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ソーシャル・セキュリティー番号と信用履歴の作り方 2
前回の記事ではアメリカで生活するのに必要な番号、ソーシャル・セキュリティー番号(社会保障番号) の説明とクレジット・チェックの仕組み、そしてクレジット・ヒストリーの築き方について説明しました。今回はアメリカでのクレジット・ヒストリー(信用履歴)の築き方の続きと、クレジットカードのなりすまし犯罪について説明します。
■アメリカでのクレジット・ヒストリーを構築する裏ワザとは? デパートやガソリン・スタンドのクレジットカードは、その会社が独自に発行していて(ビザやマスターなどではない)、そこでしか使えないものです。セキュアード・カードもお店のカードも一般のクレジットカードよりも審査が緩く入手しやすいのが特徴です。入手したら毎月少しでも使って(限度額を超えないこと。超えると信用履歴のスコアが下がります)、きちんと返済していけば、1〜2年で普通のクレジットカードが作れるくらいクレジット・ヒストリーができます。 銀行が発行するキャッシュ・カードにもクレジットカードのマークが入っているものが最近は多くありますが、これはビザやマスターカードを取り扱っているお店でデビットカードが使えるという意味なのでクレジットカードではありません。 |
■クレジット・ヒストリーができるまでの間 |
■ソーシャル・セキュリティー番号なしで普通のクレジットカードを作る
今までソーシャル・セキュリティー番号なし(すなわちクレジット・ヒストリーなし)では普通のクレジットカードは作れない、という観点で話を進めてきたわけですが、実はソーシャル・セキュリティー番号がなくても普通のクレジットカードを作れる場合もあります。 ただ、これはかなりの度胸と英語力と交渉術が必要になるのでお勧めはできませんが、ひとつの情報として提供したいと思います。ソーシャル・セキュリティー番号は本来、アメリカの年金や税金手続きに使われるものなので、それ以外の派生的用途には法的に必要なものではないとなっています(Privacy Act of 1974より)。その証拠にアメリカの社会保障庁は、クレジットカード作成などでソーシャル・セキュリティー番号が求められる場合、その他の身分証明と社会保障庁からの説明書き(労働許可のない外国人のステータスではソーシャル・セキュリティー番号がもらえないといった内容)を提出することによってソーシャル・セキュリティー番号がなくても作成が可能といっています (http://ssa-custhelp.ssa.gov)。この情報を使って手紙を出したり、直接交渉すれば、レートはかなり悪くなると思いますがクレジットカードを作ることは可能でしょう。 もう一度念を押しますが、これは決してお勧めできる方法ではありません。交渉をする際もカード会社内のかなり地位の高い人を相手に交渉する必要がありますし、場合によっては小額裁判所に行かなければなりません。あえてこの方法をとる場合は自己責任のもとで行ってください。また、この場合はソーシャル・セキュリティー番号がないため、アメリカでのクレジット・ヒストリー構築には使えません。 |
■なりすまし犯罪に注意
ソーシャル・セキュリティー番号とクレジット・ヒストリーにかかわる問題としては、アイデンティティ・セフト(成りすまし犯罪)が多発しているので注意が必要です。ソーシャル・セキュリティー番号がいろいろなところで身元証明として使われているにもかかわらずカード自体の提示は求められることが少なく、顔写真やサイン、指紋などの本人確認できるものがないため、他人があなたのソーシャル・セキュリティー番号を使ってあなたになりすますことはわりと簡単にできます。ソーシャル・セキュリティー番号は本当に必要な時以外は人に教えたり、紙に書いておかないようにしましょう。(特に電話やメールで教えないように。「フィッシング詐欺」に注意!) 悪い人がアクセスしてあなたになりすまし、あなたの預金を下ろしたり買い物をしたりしてしまいます。なりすまし犯罪の予防には上記記載の不必要にソーシャル・セキュリティー番号を教えない、ということの他に定期的なクレジット情報の確認も重要といわれています。クレジット・レポート(クレジット・ヒストリー)は自分でも見ることができるので、半年から1年に一回チェックして、自分に見覚えのない支払いなどの情報がないか確認できます。見覚えのない支払いがある場合はなりすまし犯罪の犠牲者になっているということなので、その時点で被害が拡大する前に対処できます。なりすまし犯罪の特徴は被害者本人が被害者であることに長期間気づかないことなので、早期に発見することが大事です。 ここでも注意しなければいけないのが、無料のクレジット・レポートなどにも詐欺が隠れていることがあるので、注意してクレジット確認をすることです。クレジット・レポートをリクエストする際によく見られる「上記条件に同意」というクリック・ボックスの上にある欄をよく読みましょう。リクエストをプロセスする条件に「同意する場合はXXのサービスを受けるものとする」や「この会社があなたの個人情報をYYに提供することに同意する」というような条項がある場合もあります。ここでいうサービスは有料であることが多く、見知らぬ会社からいきなり請求書が届いたり、あなたの個人情報がばら撒かれたりする場合もあります。 |
学生用ソーシャル・セキュリティー番号&クレジットカードの豆知識
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(2007年11月取材) |
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