おいしくて、雰囲気も最高なレストランでの食事は、ハワイ旅行の楽しみの1つ。でも、お店のチョイスには迷うことも多いのでは? そこで、このグルメ・レストラン情報では、ハワイで最も権威のあるレストラン・アワード「ハレアイナ賞」(ホノルル・マガジン主催)に選ばれた名店やハワイの歩き方編集部が自信を持ってオススメするレストランを紹介します。
「”Taste of Toh-Ka-Lin(桃花林の味)”フェア」体験レポート 「ハワイで味わう最高の中華料理」
●ホテルオークラとザ・カハラの業務提携で実現した夢のイベント
ワイキキから車で10分、オアフ随一の高級住宅街カハラ地区にある珠玉のリゾート、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」のメイン・ダイニングである「ホクズ」に、5月10日(日)〜16日(土)、日本を代表する国際ホテル「ホテルオークラ」の中国調理総料理長、梁樹能(Liang Shu Neng)氏が招かれ、「“Taste of Toh-Ka-Lin”フェア(桃花林の味フェア)」が開催されました。45年以上の歴史を持ち、日本を代表する本格広東料理レストランとして親しまれてきた、ホテルオークラ内の中国料理の名店「桃花林」。その代表的なメニューの数々が、訪れた人々を大いに楽しませました。 食事の前に梁料理長にお話を伺うことができました。梁料理長は1940年神奈川県横浜市生まれ。家族は仕立て屋を営んでいましたが、50年前に中華料理の世界に飛び込みました。3年間修行をつんだ後、1962年にホテルオークラに入社。以後ホテルオークラ一筋に中華料理のシェフとして活躍し、看板レストランの「桃花林」を世界的な名店へと押し上げました。2005年には、ホテルオークラ東京の取締役に就任。2007年には、長年にわたりその道の第一線で業務に精励し、他の模範となる技術を有するとして、名誉ある「黄綬褒章」を受章しています。まさに、中華料理界の重鎮中の重鎮である梁料理長。なのに、とても優しい笑顔で私たちのインタビューに答えてくださいました。世界の第一線で活躍されている大物だからこその風格なのでしょうか。 |
「お客様が食べたいものを提供する、それが桃花林です」と梁料理長は語ります。訪れた人1人1人の体調や気分によって、メニューの相談にのったり、材料や味付けにアレンジを加えたりと、誰もが満足できるように心を配っているそうです。さすが、老舗ならではの懐の深いサービスといえますね。 「なので、このフェアでお出しする料理も、オーソドックスなメニューでありながら、ハワイの気候によく合うようなものを考えてみました」と、梁料理長。今回のフェアで出されるのは、すべてアラカルトで、「帆立貝、海老と黄ニラ、青ニラ、フルーツトマトの冷製葱風味」、人気メニューのひとつである「土鍋煮込み」、オリジナル「酢豚」、「海老のチリソース」、「麻婆豆腐」、「パイナップル入り炒飯」、「フレッシュフルーツ入り杏仁豆腐」など、桃花林の人気メニューばかりです。 「料理は美味しくなくては駄目です。皆様に楽しい気分で食べていただけるよう、一生懸命やっています」と、常に訪れる人の身になって、最高の料理を提供し続ける梁料理長。その珠玉の味を、ハワイにいながら楽しむことができるなんて、なんて素晴らしいことなのでしょう。ハワイの私たちが、日本のホテルオークラの味を、ハワイで楽しめるのと同様に、日本のホテルオークラでも、ハワイの「ザ・カハラ・フェア」が開かれ、多数の人々がハワイならではの味覚を堪能したそうです。梁料理長は、ザ・カハラの料理について、「ウェイン・ヒラバヤシ料理長の監督のもと、どのレストランの味も盛り付けもとても水準が高くて勉強になりますね。素晴らしいと思います」と絶賛しています。両ホテルの業務提携により、夢のコラボレーションが、日本とハワイで実現しているのです。 |
午後6時30分、ホクズに入った私たち一行は、まずはワインで乾杯です。地元ハワイのメディア関係者と共に、ホテルオークラ代表取締役会長の松井幹夫氏、オークラホテルズ&リゾーツ社の田口昌男氏も着席し、和やかな雰囲気のなか食事が始まりました。まずは、香ばしいチアバッタ・ブレッドに付けて食べる、ホクズの名物「アヒポケ・ディップ」が出されました。生のマグロがクリーミーなソースで和えられているこのディップ、魚独特の風味はまったく感じさせない軽やかな逸品です。続いて出てきたのが、新鮮なハワイ産の野菜と海老、貝柱をサラダ風に仕立てたもの。さっぱりと素材の味を楽しみながらも、ドレッシングの馥郁とした余韻が、さりげなく個性を主張する素晴らしい前菜。ピリッとした辛さと酸っぱさがハワイの気候にぴったりな「ホット&サワー・スープ(酸辣湯)」は具沢山でこくがあり、一同はますます盛り上がります。続いて出てきたのが、桃花林名物の土鍋料理です。春雨や肉団子、キノコになまこなどの旨みが渾然一体となった煮込み料理は、上品のきわみでした。
次の大皿が運ばれてきたとたん、ざわめきが巻き起こりました。四角い大皿には、パイナップル炒飯、海老のチリソース、酢豚、そして麻婆豆腐が盛り合わせてあります。「敢えて基本的なメニューを選びました」との、松井会長の言葉どおり、ベーシックなメニューながら、他とは一線を画す桃花林の老舗ならではの自負のようなものが感じられる素晴らしい味に、一同は大きな拍手を送りました。パイナップルの甘味と酸味が控えめに見え隠れする炒飯、山椒の風味がピリッと効いた麻婆豆腐、プリプリの大きな海老に甘辛のチリソースが絶妙に絡む海老チリ、そしてお肉の柔らかさと野菜のコンビネーションが最高の酢豚… 思わず無心に食べ進みます。すっかり満腹したところで、デザートの登場です。マティーニ・グラスに盛られた杏仁豆腐は、アーモンドの風味が仄かに漂うフルフルとした食感です。上に飾られたフルーツやクリーム、ミントの葉とのコンビネーションも最高で、今までに知っていた杏仁豆腐というものに対する固定観念を覆すような、上質なものでした。最後は、カハラご自慢の、100%コナコーヒー、それもめったに手に入らないピーベリーのコーヒーをいただき、一同心から満足して家路につきました。
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ザ・カハラのエグゼクティブ・シェフを務めるウェイン・ヒラバヤシ氏にもお話を伺うことができました。ハワイ生まれのハワイ育ちの日系人であるウェイン・シェフは、ホクズのみならず、ザ・カハラのすべてのレストランおよび、ケータリングそしてウェディングのお料理も担当されているとか。最高の素材にこだわったダイナミックかつ繊細な料理の数々で、ハワイを代表する凄腕シェフなのに、終始にこやかでとても優しい感じのウェイン・シェフ。ホテルオークラについては、「ザ・カハラととてもよく似たコンセプトのホテルだと聞いています。また梁料理長からもたくさんのことを学んでいます。一緒に仕事ができて、とてもうれしく思っています」と話してくれました。「日本へ行って、ホテルオークラでザ・カハラ・フェアを行いました。日本の人々がカハラの味を体験して喜んでくださって、とてもよい体験になりましたね。これからも毎年ホテルオークラと料理を通じた交流をしていきたいですね」とウェイン・シェフ。ちなみにウェイン・シェフは日本食が大好きで、特に好きなものが納豆なんだとか。 ザ・カハラ・ホテル&リゾートでは、梁料理長のようなセレブ・シェフを招いて定期的にグルメ・イベントを開催していますので、お見逃しなく。近々、アメリカのお料理番組で人気のカリスマシェフもやって来るそうですよ。 |
◎ザ・カハラ・ホテル&リゾート ■グルメ情報 /ザ・カハラ・ホテル&リゾートでグルメイベント開催! |
(2009年5月取材)
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