■利率とAPR
CDなどを開設する際に利率としてInterestとAPR(Annual Percentage Yield)がパーセントで表示されていることがあります。両方とも同じ口座に対する利率なのに数が違うことに疑問を持つ方もいると思います(APYのほうが高くなっています)。簡単に言うと、この差は複利による利率の上昇です。(説明は少々ややこしいので読むのが面倒だったら下の例を見てください。) 利息には利子が支払われる際に利子が元金に加われない単利と元金に加われる複利があり、利息払いが年単位以下の複利が使われる場合にInterestとAPYの違いが生まれます(単利の場合はInterest=APYです)。預金が複利で運用されると一定期間ごと(日毎/月毎/四半期毎)に利息が支払われます。複利の場合は最初の期間が終わると利息が元金に加わるので、その次の期間は元金+最初の利息が合わさって新しい元金になり、その金額に対して同じ利率が付くことにより2回目の利息は最初の利息よりも多少多くなります。そして1年が経過すると最初預けた元金に対する利子は結果的にInterestよりも多くなります。 これがAPRと呼ばれるものです。この2つの性質を区別する際にInterestは日本語では表面金利、APRは実質金利と呼ばれる場合があります。
<例> 利息が毎月払われる5パーセントのInterestのCDに1000ドル(元本)預金したとします。最初の月が終わると利払いが生じます。その時は元本1000ドルに対して年利5パーセントの利率ですから5パーセントの12分の1の利率(0.417パーセント−四捨五入後)がかかり、 (元本)1000ドル x 0.00417=4.14ドル の利子がもらえます。すると複利ですので次の月の元本は (元の預金)1000ドル + (最初の月の利息)4.17ドル=1004.17ドル となり、その月が終わると (2ヶ月目の元本)1004.17ドル x 0.00417=4.19ドル の利息がもらえます。その次の月の元本は (2ヶ月目の元本)1004.17ドル + (2ヶ月目の利息)4.19ドル=1008.36ドル となり、同じことを続けていくと1年後には1051.16ドルになります。この複利の経過を見ずに元金1000ドル、1年後の預金1051.16ドルの結果のみを見るとその利率は5.116パーセントとなり5パーセントより少し多くなります。これがAPYです。このような理由で差ができるので、この差はもとの元金が多いほど、利率が高いほど、また利息の支払いが頻繁なほど大きくなります。またAPYは期間などの異なる金融商品の利率を比べるのに役立ちます。 |
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