Hawaii coronavirus saliva test could help turn pandemic’s tide, doctors say
「ASSURE-19」検査結果は3~10分とスピーディー
ハワイにある「オーシャンイット・ラボラトリー(Oceanit Laboratories)」は、カップに唾液を集めるタイプの検査キット「ASSURE-19」を開発したと発表しました。$20のこのキットは病原体となるSARS-CoV-2の有無を自宅で簡単に検査する事ができ、3~10分で結果が出ます。
クイーンズ・メディカル・センターのトッド・B・セト医師は、同病院のアカデミック・アフェアーズ・リサーチ(学術研究所)理事長より許可がおりたことを受け、来週から臨床試験を始めると話しています。
現在ハワイ州は、州外から渡航する3日前までに新型コロナウイルス検査で陰性証明を取得した旅行者に関して、14日間の自己隔離措置を免除する方針を提案。しかし、オーシャンイット・ラボラトリーの創設者でありCEOのパトリック・サリバン氏は、ハワイの経済活動を再開するには安価で迅速に実施できる検査が必要だと主張しています。
「旅行者はテストを受けた後に感染し、症状が現れる前に他の人へ移してしまう可能性があるので、(3日前の検査だけでは)ハワイのコミュニティを守る事はできません。従来のスワブ検査は結果が出るのに時間がかかり、キット自体も不足しているので、それに代わるスピーディーな検査を大量生産しなければなりません」と話しています。
$20で検査が可能に
ハワイ州での新規感染者数がロックダウン前を上回る中、オーシャンイットは自宅で簡単に検査できるキットを性急に開発。
ハワイ州で行われているスワブ検査は保険や病院により$75~$170かかるのに比べ、この唾液検査は$20で実施可能となります。
クイーンズのセト医師は「今は何事も素早く対応しなければならないので、理事会は緊急会議を重ねながらこのテストを実用化する準備を整えています」と話しています。
サリバン氏によると、この検査はハワイ州住民でも職場や学校へ復帰する際など、希望する人は誰でも受ける事ができるそう。
「アロハ・プロトコル」で観光再開は可能になるのか?
州外からの渡航者に関しては、空港での検査で陰性だと確認できた後5日間自宅で検査を続け、症状が出ないかチェックするのが理想としています。
「アロハ・プロトコル」と呼ばれるこのポリシーでは、旅行者に陰性反応が出た日は外出を許可し、陽性反応の場合は隔離措置が適用する予定。
14日間の自己隔離措置の代案を提供する事で、旅行者の数を増加させようという狙いもあります。合計6個の検査キットは$120となり、渡航の72時間前に行うスワブ検査とほぼ変わらない費用で利用できます。また、正確な結果を保証するために各テストキットにはQRコードを振り当て、検査結果を携帯アプリに記録する機能も備わっています。
クイーンズはASSURE-19の検査結果を従来のスワブ検査と比べるため、最低30人の結果をアメリカ食品医薬品局(FDA)へ送る予定。
感染している場合、伝染性が一番強くなるのは感染してから約4~6日後。アメリカ疾病予防管理センターによると、新型コロナウイルス伝染の50%は症状が出る前に起こっており、感染者の40%は無症状とのことです。
サリバン氏は「渡航者にテストを義務付けるには、14日間の隔離措置かアロハ・プロトコルを選べというハワイ州からの要請が必要になるでしょう」と話しています。
15億ドルのCOVID-19テスト検査開発プロジェクト
オーシャンイットはクイーンズでの臨床試験が成功し次第、FDAより使用許可を求める予定。ハワイ州の住民、旅行者、そして世界全域に供給できるよう、検査キット生産の基金を募るそうです。
また、アメリカ国立衛生研究所は、15億ドルのCOVID-19テスト検査開発プロジェクトを遂行する施設としてオーシャンイットを指名。
セト医師は「この分野でハワイが世界の先陣を切れるのはとても嬉しいことです。地元企業や研究所の提携は、コミュニティの問題を地元で解決する良い例になったと思います」と話しています。
また、サリバン氏はこの事業によりハワイの経済を動かし、外部の助けを待つばかりではなく、ハワイから世界に通用する改革を発信していければと願っているそうです。
(ホノルルスターアドバタイザーより)
コメントを残す