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ハワイ暮らし ビザの基礎知識  「ハワイに住みたい!」の前に必要なのは?

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2008年10月01日

このコーナーでは、現地在住の「ハワイの歩き方」編集部が集めたハワイ暮らしに役立つ情報をご紹介します。ハワイでの滞在や生活に、もちろん旅行者にも役立つ情報が満載です。

ハワイ暮らし ビザの基礎知識  「ハワイに住みたい!」の前に必要なのは?

ハワイの家

ハワイに住みたい! その前に必要なのがアメリカ居住ビザ
青い空、きれいな海、澄んだ空気、穏やかな天候、フレンドリーな人たち… ハワイが大好きで、旅行では物足りず、「ハワイに住みたい!」と本気で思う人たちは結構たくさんいるようですね。数ヶ月とか数年、人生経験としてハワイに住みたい人もいれば、一生住んで骨を埋めたい人まで、人によって希望はさまざま。アメリカの一部であるハワイには、 3ヶ月までならビザなしでの滞在もできます。しかし、長期滞在や移住ともなると、現実的な課題としてアメリカのビザが必要となります。いろいろとあるビザの種類の中から、目的や期間と資格、条件などがぴったりするものを見つけられたら、アメリカ居住の夢はグンと近づきます。今回は、ハワイ移住や長期滞在をする場合に必要不可欠で、最大の難関となるビザについて簡単に説明します。

◎移民ビザと非移民ビザ
日本人は、短期の観光や商用目的であればアメリカ入国にビザ・ウェーバーと呼ばれるプログラムでビザが免除されているのは皆さんご存知の通りです。簡単に訪米できてしまうので、住むのもカンタンそうに感じますが、長期滞在やアメリカ移住ともなると必然的にビザが必要となります。アメリカは、「移民の国」とはいっても、ビザはそう簡単にはもらえません。アメリカを襲った同時多発テロ事件以降は、かなり厳しくなりました。

アメリカに住む際のビザには大まかに2つのカテゴリー(移民ビザと非移民ビザ)に分かれていて、そのカテゴリー内で目的別と取得方法別にさらに細かく分かれています。簡単に言うと、移民ビザは永住が許され、(要件を満たしていれば)自由に就職、転職、アメリカ入国ができるビザです。非移民ビザは、滞在期間が限られていて就職やアメリカ入国などにいろいろと条件つくビザです。

ハワイの家

■移民ビザ(Immigrant Visa)
アメリカ移民ビザを取得すると、「グリーンカード」と呼ばれる永住権を取得することができます。よく誤解されているのですが、永住権=市民権ではありません。アメリカ永住権を持っていても日本人は日本人のままでアメリカ市民ではありませんし、アメリカの選挙にも参加できません。長期間アメリカから離れていたり、罪を犯したりすると永住権を失ってしまうこともあります。その他にも、配偶者が亡くなったときに遺産相続に市民よりも相続税がかかるなど不利な点があります。また、以前は一度取得すればそのまま使用できたグリーンカードも、近年の法改正で10年ごとに更新するように義務付けられました。

移民ビザは以下の方法を通して取得が可能です。(このほかにもありますが、現在日本に住む日本人には当てはまらないので割愛します)

◎家族(アメリカ市民/永住者)を通じての移民
◎雇用を通じての移民
◎移民多様化プログラム(DV)を通じての移民
◎雇用を生み出す投資を通じての移民

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◎家族(アメリカ市民/永住者)を通じての移民
アメリカ人の配偶者やその他の家族、またはすでに永住権を持っている人の配偶者やその他家族が対象となるビザ/永住権の取得方法です。この中でもアメリカ人との婚姻ベースのビザ申請は永住権取得の中でも優先順位が高く、取得にかかる時間が一番短いといわれています。同じカテゴリー内でも、永住権保持者の場合だと優先順位が下がり、取得にかなり時間がかかるようです。婚姻ベースの場合、結婚後2年以内に永住権に申し込むと偽装結婚防止のためもらえる永住権は条件付き(暫定的)のものとなり、取得から2年後にまた手続きをすることによって正式な永住権に切り替わります。その後は他の方法で取得した永住権と同じく10年ごとにグリーンカードの更新をします。

◎雇用を通じた移民
企業をスポンサーとした雇用を通した移民は、申請者の持つ特別な技能のレベルが高ければ高いほど早く簡単に取得できるといわれています。企業の管理職や重役、業績のある教授や研究者、芸術・科学・教育・スポーツなどで卓越した人たちはすぐに取得できるものの、無技能労働者だと何十年もかかる場合があります。

ハワイの家

◎雇用を生み出す投資を通した移民
これも「雇用を通した移民」のカテゴリーのうちのひとつなのですが、他のカテゴリーとは少し変わっていてアメリカにかなりの金額を投資した人に与えられる永住権です。アメリカ国内で新事業に50-100万ドルの投資(地域によって異なる)を行い、その事業が10人以上のフルタイム雇用を作り出し、アメリカの経済に貢献することなどが条件となります。

◎移民多様化プログラム(DV)を通した移民
特に技能や家族関係などの条件もなく(高卒または2年間の就労または職業訓練、無犯罪などの軽い条件はありますが)、まさに宝くじに当たるように抽選に当選するとアメリカ永住権をもらえるのが、移民多様化プログラムによる移民です。世界各国から移民を偏りなく受け入れることが目的なので、移民が多い国からは受け付けない場合もあります。当選数は実際の永住権発行数よりも多く、先着順に永住権を与えて定数になると打ち切られてしますそうなので、当選したらすばやく行動に移したほうが良いようです。

椰子の木に囲まれた家
ビザなしでOKのワイキキの英語学校「ハワイ・パームス・イングリッシュ・スクール

非移民ビザ(Non-immigrant Visa)
ざっくりと大まかなカテゴリーの移民ビザと対照的に細かく分かれている非移民ビザには、アメリカ通過用ビザや外交官用ビザやジャーナリスト・ビザ、犯罪の犠牲者用のビザなどかなり特殊なものもあり、全部で80あまりのタイプがあるのですが、今回は読者でも対象になりそうな学生ビザ(F-1ビザ)、就労ビザ(H-1ビザ)、職業訓練用ビザ(M-1ビザ)、投資家ビザ(E-2ビザ)に絞って紹介したいと思います。

◎学生ビザ(F-1ビザ)
学生ビザは職業訓練的ではない留学(小学校から大学院までを含む学問的な学校や、ダンス留学、語学留学など)のためのビザです。学校に通っている期間が基本的にビザの有効期間です(途中で切れても更新可能)。大学や大学院など学位を取れる学校を卒業して、すぐに申請すれば、プラクティカル・トレーニングという学んだことを生かす経験的期間として、専攻分野に関係する仕事であれば1年間アメリカで働くことができます。その間に能力を認められて就労ビザを取得する人も数多くいます。

ハワイの家
「条件の合った優秀な人材には、就労ビザのスポンサーになる場合もあります」(ハワイ在住社長、D. Erdman氏)

◎職業訓練用ビザ(M-1ビザ)
M1ビザは、非学問的学校へ行くためのビザです。Fビザが学問的な学校に行くためのビザであるのに対し、直接職業に結びつくタイプの学校、たとえばマッサージ・スクールやデザイン学校、パイロット・スクールなどの学校へ行く場合はこのビザを取得します。許可が下りればプラクティカル・トレーニングできますが、期間はF1のものよりもかなり短くなります。

◎就労ビザ(H-1Bビザ)
就労ビザの中でも、H1Bビザは新卒でも取ることが可能なビザです。他の就労ビザがかなりの専門知識や経験を必要とする中、専門の範疇であれば取得可能なこのビザはとても良く使われるようです。このビザを取る人の多くはアメリカの4年制大学を卒業後、OPT又はPTと呼ばれる1年間のプラクティカル・トレーニング(4年制大学卒業後、経験を積むために働くことが許可される1年間のビザを使った就職)を行います。OPT先で能力が認められれば、本採用されH1B取得というパターンが多いようです。このビザは会社がスポンサーとなってビザ申請をしなければならないこともあり、費用や手間(アメリカ人でなくこの人物でなければいけない証明-新聞広告での求人を募った証拠など)がかかるので、取得は簡単ではありません。

◎投資家ビザ(E-2ビザ)
雇用ベースのビザであるE-2ビザは、最大滞在年数が限られている他の非移民ビザと比べて、このビザは取得が難しいものの、いったん取得してしまえば半永久的に更新が可能なため、移民ビザに一番近い非移民ビザといえるようです。通商航海友好条約がベースになっているこのビザでは(日本人は日本が条約締結国なので当てはまる)、新事業設立またはビジネスの買収によりアメリカで事業にかなりの額を投資した人物またはその会社の従業員で、管理職または不可欠な技能を持つ人物が対象になります。

注:移民法はかなり頻繁に更新されるため、実際にビザの取得を行う場合は最新の情報を逐一チェックすることをお勧めします。詳しい条件については、米国移民帰化局(United States Citizenship and Immigration Services)のウェブサイトや在日アメリカ大使館ホームページで確認してください。


(2008年10月取材)

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