ディナーショーやフラダンスにサンセット・クルーズ… ハワイには楽しいアクティビティがいっぱい揃っています。このコーナーでは、家族連れやグループでハワイ旅行を満喫できるアクティビティ情報を随時ご紹介しています。
セスナ体験操縦
Test Flight of a Cessna
ハワイなら、全くの素人でもパイロットになった気分で小型飛行機の体験操縦ができることを、ご存知ですか? スキューバ・ダイビングやジェット・スキーなど、ライセンスがなくても気軽にハードなアクティビティを楽しめるハワイ。日本ではさすがにちょっと敷居が高いセスナの体験操縦も、ハワイでは車の運転と同じくらい簡単にトライできます。そこで今回は、「セスナの体験操縦にチャレンジ!」。せっかく海外に行くんだから、「何か刺激的な体験がしてみたい」という方、ぜひハワイへ来たらチャレンジしてみてください! |
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オフィスで計器類のレクチャー
「ゴーッ」という轟音とともに、数分おきに頭上をかすめていくジャンボ・ジェット。熱をためこんだ滑走路からメラメラと立ちのぼる蜃気楼。目の前に広がる非日常的な風景にちょっとビビリつつ、ホノルル国際空港の飛行場内にある「ワシン・エアー」のオフィスへ。扉をくぐると、インストラクターの小倉さんが、頼もしい笑みをたたえて迎えてくれました。早速レクチャーが始まり、「子供でも飛ばすことができるくらいですから、ご心配なく」とは言われたものの、「子供にできるからといって、必ずしも大人にもできるって訳では…」と、ちょっと疑心暗鬼。計器パネルと模型を駆使しながら、飛行手順を丁寧に説明してくれる小倉さんの話を聞くうちに、全幅の信頼を置こうと心に誓いました。でも、「うーん、いっぱいあって憶えられない…」。 |
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いざ、コックピットへ
15分ほどのレクチャーが終わり、「日本語が堪能なインストラクターと一緒ですから」との声に励まされ、一路飛行場へ。今回操縦するのは小型双発機といって、発動機が2つある軽飛行機。単発機に比べてサイズが少し大きく、安定感も良いそうです。ちなみに、「セスナ」というのは、米セスナ社製の軽飛行機のことをいい、それが転じて軽飛行機の通称として言うようになったのだそうです。今回一緒に飛んでいただくインストラクターのユキさんに促され、コックピットへ。シートは、やっぱり左側の機長席。緊張はするものの、実際に計器類を前にすると興奮するんですよね。 |
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スロットル全開、いざ空へ
早速、ヘッドセットを着けて、双方のエンジンを始動させます。扉を閉めると機内はかなり暑くなるので、なるべく薄着で臨むのがベター。地上ではフットペダルを微妙に操って舵を取りながら、滑走路へ。難しいペダリングはほとんどユキさんにお任せして、操縦桿に集中。難なくもらった離陸許可に(と言っても管制官との連絡は全てユキさんがしてくれた訳ですが)、スロットル全開! 左手で操縦桿を握り、80ノット(時速約150km)を過ぎるまで全速力で滑走路を駆け抜けます。センターラインを明らかに逸しているにもかかわらず、全く涼しげな表情のユキさん。さすが、肝が据わっていらっしゃる!? 遂に80ノットを過ぎ、ゆっくり操縦桿を引くと、機体は事も無げにフワッ! やりました!! |
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ダイヤモンドヘッドのクレーターは絶景
離陸して、すぐに見えてくるダウンタウンの高層ビル群。ジャンボ・ジェットと違ってあまり高度が上がらないため、思っていたより近くに見えるビルを眼下に、さらに進むと次はアラモアナのヨットハーバー、続いてワイキキが見えてきます。こうして空から見ると、ワイキキって本当に小さい… あっと言う間に通りすぎてしまうので、シャッターチャンスは3回くらい。そうこうしている内に、ダイヤモンドヘッドが見えてきます。上空から見下ろすダイヤモンドって、陸から眺めるのと全然雰囲気が違うんですよ。上からなので、あの特徴的な「とんがり」が見えない代わりに、ポッカリと口を開けたクレーターが見えます。こんな機会は、そうありませんよね。 |
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空からみても美しいハナウマ湾 |
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最後はデリンハム飛行場からパールハーバーへ
景色はいいけど、「操縦はどうなったの?」とおっしゃる方。ワシン・エアでは体験操縦者の技術レベルにより、上空での旋回や上昇、下降などを教えてくれるコースや、取り敢えず操縦はさわり程度で上空にいる間は遊覧気分を楽しむコースなどが選べます。今回は体験者の技術に相応しく上空では遊覧を満喫することに。飛行ルートを半分も進むと、今度はチャイナマンズ・ハットが見えてきます。本当に麦わら帽子のような形をした島が、ポツンと海から顔をのぞかせているのが何だか不思議。そのすぐ先にはポリネシア文化センターが。さらに行くと、サンセット・ビーチも見えてきます。6人乗りの双発機だと、一人が操縦して4人までが遊覧飛行を楽しめますが、眺めが良いのは左側の席。できれば左側を確保してくださいね。デリンハム飛行場を過ぎると、あとはパーバース基地を通過してパールハーバーへ一直線。このルートは第二次世界大戦の引き金となった真珠湾攻撃の際に、日本の飛行隊が侵入ルートとして採用したものだとか。晴れていれば、アリゾナ記念館の海中に今なお沈んでいる戦艦アリゾナの姿も見ることができます。 |
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着陸は緊張の一瞬
あっと言う間の体験操縦もクライマックスへ。離陸よりもセンシティブな技術を要する着陸態勢に入ります。少しずつ高度を落とし、ユキさんの合図で車輪を出し、管制官からクリアランスをもらってランウェイへ。尾翼側を下げて着陸するジャンボ・ジェットと違い、頭から突っ込んでいくようなセスナの着地はかなりスリリング。指示通り左手で操縦桿、右手でスロットルを握っていると、ユキさんから「結構力が要りますから、両手でもいいですよ」とのアドバイス。「ハイッ」と威勢良く答えて、やおら操縦桿から手を離し、全力でスロットル・レバーに両手をかけようとする体験者に、一気に青ざめるユキさん。「違うっ! スロットルじゃなくて操縦桿!」と一喝され、あわてて操縦桿を両手で握りしめたものの、同乗者の冷笑を浴びたことは言うまでもありません… それでも笑って許してくれたユキさん、懐が広い人です。 |
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終了後はログブックにご満悦
体験操縦が終了すると、飛行時間が記録された正式なログブックがもらえます。ライセンスを取得する際には、この記録がちゃんとカウントされるんですよ。誰でも気軽にトライできる体験操縦ですが、やっぱりフライト・シュミレーターなどのゲームで練習を積んでいる方なら、より一層楽しめるようです。もう少しパソコンで練習してから、是非もう一度チャレンジしたい体験操縦でした。 |
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●セスナ体験操縦 |
セスナ軽飛行機のお話
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(2002年9月取材、2005年4月料金データ更新)
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