「ハワイの歴史とアロハの教えを正しく伝えて欲しい」というメッセージが強く感じられました。これからは、ハワイアンのカフ(伝統継承者)の方々の言葉に従って、いつもお世話になっているハワイに対して、どんな貢献(お返し)ができるかを考えていこうと思います。そして、小さなことでも、自分に出来ることをひとつひとつ行動に移して行きたいと思います。(ハワイの歩き方編集長:彩子)


(2009年2月更新)

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