ディナーショーやフラダンスにサンセット・クルーズ… ほかにも、ハワイには楽しいアクティビティがいっぱい。このコーナーでは、家族連れやグループでハワイ旅行を満喫できるアクティビティ情報をご紹介します。
ドルフィン・ツアー
Dolphine Tour
自然の宝庫ともいえるハワイ。ワイキキから北西に向かって約70キロにあるマカハには、豊かな自然が溢れています。ここには、野生のイルカと遭遇できるチャンスが無限に広がっています。訪れる者を悠然と迎えてくれる、オアフ島最西端に広がる手つかずの大自然。華やかなワイキキの喧騒から離れてみると、「これが本当に同じ島なのか」と思うほど景色がガラリと変わります。切り立った山々、その裾野を洗う高波の先に果てしなく広がる大海原。ワイルドな大人の知られざるプレイ・グラウンドとして、隠れファンを魅了してやみません。今回はこのマカハで野生のイルカたちとたわむれ、ステキな思い出を刻める「ドルフィン・ツアー」をご紹介します。 |
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島の親、マクア・ヴァレー ワイキキから車で約1時間。誰もいない早朝のマクア・ビーチには、たくさんのイルカたちがエサを求めて集まってきます。「マクア」とはハワイ語で「親」という意味です。その昔、現在のオアフ島を形成する大地が、初めて海から顔を出したのがこのマクア・ヴァレーの辺りとされています。オアフ島の起源を指して「島の親」とも呼ばれるこの渓谷は、周囲の山々に抱かれて静かに口を開いています。 |
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イルカ発見に湧く参加者
自然が相手だけに、「イルカと遭遇できないこともある」と聞き、参加者たちは心配そうな顔つき。思わず、ビーチにたたずむ姿も… 突如、目の前の水面をかすめる黒い物体を発見! 「いる! いる!」と誰かが指をさした方向に、一斉に視線が集中しました。すると、すぐ近くの浅瀬に群れる「背ビレ」を発見しました。「イルカだ!」と口々に歓声を上げる参加者を歓迎するかのように、イルカたちは目の前を華麗にジャンプしてくれます。 |
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自然に捧げる感謝
可愛らしい姿を見つけたが最後、「一刻も早く、海に入りたい」と、はやる心をちょっと抑え、忘れてはならないのがブレッシング(お祈り)です。ドルフィン・ツアーの主催者であるリチャードさんを中心に、まずハワイらしくプルメリアの花をかざして「母なる自然と、イルカに会える幸運」に感謝。リチャードさんは、日本語も堪能で頼れる存在です。ブレッシングが終わったら、参加者全員でプルメリアの花を海に捧げます。一瞬、訪れる静寂… ブレッシングを終えると、救命胴衣を身につけて、いよいよカヤックに乗り込みます。が、目の前には背丈ほどもある高い波。「こんな高波を本当に突破するの?」と不安になるのも束の間、「今だ!」という力強いリチャードさんの掛け声に、絶妙のタイミングで沖へと漕ぎ出すカヤック。こうして高波をやり過ごすのも、スリル満点です! |
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イルカの鳴き声も
沖に出ると、パノラマ状に広がるマクアの絶景が目の前に。壮大な景色に見とれながら波間をしばらく漂っていると、間近に「背ビレ」が! 急いでシュノーケルをくわえ、イルカを脅かさないようにそっと海に入ります。朝早いにもかかわらず、海水は思ったよりも温か。群の方向を頭にインプットしたら、なるべく水しぶきを上げないように静かに近づきます。水の中では、イルカたちの可愛らしい「キュー、キュー」という鳴き声も聞こえ、それだけでもう大感激してしまいます。 |
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イルカに上手く近づくには
「追いかけたくなる気持ちを抑え、じっと相手を待つべし」とは、恋の悩み相談にあらず。これこそが、イルカを上手に観察する心得なのです。イルカの姿を見つけると、ついつい追いかけたくなってしまいます。が、そこをグッとこらえ、イルカを驚かさないようにしていれば、フレンドリーで好奇心旺盛な彼らの方から近づいてきてくれます。澄んだ海を悠々と泳ぐイルカと参加者たち。イルカには人の心を癒す不思議な力があるとも言われますが、少なくとも彼らを介して参加者たちの交流が深まったことは間違いありません。 |
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カヤックが転覆?
マカハの海では、イルカのほかにも多くの海洋生物が観察できます。素手でタコを捕まえようと、チャレンジするワイルドな参加者の姿も。岸から近いとは言っても、かなり深い部分もあるので、泳ぐのが苦手な方はカヤックから観察するのがベターです。もちろんカヤックからでも、イルカたちの姿は充分に観察できます。ただ、波の影響でカヤックがひっくり返ることもあるので、常に救命胴衣は装着しておきましょう。カヤックに戻るには、懸垂の要領で船体を両手でしっかり支えて体重を均等に分散させ、素早くお尻から乗り込むのがコツです。 |
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イルカを通じて友達も
イルカとの遊泳を堪能して岸に帰ると、暖かいシナモン・ティーとスコーン、フレッシュ・フルーツの嬉しいサービスが待っています。パラソルの下でスナックをつまみながら、ツアーを通じて親しくなった参加者たちと互いに連絡先を交換。「イルカ友達」の輪が広がります。「また遊びに来てね」と流ちょうな日本語で別れを告げるリチャードさん。振り返ると、元気にジャンプを繰り返すワンパクな子イルカの上げる水しぶきが、マクアの尾根から顔を出した太陽にまぶしく反射していました。 |
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●ドルフィンズ・アンド・ユー |
マカハのお話
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(2002年6月取材)
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