ワイキキのカラカウア通り沿い、高級ブティックが並ぶラグジュアリー・ロウの前にある、巨大な女性の彫刻像。あるいはハワイ・コンベンションセンターの前にある、巨大な像といえばわかる方が多いかもしれません。これらを創ったアーティストが、マウイ島在住のシゲ・ヤマダ氏です。作品を通して、ハワイに根付くアロハスピリットを私たちに伝えてくれる、彼のハワイへの愛やあたたかな心が見えてきますよ。
Myハワイ(ハワイ歩き方)編集部(以下編集部):まずはじめに、簡単にプロフィールを教えてください。
シゲさん:マウイ島生まれの日系2世です。ハワイ大学マノアキャンパスに通って、アートデザインと中等教育の学位を取りました。またファイン・アーツ(陶芸)のマスターも取って、早期退職する1988年までの間ハワイ大学マノア校で教授として教えていました。退職した後は、アーティスト活動に専念したいとマウイに戻りました。
編集部:ハワイ・コンベンション・センター前にある作品「ギフト・オブ・ウォーター」はどんなインスピレーションから生まれたのですか?
シゲさん:私たちを成長させてくれる一番重要なパワーである、アロハ(愛)というコンセプトから生まれました。このアロハを感じてもらえることを願って、この彫刻作品制作に挑みました。ハワイ・コンベンションセンターからひとつだけリクエストがあったのは、なんらかの形でハワイに関係するものであるということ。だからアロハのコンセプトが、ハワイそのものを理想的に表現していると思っています。製作を始めて完成までは2年間がかかりました。
編集部:次に、ラグジュアリー・ロウの前にある作品「ストーリーテラー」(※ページ一番上の写真)について教えていただけますか?
シゲさん:この作品のアイディアは、ラグジュアリー・ロウのディペロッパーからもらったもので、「女性を象ったもので、誰もが触ったり寄りかかったりできるようなブロンズ彫刻を」というリクエストがあったんです。完成までには1年半がかかりました。作品が出来上がり、このリクエストにこたえることができたととても嬉しく思います。
編集部:ラグジュアリー・ロウの前にある作品「ストーリーテラー」は特に、多くの人がここで記念撮影しているのをよく見かけます。
シゲさん:私は、公共に飾られる作品は一般の人々にポジティブな影響をもたらすべきであると考えています。私が作った大きなブロンズ彫刻はすべてハワイをテーマにしたものですし、人生の多くの時間をハワイで過ごしたアーティストとして、私は私自身がハワイによって創られたものであると思っています。だから多くの方が私が作ったブロンズ像と一緒に楽しい経験をしていることを、このうえなく嬉しく思います。
編集部:なぜアーティストになろうと思ったのでしょうか? また作品を通じて、どんなメッセージを届けたいとお考えですか?
シゲさん:「アートを創りたい」という欲望が自然と湧き上がるからアーティストになりました。私のアートの真髄は、私のイマジネーションを封じ込めた、様々なコンセプトを通じて、自然にあふれ出てくるものと考えています。そのコンセプトというのは、私にとって生きていることを意味あるものと思わせてくれるような、人生に関することです。
編集部:ハワイで一番好きな場所はどこですか?
シゲさん:私が育った場所であり、今住んでいるマウイです。私にとっては魅力的なところです。
編集部:人生のモットーを教えていただけますか?
シゲさん:人から自分にしてほしいと思うことを、人にする。人生は贈り物。だから楽しく、よく生きよう。
アーティストのインタビューというと「職人気質のコワイ方だったらどうしよう…」と勝手に心配していたことが嘘のように、丁寧に質問に答えていただきました。それにハワイを愛していて、あたたかい気持ちをいつも持ちながら作品作りにいそしんでいる姿が想像できます。そんな方が日系の方とは、日本人である私たちにとってもうれしいインタビューとなりました。(Maki)
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Maki said on 2014年01月21日
わかります、わかります。石でできた彫刻なのに、なにか温かなものを感じますよね。
シゲさんは今は作品作りにいそしんでいらっしゃるので、お会いできるのは難しいかもしれませんね。
匿名 said on 2014年01月20日
ストーリーテラー、って言うんですね。誰かハワイで有名な人の像かと思って、しっかり記念写真は撮ってきましたが、
いったい誰なのかとずっと気になっていました。シゲさんの作品だったのですね。すっかり癒されました。。
マウイ島に行ったら、シゲさんにお会いできるのかしら・・・?
匿名 said on 2013年12月07日
ストーリーテラー何か惹かれます♡
抱かれて写真撮ったり、一人の時もじっくり撮ったりしてました(*^ー^)ノ♪
Akiko said on 2013年12月07日
「あ、この銅像見たことある!」という方も多いのでは? この銅像を作成したシゲさん、とても優しくて知的な方ですね。大ファンになりました!