ディナーショーやフラダンスにサンセット・クルーズ… ハワイには楽しいアクティビティがいっぱい揃っています。このコーナーでは、家族連れやグループでハワイ旅行を満喫できるアクティビティ情報を随時ご紹介しています。
ビショップ・ミュージアム
Bishop Museum
ハワイを含むポリネシア文化圏の人類学や生物学、ひいてはプランテーション時代にアジア移民から流入した文化や歴史、言語、科学に関わるありとあらゆる貴重な資料が所蔵されている「ビショップ・ミュージアム」。こう聞くと少し敷居が高く感じるかもしれませんが、ビショップ・ミュージアムにはそんな堅苦しい雰囲気はありません。楽しく、時には実際に手を触れながら異文化体験ができるだけに、子供も大人も楽しめる「旅のみどころ」になっています。 |
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カヒリ・ルーム
ビショップ・ミュージアムは、1889年にバーニス・パウアヒ・ビショップにより創設され、以来100年以上もの間、学術的収集品が展示されてきました。館内入口右側の特別展示場を抜けると、現れてくるのが「ポリネシアン・ホール」。ホールの外壁に使用されているのは何と火山の溶岩なのです。入ってすぐ左側の部屋が「カヒリ・ルーム」といい、19世紀初期のハワイ王族の肖像画と王家のシンボルである鳥の羽でつくられた「カヒリ」が展示されています。巨大なダスターのような形をしたこのカヒリは、戴冠式や葬儀など、大勢の人が集まる祝祭事に、王家の人々がどこに座っているのかすぐに分かるように侍従が掲げ持ったものです。 |
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ベスティビュール・ギャラリー
ポリネシアン・ホールの右半分は、「ベスティビュール・ギャラリー」という広大な空間。ここには、部屋いっぱいに長々と横たわる、丁寧に磨き上げられた一艘の巨大なアウトリガー・カヌーが展示されています。これだけのカヌーを、クギを使わずに作り上げたポリネシア文化の奥深さに改めて驚かされます。ギャラリーの壁面にはポリネシア人のルーツを示した地図。ハワイ諸島に最初に上陸した人々は、約3800キロ南方のマーケサス諸島から訪れたと言われ、時は紀元600年頃。このギャラリーには、他にもカヌーの模型や釣り具などが展示されています。また、尖塔になっている2階部分には「太平洋の人々」と呼ばれるギャラリーと「ホール・オブ・ハワイアン・ナチュラル・ヒストリー」があり、それぞれ、古代の太平洋諸島での人々の生活、社会、宗教についてとハワイ諸島の火山活動や生物形態の進化についての展示があります。 |
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ハワイアン・ホール
「ポリネシアン・ホール」の隣りには「ハワイアン・ホール」が続き、このホールは中央が大きく吹き抜け、3層構造になっている回廊式の造りで、1階に西欧人到来以前の古代ハワイ社会、2階に西欧文化と融合し始めた王朝時代、3階に19世紀半ばから流入した日本や中国、韓国など移民文化に関する資料が展示されています。また、1階のフロア中央には実物大のピリハレ(草葺きの家)や西欧人が到来する前の情景のジオラマが展示され、遙か高い天井からは、全長18メートルもある迫力のマッコウ鯨の標本が、訪れる人々の視線を釘付けに。展示物の見所は、職人が5世代かけて集めた約45万本もの羽を使用したといわれるカメハメハ1世のケープ。色鮮やかなこの羽が採れるのは、ハワイ固有のミツドリ科の鳥に限られ、赤い羽がイイヴィとアパパネ、黄色い羽がマモやオオから採取されました。鳥を殺してしまうことがないよう、1羽の鳥からせいぜい5〜6本しか採集しなかったので、ケープを完成するためには約8万羽のミツドリが必要でした。 |
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キャッスル館
ポリネシアン、ハワイアン・ホールに隣接する「キャッスル館」では、マルチメディアを駆使した体験型の特別展示が季節ごとに催されます。2003年1月5日まで開催されている「遺伝子展」では、デオキシリボ核酸の大きな複製や細胞の模型などが展示され、遺伝子の果たす犯罪科学捜査への貢献などが分かりやすく解説されています。また、キャッスル館2階ではビショップ博物館の所有する膨大な学術資料が厳重に保管され、1日に15人だけが参加できる「ビハインド・ザ・シーン・ツアー」で、その収集品を見ることができます。このツアーに参加しても、収集品を保管している部屋に居られる時間はごく限られ、もちろん素手で所蔵品に触れることもできません。これは、見物客が持ち込んでくる雑菌から大切な所蔵品を守るためで、入室の際には生モノの持ち込みも禁止されています。保管室には、神聖なイプヘケやサメの歯を埋め込んだ古代の武器、ウクレレ、移民が持ち込んだ生活用品などが保存されています。長ければ長いほど利用価値があるとされた古代の槍は、現在のテクノロジーをしても持ち手の位置や先端のとがり具合といった全体のバランスを計算するのが難しく、槍1本に生死を懸けている戦士だからこそ作ることができた究極の芸術品といえます。このツアーでは、知識豊かなガイドが丁寧に所蔵品を解説してくれます(英語のみ)。また、併設の図書館では学術文献も一般公開されています。 |
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ツアー・プログラム |
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●ビショップ・ミュージアム |
ビショップ・ミュージアムのお話
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(2002年10月取材)
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