ワイキキのホテル、コロナ陽性患者の隔離施設に

Waikiki hotels agree to house those under quarantine

外出禁止令に伴う新型コロナ対策

8月25日（火）、ホノルルのカーク・コールドウェル市長とハワイ州保健局は、新型コロナウイルスの陽性患者用の隔離施設としてワイキキのホテルを貸し切ったと発表しました。これにより、オアフ島での収容可能人数は二倍以上増加します。

同日、当局は、オアフ島で8月27日（木）から2週間外出禁止令を実施し、この期間中に60,000名までの市民に対して新型コロナのPCR検査を無料で実施する計画を発表。

コールドウェル市長は、陽性患者や濃厚接触者を隔離するために数百部屋を有するホテルを確保したと述べました。またホノルル市は、検査数の増加や追跡システムの改善に伴う感染者数の拡大を想定し、更なるホテルの確保を目指しています。

さらに、「陽性反応が出た人は、他の家族と同じ場所で隔離をしていては意味がありません。その家族が仕事に通い続けた場合、さらにウイルスが広がる可能性があるからです。特にパシフィック・アイランダー（南太平洋のミクロネシア、メラネシア、ポリネシア系の人々）やフィリピン系アメリカ人の家庭では新規感染者数の増加が目立っています」と述べ、隔離施設での滞在は希望者に無料で提供すると話しました。

ハワイ州保健局のエディー・メルセロー氏によると、ホノルル市は今週だけで130室を確保し、収容可能人数は約300室まで増幅。隔離を希望する人はオアフ島のハワイ・ケア（電話：832-3100）より問い合わせが可能です。

コールドウェル市長はホテル名を公開しませんでしたが、ワイキキに詳しい関係者は130室有するパール・ホテル・ワイキキやエクウス・ホテルが提携していると話しています。また、ワイキキ・ビーチサイド・ホテルも候補の一つとして挙がっていました。

ハイゲートハワイ支社の副社長であるケリー・サンダース氏は、ホノルル市及びハワイ州と提携し、金曜日から1ヵ月間、ハイゲート所有のホテルで隔離対象者の受け入れを始めると述べました。ホテル名は公表されていませんが、提携は順調に進み、新型コロナウイルス安全対策の訓練を受けた25名程のスタッフが働いているそうです。

サンダース氏は、「病院は緊急な治療を必要としている人たちに残しておくべきです。家族に感染を広げたくない方に滞在場所を提供できることを嬉しく思っています」と話しています。

ジェローム・アダムス米国公衆衛生局長官は、検査数の増加や追跡システムの改善と共に隔離施設の確保に取り組んでいるイゲ州知事およびコールドウェル市長を称えました。

また、オアフ島の更生施設とインスティテュート・フォー・ヒューマン・サービス（IHS）で発生したクラスター感染の患者の隔離施設も必要となっています。

市所有のカアアヒ・ストリートのビルやクラスター感染が発生したIHSの男性用シェルターは隔離施設となっていますが、IHS理事長のコニー・ミッチェル氏は収容が追いついていないと言います。

ハワイ州公安局は、25日の時点で、更生施設では242名の受刑者および51名のスタッフが新型コロナウイルスに感染したと発表しました。それを受け、ハワイ州最高裁判所は公判前拘留者を一時的に釈放するよう命令し、公安局は130名の受刑者を仮釈放しています。

しかし、中には隔離施設が州内最大の観光地に設立される事に懸念を持つ人もいます。

ワイキキ・ネイバー・ボードの会員であるケイトリン・ヘンスキー氏は「人々が隔離施設から抜け出さないか心配です。人口の多い地域に隔離者を集めることによって、コミュニティを危険に晒していると思います」と話しています。

ユナイト・ヒア・ローカル5など一部団体は隔離施設で働いているスタッフの安全を求めています。

ハワイ・ロッジング＆ツアーリズム協会会長のムフィ・ハネマン氏は「ワイキキのホテルが新型コロナウイルスの隔離対象者を受け入れ始めてから約一ヵ月が経ちますが、安全対策を遵守しています。新型コロナウイルスの患者であっても、入院が必要ない限り、私たちが万全な対策を講じてお世話をします」と述べました。

しかし最近、ホテルのスタッフによる保健局の安全対策や隔離者の管理不備を批判するビデオがSNSサイトに投稿され、物議を醸しています。

保健局の担当者であるジャニス・オオクボ氏によると、保健局は投稿されたホテルと連絡を取り、隔離中の制限に従わない人を発見した場合はすぐに報告するよう要請したと話しています。

（スターアドバタイザーより）