青い海、眩しい陽射し。鮮やかなハワイの風景の印象は、初めて訪れた人はもちろん、リピーターの人たちにとってもしっかりと心に焼き付けられているものですよね。でも、ハワイで撮った写真を見てみると、「何かちょっと違うんだよね、あの時の記憶と…」という人は意外に多かったりします。フィルムカメラと違って、デジカメなら気軽で簡単にナイスショットが撮れそうだけど、でもなかなか思い通りにならないのが現実。それが楽園ハワイだったとしても。このハワイの歩き方「デジカメ講座」では、「ハワイでの撮影」という点にポイントを絞ったアドバイスで楽しいハワイ旅行の思い出作りをお手伝いしたいと思います。
中級編 – 1 マクロ機能を使って花の写真に挑戦!
■ハワイらしいカラフルな草花のマクロショットに挑戦 ハワイではいたるところできれいな花を見かけることができます。たとえばワイキキのカラカウア通りのちょっとした植え込みにも気をつけてみると魅力的な被写体がたくさんあるんです。その中からいちばん大ぶりの黄色いハイビスカスを狙ってみましょう。まずデジカメのスイッチを入れてマクロモードにセットします。「花」のアイコンがマクロモードの表示になっている機種が多いようです。さあこれでハイビスカスにクローズアップ、とその前に自分のデジカメがどのくらい近くまで被写体に接近できるのかチェックしましょう。機種によってはレンズの直前まで近寄れる1センチマクロや0センチマクロなどというすごい機能を搭載しているものもありますが、この連載に使用している機種は携帯性を重視した薄型ボディのせいかマクロモードにしてもズームの望遠側では40センチ程度までしか近寄れません。ズームをワイドにすると20センチ程度まで寄れるのですが、花を撮る場合はなるべく画角を望遠側にした方が背景とメインの被写体である花がはっきり分かれて見えるため、ズームを望遠側にしたときにどこまで近寄れるかで使い勝手が変わってくるので、ちょっと残念です。さて、実際にどこまで近寄れるかのチェックはデジカメのモニターを見ながら左手の腕時計にどこまでピントが合うかでおおよそわかります。カタログデータで何センチ、と覚えるよりこの方がこのくらい近寄ったらピントが合わなくなる、と感覚で覚えられます。腕時計はコントラストがある被写体なのでピントが合わせやすいというメリットもあります。 |
ハイビスカスの花は大きくて、花弁とおしべの部分では色が違う、つまりコントラストが強めなので比較的ピントは合わせやすいです。それから当然のことですが花は太陽のほうを向いて咲いているので明るく、手ブレの心配もそんなにありません。だれにでも撮りやすい被写体のひとつですが、ここでひと工夫してみましょう。太陽の位置が変わって日陰になった花はどう写るでしょうか? 太陽が当たっていたカットと比べると黄色の鮮やかさはないものの全体の感じが柔らかになり太陽が当たっていたときには陰になって真っ黒に写っていた葉の緑色が見えてきました。同じ花でもずいぶん印象が違う写真ですよね。どちらが良いかということでなくどちらもその花の表情だということなのです。 |
■マクロ撮影の裏ワザをプロが伝授 今度は色鮮やかなブーゲンビリアの植え込みです。最初はズームを望遠側にして(もちろんマクロモードですよ)いましたがアップになりすぎて何だかよくわからなくなってしまったのでズームをワイド側にして少しだけ距離をあけてバックとの遠近感を出してみました。作例はサイズが小さいのでわかりにくいですが大きくするとバックはきれいにボケています。 このようにメインの被写体をいろいろな角度や光線から見て、さらにズームの角度を変えたりめいっぱい寄らずに少し引いたり工夫して撮ってみましょう。ちょっと頑張れば自分だけの「作品」がすぐに撮れるはずです。 最後に注意点と裏ワザをいくつか。一般的にマクロで近寄れば近寄るほど手ブレしやすくなるのでデジカメはしっかり構えましょう。ピントの合う範囲も狭くなるのでピンボケもしやすくなります。その場でチェックしてもモニターが反射してよく見えない場合が多いので何枚も撮っておきましょう。それから風。戸外は意外と風があって花もかなり揺れています。マクロで撮影する場合、わずかの揺れでもピントが合わなかったりカメラは手ブレしなくても被写体がブレてしまう事がよくあります。作例のブーゲンビリアの植え込みも風でブーゲンビリアが揺れてピントが合わなかったのです。なので左腕をブーゲンビリアの位置まで伸ばして腕時計にピントを合わせて(シャッターボタンを半押しにして)それから撮影しています。ハイビスカスも風で揺れていたので左手で茎を押さえたまま片手でシャッターを切っています。もちろん何枚も撮影してブレていないカットを掲載しているわけです。 |
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