ワードウェアハウスが42年の歴史に幕を閉じてから2週間が経ちました。
営業最終日の7月31日、テレビのニュースや新聞で大々的に報じられ、
「親子3代で利用していたのに…」
「個性的なショップが多かった」
などと、閉店を惜しむ声が上がっていました。
そのときは閉店のニュースを冷静に眺めていたワタクシでしたが、閉店から2週間ほど経って、訪れる人もなく、ひっそりとしたワードウェアハウスの前を通ったときに、とてつもない寂しさに襲われました。
かつてワードウェアハウスにあったステーキハウス「スチュアート・アンダーソン(キャトルカンパニー)は、30年近く前に夫と初デートした場所でございます。当時は今のようにスマホなど持っていなかったので、写真が無いのが残念です。
昨晩の夕飯に何を食べたかも忘れてしまうワタクシですが、初デートで食べたメニューは今でも覚えています。
当時学生だった夫の懐具合を考えて、一番安そうな「テリヤキチキン」。スープとサラダのチョイスでは「サラダ」を選び、フレンチドレッシングをお願いしました(なぜか覚えている!)。ステーキ好きで野菜嫌いの夫も、なぜかワタクシとすべて同じものをオーダー。気を使ってくれたのでしょうか。それにしてもあの晩の夫は礼儀正しく、今とは別人でございました。
そのお隣のレストラン「キンケイズ」では、ワタクシの娘の6歳の誕生会を行いました。
女性マネージャーをはじめ、スタッフ全員大変親切で、飾り付けからケーキ配りまでお手伝いくださいました。
総勢13人の幼稚園児をレストランで食事させることは大仕事でしたが、心優しいスタッフの方たちのお陰で、素晴らしい誕生会となりました。
またワードウェアハウス内では書道展をはじめ、盆栽やオーキッド、手芸品の展示即売会など、親子で楽しめるイベントが定期的に開かれていました。
ユニークな酒屋さんやロコガール経営のオシャレな洋服屋さん、雑貨や文房具、キッチン用品店など、見ているだけで楽しいお店がたくさんありました。人気のオールドスパゲティファクトリーは、ダウンタウンのアロハマーケットタワープレースで営業することが決まっていますが、キンケイズは今後の予定については明らかにされていません。
スチュアート・アンダーソンもキンケイズも、一生の思い出として大切にしていこうと思います。
作家の故城山三郎さんが以前、新聞のコラムに長年連れ添った妻をガンで亡くしたときのことを綴っていました。
『日常の生活に戻りかけたとき、ふとした拍子に思い知る。“そうか、もう…”。これがこたえる』
当たり前のようにあったワードウェアハウス。しばらくは前を通るたびに「そうか、もうないんだ」と喪失感に襲われるのでしょうね。
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