ハワイ住民の多数が新型コロナの行動規制を支持。コロナ意識調査でわかったこと

Survey: A Majority Of Hawaii Residents Support Coronavirus Restrictions

ハワイ在住者は、バケーションレンタルや学校の臨時閉鎖を支持しながらも、ビーチや医療機関へのアクセスは制限されるべきではないと主張

ハワイ大学パブリック・ポリシー・センター（公共政策）は、ハワイ州における新型コロナウイルス感染拡大防止策への意識を調査するため、5月～6月にわたりハワイの住民600人以上を対象にオンライン調査を実施しました。

調査の結果、多数が個人の生活に悪影響が出ていても、公衆衛生を優先するために再度ロックダウンになっても構わないと回答。

ポリシー・センター理事のコリン・モア氏は「人々が新型コロナウイルスをとても恐れており、厳しい規制を再び施行してもいいと思っている事が明らかになりました。」と話しています。

本調査が実施されたのはハワイ州内での新規感染者数が増える前でしたが、回答者の3分の2が「もしハワイでの感染者数が増えたら再び行動規制をかけられてもいい」と回答。さらに67%が「ハワイに深刻な第二波がやって来ると思う」と回答しています。

調査結果によると、「公共施設でのマスク着用」、「バケーションレンタルの閉鎖」、「野外スポーツの中止」、「店内での飲食」、「学校・保育施設の閉鎖」が支持される中、「新型コロナウイルスと関係のない医療機関訪問」、「公共のビーチ」、「ショッピング」の行動規制は意味がないと考える住民が多いことが浮き彫りになりました。

また、ハワイ州の改善点として「観光業の規制」および「より効果的な自己隔離措置の施行」が上位にあがりました。多くの回答者がビーチでの行動規制は効果的だったが、次回は異なる対策を希望していると答えています。

回答者からは改善策として店舗の時差営業、カーブサイドピックアップ（注文した商品をお店の駐車場などで受け取るシステム）の推奨、中小企業を支援するプログラムの設立など改善策も提案されました。

モア氏は「回答者の方々がハワイ州の方針について熟考された意見をくださりとても嬉しく思います。アンケート調査ではその場限りの回答をする方が多いのですが、この問題は人々の生活に大きな影響を与えているため、十分考慮された意見や提案が集まりました」と述べています。

新型コロナウイルスによる社会経済への影響

経済的な影響については、調査の結果、3割以上が厳しい経済状況にあると回答。また、年齢や収入などにより異なる影響を受けている事が分かりました。

政府関係者や高所得層（年収$75,000以上）はテレワークへの移行が比較的簡単だったとする中、低所得層は経済状況が悪化したと回答。年収$35,000以下の家庭のうち、約半数の収入が激減していることが分かりました。また、家主の賃貸収入も減少しています。

また、半数以上のフィリピン人の世帯が大幅な収入の減少を訴えており、他の人種に比べてフィリピン系移民への影響が大きいことが明らかになりました。

モア氏は「低収入家庭や社会的弱者がロックダウンによる影響を一番受けています。特にフィリピン系移民の多くが観光やサービス業に携わっているため、影響が顕著となってしまいました。しかし驚くべき事に、彼らの多数が観光再開には反対しており、再び行動が規制される生活に戻ってもいいと回答しています」と述べました。