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人気連載「ハワイ島写真日記」

第2回 ヒロの雨とレインボー

投稿者: Kaori 更新日:2012年08月23日

三谷かおりのハワイ島写真日記

ハワイ島写真日記 第2回 ヒロの雨とレインボー

夏だというのに、このところ雨がちのヒロである。「ヒロに住んでます」というと、ハンコで押したように「ああ、いつも雨が降ってるところですね」という反応が帰ってくるという土地柄であるから、なにも取り立てて言わなくてもいつものこと、とお思いの事かもしれない。が、さすがのヒロも夏場は青空が広がることが多いのだ。晴れた日のヒロは、たっぷり水気をふくんだ植物が真夏の強い光に照らされて、街全体が眼に染み入るような緑に輝く。そんな夏の日、この街はほんとうに美しいのだ。

ヒロの雨は、たいていの場合、しとしとと音なくそぼ降るさみだれだ。ハワイアンはこの雨のことをカニレフアと呼ぶ。オヒア・レフアの花びらを優しくそよがせるという意味なのだそうだ。とても詩的な表現だけど、同時にとてもわかりやすい名前でもある。なぜって、レフアの花を知っている人なら、それがどのくらいの強さの雨かがすぐに理解できるからだ。優しく細かい雨だけど、霧雨というわけではない。繊細なレフアの花弁をそっと揺り動かすぐらいの小さな雨粒。自然現象に、ポエティックながら分りやすい名前をつける、ハワイアンの言語センスにはつくづく感心してしまう。

雨の多い街に住むのもあながち悪くない。なにしろ降った後のお楽しみに虹探しができるのだ。ハワイは 車のナンバープレートにも虹が描かれ“レインボー・ステート(虹の州)”を名乗るほど虹が出る場所。なかでもヒロは虹遭遇率が高い。背の高い建物が少なくて空が広いここでは、それだけ虹探しもしやすいし、虹の全アーチが見えることもしばしばなのだ。虹は、太陽が真後ろにあって、正面に水気を含んだ空気がある時に見えるから、虹が出そうな方向を見つけるのは簡単だ。そして、よーく眼を凝らしてみると、ここで見える虹はたいていダブル・レインボー。虹のひとまわり外側に、うっすらともうひとつのアーチが掛かっているのがわかる。

いっぷう変わったレインボーが見やすいのもこの島のキャラクターかもしれない。月光で見えるムーンボーもそのひとつ。そして今回の写真は、私が早朝仕事に出かけるときにサドル・ロードでしばしば遭遇するホワイト・レインボーだ。七色だからレインボーなのに白い虹とは矛盾しているが、なにしろ、真っ白に輝く虹なのである。どうやら虹の手前に霧がうっすらと掛かっていると、こんな風にホワイト・レインボーになるよう。そのせいか、ホワイト・レインボーの写真は、いつ撮影してもなんだかちょっとピンボケ。ロバート・キャパじゃないが、そのピンボケ具合もちょっといい感じだったりするとは、撮影者の勝手な独りよがりだろうけれど。

ではまた次回。A hui hou!

(2012年8月更新)

三谷かおり

ハワイ島在住のフリーランス・ジャーナリスト。日本で数々のムック、雑誌企画等をプロデュースした後、1999年博多よりハワイに移住。現在は著述家、カメラマン、メディアコーディネイターとして日米の雑誌やTV番組等の制作に携わる。プロデュースしたムックに『九州の宿』『美味本(おいしんぼん)』『九州冒険王』(プランニング秀巧社刊)など。撮影・著述ではエスクワイア、クレア、エココロ、アンアン、エル・ジャポン、ハーパス・バザー、素敵なフラスタイルほか多数。
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三谷かおり

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