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ハワイ歩き方事務局

アトランティス・サブマリン

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2002年08月01日

ディナーショーやフラダンスにサンセット・クルーズ… ほかにも、ハワイには楽しいアクティビティがいっぱい。このコーナーでは、家族連れやグループでハワイ旅行を満喫できるアクティビティやオプショナルツアー情報を随時ご紹介します。

アトランティス・サブマリン

Atlantis Submarines


真っ青な海に浮上して進むアトランティス・サブマリン

視界いっぱいに広がるエメラルド色の海と抜けるような空の青さ。遠くにくっきりと浮かぶ入道雲。ワイキキビーチは、やっぱりいつ訪れても爽やかです! 遠浅のワイキキビーチも、少し沖へ出ればそこはもう色とりどりの魚たちが棲む別世界が広がっているのをご存知ですか。そんなアドベンチャラスな世界を気軽に覗かせてくれるのが「アトランティス・サブマリン」。午前中のライドなら日本語のガイドさんが丁寧に解説してくれるので、子供連れで参加して夏休みの自由課題をここで一気にこなしてしまうという必殺技もアリですね。

デリケートなワイキキ近海の生態系


今では最少時の3千倍にまで回復しているワイキキ近海の生態系

潜る前に知っておきたいのが、ワイキキビーチの現状。家族連れやカップル、サーファーからダイバーまで、どんなニーズにも応えてしまう世界中で最も人気が高いビーチだからこそ、水面下で悲鳴を上げているサンゴや魚たちの存在は忘れられがちです。ビーチを拡大するために海が埋め立てられ、一時はサンゴ礁が激減し、隠れ家と食べ物を失った魚たちがすっかり姿を消してしまったこともありました。そんな瀕死の状態にあったワイキキ近海の生態系も、ハワイ大学や日本の企業の共同研究により少しずつ回復の兆しを見せています。この研究に協力しているのが、このアトランティス・サブマリン。魚礁を開発するプロジェクトや生態系のリサーチに一役かっている潜水艦だけに、潜水ツアーもただ楽しいだけではなく、海底における生態系の成り立ちや保護法などを丁寧に教えてくれます。

シャトルボートで出航、沖合で潜水艦に


スタッフはマリンルックがよく似合います

アトランティス・サブマリンのツアー・デスクはヒルトン・ハワイアン・ビレッジのアリイ・タワー1階にあります。マリンルックでキリっと応対してくれるスタッフに案内されて、「ポート・ヒルトン」というヒルトンのプライベート桟橋へ。ここから潜水艦に乗るのかと思っていたら、アトランティスのシャトルボートで沖へ出て、そこで潜水艦に乗り換えるそうです。この方法を採っているのは、遠浅のビーチでは潜水艦が出入りするのが困難だから。銀色に輝く背ビレの群を見ていると、今から始まる未知の海底散策にワクワクしてきます!

海中の世界と天候は必ずしも同じではない?


沖合の潜水艦まではアトランティスのクルーザーで

訪れたのは夏休み中ということもあり、参加者が多いため、それぞれ赤、緑、黄に色分けされた乗船券を持って船に乗り込みます。この色で3隻の潜水艦に振り分けられるという仕組み。船内には売店もあり、アトランティスのロゴグッズなどを購入できます。潜水艦にはお手洗いがないので、このシャトルボート内で済ませておいて下さいね。「本日は快晴、しかも凪」ということで、沖までかなりスムーズに出ることができましたが、それでも少々の揺れは覚悟して下さい。酔いやすい方や子供は事前に酔い止めを飲んでおいた方がいいかもしれません。ちなみに、陸上の天候と海中のシケ具合は必ずしも比例する訳ではないので、どんなに快晴でも海がシケている場合は、ツアーがキャンセルになることもあるそうです。

海底の世界はブルーが支配


潜水艦の船長さんの後ろ姿は頼もしい

沖へ出ると、まず黄色の乗船券を持っている人から1隻目の潜水艦に乗り換え。映画などでよく見る、あの丸い穴から急勾配のはしごを降りて行くと、そこはすっかり海の中! 両側にいくつも並んだ丸い覗き窓から、さっそく鮮やかな熱帯魚たちが歓迎してくれます。みんな乗り込んだところで、いざ潜水開始! 周りの景色がゆっくりと青く沈んでいきます。海の中というのは、ガイドブックなんかでよく見るとおり、赤や黄色のサンゴでカラフルな世界が広がっているのかと思いきや、見た目にはそうは見えないものという新たな発見! というのも、海底では深度が増すごとに水圧で太陽光線が遮断されるため、約12メートルの深度で赤色が茶色に見え始め、27メートルではオレンジ色が黄色に変化してしまうのです。


千葉・旭市でデザインされたアサヒ・リーフ

日米共同で進められる人工岩礁計画
6千年前に形成された「パリ・オ・ポノ(ハワイ語で「生命の尾根」を意味する)」という古代のサンゴ礁を通過し、最初に向かうポイントは、ハワイ大学で研究されているプロジェクトの人工サンゴ礁です。ピラミッド型に組まれた27トンもある魚礁は、強い海流と大型魚から小さな魚を守ってくれるため、たくさんの魚が群がっています。この研究成果により、今では最少時に比べて約3000倍の海洋生物が生息するまでになったそうです。続いて見える人工岩礁は、日本の千葉県旭市でデザインされたもの。「アサヒ・リーフ」と呼ばれるファイバーグラス製のこの岩礁は、日本でもお馴染みの魚礁なのです。方法は同じでも、全く違うのが海藻の付着具合。日本ではこのような岩礁には海藻がびっしりと付着するのに対し、ハワイの近海では海藻があまり繁殖しません。というのも、この辺りの海水は温度が高いため、海藻の成長には適さないからだといわれています。ハワイの海に潮の香が足りないのも、実は海藻が少ないからなんですよ。


海底に静かに横たわる飛行機の残骸

海底に横たわる飛行機の幽玄な眺め
次のスポットは、何と海底に横たわる飛行機の残骸! こういうのを、一度間近で見てみたかったという方も多いのでは? 海底にひっそりと横たわる飛行機は何とも幽玄な眺め。戦時中に墜落したと思われがちなこの飛行機ですが、実は1992年の台風「イニキ」の襲来時に強風で破壊されたものだとか。残骸の周りにはウツボやヘラヤガラ、ハワイアン・チョウチョなどが悠々と泳いでいます。細長い身体をしたヘラヤガラは空腹時と満腹時によって色が変わるんですよ。お腹が減ると鮮やかな黄色になり、満腹になると黒になるので、一目で空腹状態が分かりますね。といっている内に、カンパチを発見! 大きい! カンパチというのは体長1メートルにもなります。美味しそう(失礼)! 潜水艦の左からはマダラトビエイの姿も見えます。右側にお座りの方もご安心を。左右の席で平等に眺めを堪能できるように、潜水艦はポイントの周りを旋回してくれます。ちなみに、この辺りが潜水艦で潜る一番深いポイントで、深度約30メートル。ここまで潜ると、黄色が緑色に見えてきます。

沈没船を住処にする色とりどりの魚たち


沈没船を隠れ家にしているハワイアン・チョウチョたち

さて、潜水ツアーのクライマックス、沈没船YO-257号と1996年に沈められたセントペドロ号が横たわるポイントへ差し掛かってきました。3つの戦争をかいくぐってきた海軍のオイルタンカー、YO-257号は、ハワイ近海で最大の難破船です。並んで横たわるセントペドロ号は航行中の火事により沈没は免れたものの、使用に耐えられなくなり、きれいに清掃された後、魚礁として沈められ第二の務めを果たすことになりました。今では甲板にびっしりとサンゴが成長し始め、生態系の回復に一役かっています。魚たちが自由に出入りできるように大きな穴を空けられたセントペドロ号の船体から、ウミガメが姿をのぞかせることも。この日はラッキーなことに甲板で悠々とお昼寝をしているウミガメに遭遇しました! ところで、ウミガメがどうやって呼吸しているかご存知ですか? 実は人間と同じ肺呼吸をしているんですよ。ということは、海中にいる間は息を止めているってことです。大体45分から1時間は息を止めていることができるのだとか。寝ている間は何と3時間も止めることができるそうです。新鮮な空気を吸いに約1時間に1回は海面へ浮上するので、ウミガメに遭遇できるチャンスはかなりあります。

浮上のスリルも楽しみのうち


気泡に包まれる潜水艦。最後まで窓から目を離せません

学ぶことが多かった約50分間の潜水ツアーもそろそろ最終コーナーへ。潜水艦は浮上体制に入ります。気泡を上げながら海上の安全を充分に確認し、あっという間に海面へ。浮上の時に窓から見える大量の気泡も見応えアリ! まるでビールジョッキの中から泡立つビールを眺めているような不思議な気分です。迎えに来てくれたシャトルボートに乗り換えて岸に着くまで、しばし楽しめるクルージングも気持ちがイイ! ダイヤモンドヘッドからワード、ダウンタウン方面までが見渡しながら、ゆっくりと午後からのスケジュールを練るのもいいかもしれませんね。


アトランティスが出航する「ポート・ヒルトン」

アトランティス・サブマリン
場所:ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・スパ&リゾート内
主催会社:アトランティス・アドベンチャー
電話:(808) 973-9811

*身長93cm以下のお子様は乗船できません。
*ツアー催行会社の判断により、気象条件によるキャンセル時には全額返金されます。

潜水艦のお話

●潜水艦の歴史
人間が乗り物で潜水したという話は、文明の始まりから登場。紀元前5世紀頃に、「ペルシャとギリシャの戦いでギリシャ軍がペルシャ王クセルクセスを沈めた話」や、紀元前4世紀頃に「ギリシャのアレキサンダー大王が、ガラス玉に入って水中を歩行したという話」が伝えられています。技術的に存在が証明されている潜水船の中では、1620年にイギリスで製造された12人のこぎ手により前進する「手動潜水船」が最古のものといわれ、この船は水面からチューブを通して空気を供給しながらロンドンのテムズ川を潜水して数マイル遡ることができたと記されています。1776年にはブッシュネルというアメリカ人が2つの手動スクリューにより水中を進む潜水艦「タートル号」を設計し、艦内のタンクに水を出し入れすることにより浮いたり沈んだりするという画期的な方法を採用。第二次世界大戦中に活躍したドイツのUボートは、ディーゼル機関と電気推進機関を動力に、14の魚雷を装備し長時間潜水することができましたが、移動時には125Km進む毎に水面に浮上して空気を供給しなければなりませんでした。1954には世界初の原子力潜水艦「ノーティラス号」がアメリカで開発され、航続距離がほぼ無制限になり、水と酸素の供給も艦内でできるように。1960年にはアメリカ海軍の原子力潜水艦「トライトン」が85日間一度も浮上することなく世界一周を達成。64年には世界的に有名なアルビン号がタイタニック号の捜索に活躍しました。1989年には日本の海洋科学技術センターが水深6500mまで潜水できる「しんかい6500」を製造し、現在も謎に包まれた深海の調査が進められています。


(2002年8月取材、2006年3月データ更新)

この記事が属するカテゴリー: オプショナルツアー, クルーズ
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