青い海、眩しい陽射し。鮮やかなハワイの風景の印象は、初めて訪れた人はもちろん、リピーターの人たちにとってもしっかりと心に焼き付けられているものですよね。でも、ハワイで撮った写真を見てみると、「何かちょっと違うんだよね、あの時の記憶と…」という人は意外に多かったりします。フィルムカメラと違って、デジカメなら気軽で簡単にナイスショットが撮れそうだけど、でもなかなか思い通りにならないのが現実。それが楽園ハワイだったとしても。このハワイの歩き方「デジカメ講座」では、「ハワイでの撮影」という点にポイントを絞ったアドバイスで楽しいハワイ旅行の思い出作りをお手伝いしたいと思います。
初級編 – 5 サンセット&夜景 人物編
■後編 人物を入れて撮る場合 まずサンセットを背景に撮影する場合から。「人物+風景」の基本的な撮り方を確認すると、この講座の3回目で説明したように「人物7割+背景3割」、人物でシャッターを半押しにしてピントを合わせた後に構図を調整してシャッターを切る、というふうになります。これは記念写真のほとんどすべての場合に当てはまるのですが、サンセットをバックに人物を撮ると「作例1」のように全然サンセットの感じがでません。前回の作例と同じ時に撮影したのになぜでしょう? もちろんストロボはオンになっているのに人物は暗く、背景も明るめです。そのままの場所からズームアップした写真が「作例2」です。背景の雰囲気は出てきましたが、人物はまだまだ暗いですね。その理由は前回説明したデジカメの露出を決める基準と関係があります。細かい理屈を省略して簡単に説明すると次のような理由になります。 |
1) カメラは全体の明るさがグレー(真っ白と真っ黒の中間の濃さ)になるように明るさ(露出)を調整する
2) 太陽や空、サンセットなど明るいものにカメラを向けると実際より暗めの露出になりやすい(前回参照) 3) サンセットをバックに人物が立つということは、逆光状態と同じ。昼間と違って周囲が薄暗いので人物と背景の明暗差は昼間より大きい 4) 人物にピントを合わせると(シャッターを半押しにすると)露出も暗めの人物に合わせようとするので背景(サンセット)は実際より明るめになる。しかしサンセットの場合、人物7割+背景3割よりも背景をたくさん入れがちになる傾向が強いので、デジカメの露出も人物だけに合わせきれずに明暗差の大きい人物と背景の間でどちらにも合わない中途半端なものになりやすい 5) ストロボをオンにしてもストロボのパワーが小さくて人物を背景と同じ明るさまで明るくできない。あるいは背景の明るさを、ピントを合わせた人物の明るさと区別できず発光量を控えてしまう 6) 結果として人物も背景(サンセット)も中半端な明るさの写真になる |
わかりましたか? ややこしいですよね。つまりデジカメにとってもややこしい状況だということなのです。いろいろな設定をマニュアルで設定できるデジカメなら、「ピントは人物、露出は背景に合わせて、ストロボはフル発光」にするとサンセットも人物もきれいに写せるのですが、もしそんなデジカメがあっても薄暗い場所で、細々した設定をいじっているよりきれいなサンセットを眺めていたほうがずっと気分が良いですよね。作例1、2を撮っているコンパクトデジカメは最新機能満載の500万画素薄型モデルで、30近い撮影モードが選べるのですが、なぜか「夕日をバックに人物」というモードはないんです。実際30近くもある撮影モードなんて何があるかも覚えきれないし、ビーチであれこれデジカメのメニュー画面をピピッといわせながら操作しても満足できる設定にはなりませんでした。逆に3世代前の1.3万画素、ズームなしのデジカメをピントマニュアルで1メートル固定、ストロボ強制発光にして太陽ほぼ真ん中、という使い捨てレンズ付きフィルムカメラのような設定で撮った写真のほうが、露出のバランスだけは良かったですね。 |
■露出以外の工夫 露出だけが良くても、いい写真にはならない。ではどうするか? まずひとつは画面の中で人物の比率を大きくする(作例3)。そしてより効果的なのは日が沈んでもう少し暗くなるのを待つ、という方法です。日が沈みきった後の空の色がどうなるかは毎日違うのでややギャンブル的ですが、ズームをちょっぴり望遠側にして空の色がきれいな部分を背景に持ってきます。そして、人物が画面の中心に来るような構図にすると良いでしょう(作例4)。
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■タンタラスの丘で夜景を撮影 |
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