青い海、眩しい陽射し。鮮やかなハワイの風景の印象は、初めて訪れた人はもちろん、リピーターの人たちにとってもしっかりと心に焼き付けられているものですよね。でも、ハワイで撮った写真を見てみると、「何かちょっと違うんだよね、あの時の記憶と…」という人は意外に多かったりします。フィルムカメラと違って、デジカメなら気軽で簡単にナイスショットが撮れそうだけど、でもなかなか思い通りにならないのが現実。それが楽園ハワイだったとしても。このハワイの歩き方「デジカメ講座」では、「ハワイでの撮影」という点にポイントを絞ったアドバイスで楽しいハワイ旅行の思い出作りをお手伝いしたいと思います。
中級編 – 3 晴れていない日のハワイらしい写真の撮り方
■曇りの日でも工夫次第で楽園写真が撮れる! 「常夏の楽園ハワイ」というくらいで、ハワイは一年中まぶしい太陽が照りつける場所であることに間違いはないのですが、天気の悪い日だって当然あるわけです。特に北半球が冬の季節はハワイにとっても冬なので、気温の低い日や雨の日も多くなります。まれに日本の梅雨のように一日中雨、または曇天という天気が2、3日続くこともあり、たまたまそんな時にハワイ旅行の日程が重なってしまうこともあるでしょう。天気の悪い日にはデジカメを取り出す回数も少なくなりがちですが、ちょっと工夫すればハワイらしさを演出した写真を撮ることだってできるのです。 曇っている日に写した写真は実際の印象よりも暗くなってしまうことが多いですよね。特に空や海を大きく写しこんだ構図では特に暗くなりがちです(作例1)。それはカメラが、構図の中の広い空の部分の明るさを平均的な明るさ(白と黒の中間、つまりグレー)と判断するからですが、特に曇っている場合は建物や木に光が当たっていないので、その部分が余計に暗くなってしまうのです。これを避けるためにはデジカメの撮影メニューから露出補正(たいていの場合、[+/-]のように表示されています)を選んでプラス側に「0.7」とか「1.0」程度調整すると、見た目に近い明るさで写せます。あるいはPCに取り込んでからデジカメに付属の画像ソフトなどで明るさの調整をするとかなりいい感じになります(作例2) 。
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とはいっても、太陽が出ているときの写真とは全然印象が違うのは仕方ありません。ワイドな構図の風景写真ではどうしても空の部分が大きくなってしまうのでどんよりとした感じが強調されてしまうのです。こういうときは割り切って、なるべく空を構図に入れない、あるいは被写体に寄り気味の写真を撮ってみましょう。たとえばビーチの近くにパーキングしていたレンタカーにヤシの木が映りこんでいました(作例3)。晴れている時なら背景として他のクルマの様子や空もいい感じになるところですが、曇っているとなんだかはっきりしません。そこで窓の部分だけにズームしてみると、曇天がそれほど気にならなくなります(作例4)。
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■悪天候がメリットになることだってある 撮影をした日はハワイにしてはかなり肌寒い日で、海に入っている人も少なめ…という、あいにくの天気。それでも波打ち際まで行けばこんな雰囲気の写真も撮れるのです(作例5)。撮影する時に、先程の露出補正でプラス(明るく写るほう)に「1.0」調整して撮影してあります。ただし、その都度いろいろ細かい操作をするのは面倒だし、設定を戻すのを忘れると次のシーンで逆に明るくなりすぎたりもするので、画像ソフトで後から調整するのでもかまいません。マクロ撮影の回で紹介した黄色いハイビスカスも、小雨が降って大きな花びらに水滴が付いていました (作例6)。実際には全然雰囲気のないところに咲いていたのですが(作例7)、水滴と曇りの日のフラットな光で写真にすると違った印象を与えてくれますね。 |
■ 作例5 ■ 波打ち際なら雰囲気のある写真に |
■ 作例6 ■ このみずみずしさは雨の日ならでは |
■ 作例7 ■ 晴れの日とは違った印象になる |
さて、イメージカットはこのくらいにして、天気の良くないときに友人同士や家族のスナップや記念写真をどうしたらいいか、考えてみましょう。ビーチや空を背景にするとどうしても曇っている感じがしてしまうので、別のものを構図に入れてみます。たとえば郵便ポスト、公衆電話(かなり少なくなっているので今のうちに撮っておこう)、バスなど、つまり色や形がはっきりしているものと一緒に写すと曇り空が目立たなくなります。また曇っている日は、晴れている日よりも影ができにくいので人物を撮るときに、顔の影や眩しそうな表情を気にせずに撮れるというメリットもあるのです。 |
メリハリのある色や形の物を入れると明るい印象に |
公衆電話は撮るなら今のうち? |
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