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ハワイ歩き方事務局
人気連載「第07回 ハワイモニター旅行当選者2」

当選者 愛知県 遠藤様 9・11事件直後のハワイを体験 その3

投稿者: ハワイ歩き方事務局 更新日:2001年11月20日

第7回ハワイモニター旅行当選者  愛知県 遠藤さん

歴史探訪


前回ハワイに来たのは結婚式をあげるのが目的だったため、オアフではカメハメハ大王像すら見ていない。今までのレポーターの方々はアクティビティや買い物を楽しまれてリゾートを満喫されていたので、自分は歴史を一つの切り口にしてみようと考えた。といっても大層なことをするわけでなく、ちょっとした下調べとそこで行われるガイドやアナウンスの時間に合わせて積極的に参加するだけだったが、かなり楽しみ、いろいろと考えさせられることも多かった。いままで博物館に行ってもすっと通り過ぎてしまうことも少なからずだったが、今回はとても興味深い場所となった。幸い日本語のプログラムまで用意されているところも多い。「知る」ことでハワイをますます好きになった。

ビショップ・ミュージアム $14 (1人-割引券は結構ある。JCB割引等もあり)
ハワイの歴史を学ぶにはぴったりの場所。まずはプラネタリウム。ここでは星座にたよった古代航海術で先住民達がハワイに渡ってきた様子がドラマチックに再現されている。ハワイアン・ホールのツアーでは、古代ハワイから王朝ができ、西欧人に支配されるまでの歴史が順を追って説明される。

短い間に「カプ」という規律に律せられ、自然と共存していた世界が西欧のスタイルに変革されていく。それに従い失っていったものも浮き彫りになってくる。宣教師によって衣服を身に着けさせられ、生活は向上したのかもしれない。しかし半裸で古代フラをおどり、羽飾りのために小鳥を捕まえても、殺すことなく数枚の羽を取るだけで放していたときの方が、精神的には豊かだったのではないだろうか? 

現代のハワイはリゾート地として成功しているし、先住民と移住者の問題も外から眺める限り他と比べて比較的、民族的な融和が進み、上手くいっているように見える。しかし、我々旅行者も、歴史的な事実は知った上で現在のハワイを受け止めるべきだと思う。ハワイにきたら是非この博物館を訪れていただきたい。

ハワイだけでなく西欧人の傲慢さによって失われた先住民族のアイデンティティは、近年あちらこちらで問題化、反省が行なわれている。今回のテロについても我々アメリカサイドの日本ではテロ非難一辺倒だが、イスラム教徒の多いシンガポールでは表立ってよろこぶまではなくても「アメリカが悪いからだ」という声が聞こえると、友人からメールをもらった。もちろん自分もテロは許せないし、アメリカの恩恵を十分に受けて育ったアメリカびいきだ。が、今回のテロも歴史的な背景を正確に捉えた上で臨まなければいけないな、とあらためて思う。

ダウンタウン カメハメハ大王像とイオラニ宮殿
歴史を学んだ上で見ると、なんとも言えぬ物悲しさを誘う。パーキングがなかなか見つからずとりあえず写真だけ。

ポリネシアン・カルチャー・センター $27 (1人-昼の入場料)
ここを歴史探訪の一環に入れてしまうのはどうかと自分でも思うくらい楽しかった。少なくとも、自分にはディズニーランドなんかよりよっぽど優れたテーマパークだ。よくある観光センターみたいなものを連想していた妻は最初行くことを嫌がっていたが、とても喜んでいた。水上で繰り広げられるカヌーページェントは圧巻だし、各村のプレゼンテーションも迫力がある。とくにサモアは爆笑のエンターテイメント、必見。またその合間には体験型でいろいろなミニカルチャー教室が楽しめ、あきさせない

歴史的にはポリネシアというひとつの文化圏を実感できるということ。そして演じる現代の若者=学生たちが、観光化されたものとはいえ自分たちの文化に接し、誇りを持てる場所であり、その利益が奨学金として使われるのは素晴らしい。

アリゾナ・メモリアルホール 入場無料 (日本語トランスレートラジオ 1人 $3)
今回のテロ以降「パールハーバー」というコトバがよく聞かれるようになり、日本人に対する風当たりもここに行ったら強いのではないだろうかと、多少懸念していたのだがそんなことはまるでなかった。現役軍人から車椅子に乗られた退役されたご年輩の方までいたが彼らの対応も、映画、ホールへ向かう船上のアナウンスメントも非常にフェアであり、事実を受け止め考えさせられるものだ。

映像のアリゾナ爆破の瞬間は現在見てもなまなましいものだ。60年前のこの事実はいまもこの海の下にあり続け、遺体の残る船体から、いまだに少しずつ重油が流出している。まるで犠牲者の流す涙のように。厳粛な気持ちで向かわざるを得なくなる。

この開戦後、日系人は捕虜収容所で苦労するが、兵隊として活躍することで自分たちの地位を築いていった。いまではアメリカの恥ずかしい過去となっている。このこともイスラムの方々に対する偏見をもたないための教訓にしなければならない。結局、違いを理解し合い尊重し合うことしか共存の道はないのだから。ホールからの帰りの船上、最後のアナウンスメント、ブッシュ元大統領が50周年記念式典の際に行った「すでに憎しみはない」というスピーチが救いのように自分の胸に響いた。いまやこのメモリアルホールは戦没者への慰霊碑であると同時に、和解そして平和のシンボルといえるだろう。

旅行を終えて


今年の正月にハワイデビューするまでは何となく「今更ハワイ」という考えがあった。ところが一度行ってみればその魅力にはまり、このサイトのヘビーユーザーとなって半年。幸運にもレポーターとしてこの1年に2度目のハワイに行かせていただいた。ハワイの歩き方編集部の方に心から御礼を申し上げたい。

結論を言えばハワイは変わらなかったし十分に楽しめた。もちろん随所にテロの影響は見られた。観光客の少なさはビーチの様子を見てもわかったし、ショップ、レストランの店員たちからも「飛行機は混んでいたか」というようなことを幾度となく聞かれた。あちこちに見られる国旗、半旗。「NEW WAR」という言葉は、活字でもTVの画面にもあちこちに… ただしどんな状況であっても、ハワイのロコ達の生活は続くし、青い海や空は美しいままだった。考えようによってはアメリカで内戦が起きているのではないし、日本がアメリカサイドにつく以上、テロの脅威は日本であっても決して対岸の火事ではない。様々な意見があると思うが、「危うきに近づかず」だけでは解決はないのではないか。ブッシュ大統領の「恐れないことがテロに打ち勝つ道」という言葉に賛同したい。

今回はハワイ旅行をごく普通に楽しんできた。日程は別表の通りである。むしろ空いていたり、サービスが良かった点もあるのかもしれない。行く、行かないを決めるのは各個人だし心構えも必要だが、実際に行ってきた自分から迷っている方へ言えるのは「ハワイは僕らを待っている」って事だ。

美しい景色、さわやかな気候、ワイキキの喧騒と郊外の美しい自然との対比、交錯しあう民族と文化 (特に食べ物)、アロハスピリット、そして世界有数のリゾートのもつ華やかさ… この愛すべきハワイに本当の笑顔が戻ってくる日が一日でも早いのを願うと共に、今回のテロの犠牲にあわれた方々のご冥福を祈りたい。

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