10月31日は「ハロウィーン」。ユニークで楽しい風習の基礎知識や仮装のポイント、安全面での注意点など、米国流ハロウィーンを満喫するためのアドバイスをお届けします! 無料イベントも合わせてご紹介しますので、この時期ハワイに滞在予定の方は是非、ファミリーで仮装にチャレンジし、本場のハロウィーンを体験してみませんか?
ハロウィーン
●元はケルト族のお祭りだったハロウィーン
ハロウィーンでホリデーシーズンの幕開け! |
子供達の大好きなお祭り「ハロウィーン」が目前に迫ってきました! 魔女やプリンセスなど、思いおもいのコスチュームに身を包み、「トリックorトリート!」(お菓子をくれないとイタズラしちゃうよ!)と言いながら家々を巡るハロウィーンは、クリスマスに次いでアメリカの子供達が心待ちにしているイベントなのです。この日はハワイでも学校や職場に仮装して出かけ、パーティを開いたり、仮装コンテストやゲームを楽しんだり。街を歩けば、スーパーのレジのお姉さんがクレオパトラの装いで立っていたり、お堅いイメージの銀行員までがお化けの扮装をしていたりと、本当に街中がハロウィーン一色。そして、この日を境に、アメリカでは感謝祭(11月)、クリスマスとビッグ・イベントが続き、新年に突入。ハロウィーンはアメリカのホリデーシーズンの幕開けとなるイベントなのです。 |
亡者を寄せ付けないための仮装が今では一大イベント |
初めに、楽しいハロウィーンの風習を説明しながら、その歴史的な背景にも少し触れることにしましょう。ハロウィーンという名称は、「All Hallows Eve」(万聖節の前夜祭)がなまったもの。万聖節とは、カソリックの聖人を祝う祭日のことです。そもそもはアイルランドのケルト民族のお祭りだったのが、後にキリスト教に取り入れられたものなのですが、なぜこの日に仮装をするようになったのでしょうか? それにはこんなワケが… ケルト族の信仰では10月31日(ケルト暦では11月1日が新年。つまり、この日は大晦日)の夜、その年に死んだ亡者がこの世に戻ってきて、生者に取り憑くと信じられていました。そこで、それを避けるため、生者の方でも死者を恐がらせようと、魔女やモンスターの仮装をしたのが始まりだそうです。今では、モンスターやお化けなど恐ろしげな仮装をするのにとどまらず、可愛いプリンセスや妖精、スーパーマンやスパイダーマン、ディズニー・キャラクター、海賊やエジプトのファラオに化けてみたりと、自由に仮装を楽しんでいます。 |
子どもたちが心待ちにするトリックorトリート |
この日はまた、仮装をした子供達が「トリックorトリート」と言いながら街を巡り、キャンディなどのお菓子を集める風習があります。その元になったのは、中世ヨーロッパのクリスチャンによる「Souling」(ソウリング)という風習でした。9世紀の昔、毎年11月2日にクリスチャンは、ソウルケーキと呼ばれる干しブドウ入りのパンをもらうため、家々を巡ったとか。ソウルケーキと引き換えに、その家の死者のためにお祈りを捧げるという風習が、ハロウィーンの一部として今に伝えられているという訳です。
ハロウィーンといえばもう一つ、カボチャの「Jack-o-lantern」(ジャック・オ・ランターン)も忘れられませんね。オレンジ色のカボチャをくり抜き、お化けの顔や魔女、猫などを彫って蝋燭を入れた灯りを庭や室内に飾るのですが、これはアイルランドの民話に登場する、悪魔を罠にかけたジャックという男とカブの提灯が起源。アメリカではカブよりカボチャの方が手に入りやすいので、それがカボチャの灯りとして、一般化したのでした。 |
●コスチューム&小物を揃えるなら もし、ちょうどハロウィーンの日にハワイ滞在中なら是非、仮装をしてハワイの街を歩いてみませんか? 特に、ワイキキのカラカウア通り沿いには、この夜、仮装した老若男女が繰り出して、大変賑やか。また、最近では日本でも、ハロウィーンが新たなイベントとして浸透してきたそうですね。日本で楽しむハロウィーンのため、ハワイで仮装グッズを揃えるのも、グッド・アイディア。たとえば、パパがターザンならママがジェーン、子供はモンキーに化けたり、パパと息子と二人してフランケンシュタインになったりなど、家族でテーマを決めてコスチュームを揃えるのも楽しいですよ。 |
この時期はどこのお店にも見られる仮装グッズ |
各スーパーマーケットなど、ハワイのあちこちでコスチュームを販売していますが、いくつかオススメのショップをご紹介しましょう。小さな子供たちに人気なのは、「ディズニーストア」。シンデレラ、白雪姫、リトル・マーメイド、ムーランの中国風コスチュームなど、特にプリンセス系の衣装が充実しています。ドレスに加えて、ティアラ、靴、魔法の杖など小物もズラリと勢揃い。男の子なら、トイ・ストーリーのウディ、ピーターパン、ターザンなどのヒーローものが大人気。もちろん、ミッキーやミニーマウスなど、往年のキャラクターのコスチュームも好評です。
以前、特集した、ワイケレ・センターの「パーティ・シティ」も一見の価値あり。壁一面と大きな2セクションがコスチュームやメイク用品、小道具で埋まり、そのセレクションはハワイ随一かも? 大人用から子供用まで、ありとあらゆるハロウィーン・グッズが揃います。ワイキキ周辺なら、ダウンタウン郊外の「Kマート」(500 N. Nimitz Hwy. 電話:528-2280)や、「フローラ・デック」(373 N.Nimitz Hwy. 電話:537-6194)がイチ押し。フローラ・デックは本来、大型クラフトショップですが、この時期には店奥の大コーナーが天井までハロウィーン・グッズで満杯になります。Kマートではコスチュームや小物の他、庭にも置ける大きなハロウィーン飾りなどが安価に揃っています。 |
マスクを被るだけでもうすっかり気分はハロウィーン! |
もちろん、「仮装なんて、恥ずかしくて!」という方もおられるかもしれませんね。そういう方は、頭の先から足元まですっかりコスチュームで固めるのではなく、シンプルな「ワンポイント」の仮装にトライしてみてはいかがでしょうか? たとえば、ただモンスターのお面を被ったり、顔を白や黒に塗ったり、魔女風の黒い帽子を被ったり。黒のマニキュア&口紅を使うだけでも、ハロウィーンらしい雰囲気が醸し出されて楽しいものです。ウェアだって、黒とオレンジのハロウィーン・カラーを組み合わせるだけでOK! また、ハワイでは、日本の浴衣や祭りのハッピなどもコスチュームとして大ウケなのです。こうした手持ちのウェアを使えば、費用もかからず手軽。親子でいろいろ工夫して、ハロウィーンを楽しんでみましょう。 |
●安全なハロウィーンを楽しむために 楽しいハロウィーンを経験するために、注意事項についても触れておきます。ハロウィーンは子供達の大好きなお祭りであると同時に、アメリカではちょっとワイルドで、若干治安が悪化する日でもあります。お面を被った人が調子に乗って強盗を働いたりすることもあり、夜遅くまで外を歩く時には、常識的な注意が必要です。また、1992年のハロウィーンの夜、アメリカ・ルイジアナで起こった服部君事件は記憶に新しいことと思います。交換留学生としてルイジアナの高校に通っていた服部君が、パーティ先と間違えて見知らぬ家に入り、射殺された悲しい事件でしたが、この事件以来、ハロウィーンに備え様々な注意事項が喧伝されるようになりました。以下、主なものを挙げておきますので、参考にして下さいね。
◎子供同士でトリックorトリートに行かせず、必ず親が同伴しましょう。門が閉まり灯りが消えている家には、近づかないこと。キャンディは、玄関先でもらいます。見知らぬ人の家に入るのは、たとえ招かれたとしても禁物。 ◎夜道を歩く時は、必ず懐中電灯を持参しましょう。こちらの視野を良くすると同時に、道を行く車からもこちらが見えるようにするためです。 ◎ハロウィーンのコスチュームは化学繊維でできたものが多いですが、なるべく耐炎性(Flame resistance)の表示のあるものを選びましょう。キャンドルによる火傷の事故が、毎年ハロウィーン後に報告されています。同じ理由から、(ジャック・オ・ランターンなど)ハロウィーンの飾りにあまりキャンドルは使わず、電球で代用するなどしましょう。 ◎お面など顔全体をカバーするコスチュームは、安全のため、目元、口元をさらに大きく開ける工夫を。視野を狭くしたまま夜道を歩くのは危険です。また、子供が引きずるほど長いコスチュームは、事前に長さを調節しましょう。 ◎中には、子供達へのキャンディに有害なものを混ぜたりする、心ない人がいるのは事実。見知らぬ人からもらったキャンディは食べない、または親が一つひとつチェックして、包みの破けたもの、1度開けた形跡があるものは捨てるようにしましょう。 |
各家庭でもハロウィーンの装いが見られます |
●無料で参加できるハロウィーン・イベント2003 最近、子供達が安心してハロウィーンを楽しめるよう、様々な施設がイベントを主催しています。以下、参考までに一部を挙げます。 ◎アラモアナ・センター 10月31日(以下同)の夕方5時から7時まで、参加店(店の前のパンプキンが目印)を巡って「トリックorトリート」が楽しめます。コスチュームを着て、キャンディバッグを持って出かけましょう。 ◎カハラ・モール 夕方5時から、参加店(モール内でリストを配布します)により「トリックorトリート」が楽しめます。7時からはセンターステージで、大人と子供のコスチューム・コンテストも。コスチュームに自信のある人は参加してみては? 参加登録は5時45分から。 ◎ワード・ビクトリア地区 ワードセンター、ワード・ウェアハウスなど一帯のショッピングエリアの参加店(店の前にぶら下がったコウモリが目印)で、夕方6時30分から「トリックorトリート」が楽しめます。また、ワード・ビレッジでは、ハロウィーン飾りと共にポラロイドカメラで写真を撮ってくれる、写真コーナーも登場(無料)。 ◎ビショップ博物館 夕方5時30分から、10歳以下の子供を対象にハロウィーン・イベントを実施。特設エリアでの「トリックorトリート」や、ゲームなどが楽しめます(入場無料ですが、一人につき$1程度の寄付を)。 |
(2003年10月取材)
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子連れ旅行のアドバイスとおすすめグッズ
ペッズ・キャンディ&ディスペンサー Pez Candy & Dispenser この時期、アメリカでは各製菓会社から「トリックorトリート」用に、ハロウィーンの特別ラッピングを施したお菓子が登場。子供達を喜ばせています。いろいろ楽しいデザインのものが多いのですが、特筆すべきは「Pez Candy & Dispenser」。一見、何の変哲もなくチープな印象のキャンディ&キャラクター付き容器(ハロウィーン・シリーズのほか、クリスマス、セサミストリート、ルーニートゥーンの各キャラクターなど、様々なシリーズがあります)ですが、実はこれ、熱烈なマニアもいるアメリカの隠れた人気アイテムなんです。コレクターズ・クラブも存在するほどで、古いものはプレミア付きで販売されたりしているのです。しかも、ハロウィーン、クリスマスなど季節のイベントの前後にしか一般のショップに大々的に出回らないので、さらに希少価値がアップする感じです。そんな訳でキュートなデザインのPezディスペンサーを店先で見かけたら、即入手が原則! ロングスなど、各スーパーマーケットで$1.20前後。 |
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