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【オアフ島ガイド】ホノルル市電プロジェクト徹底取材!

投稿者: Eriko 更新日:2015年02月14日

Oahu Guide : Honolulu Rail Transit

楽園ハワイに暮らす人々の大きなストレスの1つがフリーウェイ(高速道路)の交通渋滞。住宅地の拡大が進むオアフ島西部から中心部への渋滞緩和の対策として始まったのがホノルル市主導の高架鉄道プロジェクト(以下市電プロジェクト)。約52億ドルが投資されているハワイのこの一大プロジェクトは実際どのようなものなのか? ハワイにどんな効果をもたらすのか? 編集部が調査&レポートします。

ホノルル市電プロジェクト (ハワイ大学西オアフ校の近くで撮影)

■ホノルル市電プロジェクトとは?
ホノルル市電プロジェクトとは、年々深刻化する交通渋滞対策として、ホノルル市によって進められている、オアフ島西部の東カポレイからホノルルの中心部、アラモアナまでを結ぶ全長20マイル(約32 km)の高架鉄道建設計画のことです。この計画を担当するホノルル高速鉄道輸送機構(以下HART)によると、高架鉄道建設に必要な金額は、およそ52億ドル(約5200億円)と言われています。この金額は建設が終了すると想定されている、2019年までのインフレに合わせて調節し算出されたものです。

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ホノルル市電プロジェクト (アラモアナセンター内のサテライト・シティ・ホールに設置された市電の模型)

■市電プロジェクト実現までの歴史
ホノルル市電計画が一番最初に議会に持ち込まれたのは1966年のことでした。しかし、資金面の問題などで難航し、約40年後にやっと具現化しました。予算が承認されたのは2005年です。市電についての論議は2008年のホノルル総選挙での重要な争点となり、最終的にはオアフ島の住民投票で53%を獲得したことにより可決。2011年2月22日より工事がはじまりました。

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ホノルル高架鉄道プロジェクト (ハワイ大学西オアフ校側の高架鉄道建設現場より)  

■工事期間と開通予定
2020年と2025年の2段階で以下の箇所が開通する予定です。2020年までにイーストカポレイ~アロハスタジアム間が開通、2025年にはアロハスタジアム~アラモアナセンター区間が完了。現時点では、全長20マイルのうちの最初の1マイル区間(約1.6km)が完成しています(2016年10月時点でのHARTの報告より)。

高架鉄道プロジェクト (HARTウエブサイトより)

■市電のルートと設備
全長20マイル(約32 km)の路線は、東カポレイ、パールリッジ、アロハスタジアム、ホノルル国際航空、ホノルルのダウンタウン(ビジネスの中心地)を通り、アラモアナ・センターが終点となります。運行スケジュールは、毎日午前4時~深夜0時までで、通勤時間のラッシュアワーは5分おき、それ以外の時間帯には10分おきに運行されます。ホノルル空港-アラモアナセンター間は16分で行き来できるようになります。

※アラモアナ駅(21番)から21ヶ所に設置されれる各駅までの所要時間は次の通りです。

1   East Kapolei42 分 11 Honolulu International Airport 16
2UH West Oahu40 12Lagoon Drive14 
3Hoopili36 13Middle Street12 
4West Loch34 14Kalihi10 
5Waipahu Transit Center31 15Kapalama
6Leeward Community College 29 16Iwilei
7Pearl Highlands28 17Chinatown
8Pearlridge Center24 18Downtown
9Aloha Stadium21 19Civic Center
10Pearl Harbor Naval Base19 20Kakaako

 

これらの駅の建設に伴い、合計で4100台を収容できる大型駐車場が4ヵ所(東カポレイ、ハワイ大学西オアフ校、パールハイランド、アロハスタジアム)に設置されます。各駅には、駐輪場やバリアフリーの施設、駐車エリアには防犯カメラが設けられ、安全確保のための街灯やガードマンも配置されます。また、電車の片道チケットを購入すると市バスとの連携も可能。全ての駅は市バスのルートに指定され、新たに4つのバスセンターが設置される予定です。

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ホノルル高架鉄道プロジェクト (カポレイ市庁舎内に置かれた市電のレプリカ)

■市電の車両とシステム
車両と線路は最新テクノロジーを導入したスチール製。時速は、最高55マイル(約88km)、平均30マイル(約48km)が予定されています。運行はドライバーなしで完全自動化されます。乗客定員は800人で、自転車、サーフボード、車椅子、ベビーカー、クーラーボックス、スーツケースなども持ち込み可能。また、無料Wi-Fiも導入され、通勤時の人々や学生、さらには旅行者にとっても、便利になりそうですね。

ホノルルの市電システムは、バンクーバー(カナダ)のスカイトレイン、コペンハーゲン(デンマーク)・メトロ、ロンドン(英国)のドックランド・ライト鉄道などの軽量高速輸送システムと似通ったものになる予定で、アメリカ合衆国ではプラットフォーム・ゲート(軽軌道)を導入した最初の市電となります。

嵐のコンサートのあるコオリナ(ハワイ大学西オアフ校側の工事現場で撮影)

■市電デザインとハワイの文化の導入
駅や車両のデザインにはハワイの歴史や文化も導入されます。各駅のある地域の住民の意見を取り入れ、そのコミュニティの特徴や歴史を反映したデザインとなる予定です。建物や景観には、ハワイの石や植物、駅の構造やプラザにはハワイアン・アートが盛り込まれる予定。例えば、各駅の鉄道高架柱には、その地域の文化や歴史の特徴を表したアートワークがデザインされます。

アラモアナと東カポレイを結ぶ市電 (リーワードコミュニティカレッジ側で撮影)

■市電プロジェクトの利点は…?
市電プロジェクトがもたらす利点としては、まず交通渋滞の緩和が挙げられます。西オアフのカポレイからビジネスや大学が集中するホノルルまでフリーウェイにのってかかる時間は、渋滞のない時間帯なら約30分ですが、朝夕の通勤ラッシュ時にはその2、3倍を要します。渋滞は事故や車の故障、悪天候などでも発生しますし、さらに死亡事故が起きた場合は高速が数時間遮断されるため、自宅にたどり着くまで数時間を要する事もあります。オアフ西部の住民にとって市電の開通は、乗用車に代わってより速く、最も安全で信頼性のある交通手段となるであろうと言われています。

2030年までには、毎週20万人近くが市電を利用するものと見積もられており、これによりオアフ島の道路を走る車が約4万台減少すると予想されています。また、高架鉄道工事がハワイの人々の雇用の増加に大きく貢献するという利点もあります。

アラモアナと東カポレイを結ぶ市電 

■市電プロジェクトの問題点は…?
現地メディアの報告によると、建設契約の入札の際にHARTが出した見積もりが、実際よりも約7億ドル下回っているため、2017年に予定されている東オアフからアロハスタジアムまでの開通が2018年にずれ込むのでは、と懸念されています。また現行の予算案についても論議の対象となっています。もう1点は、路線上に点在する先住ハワイ民族のお墓の問題です。これについては、「地域の考古学調査を終えるまでは工事を開始してはいけない」との最高裁判所の判決により、工事が一時中断されていた事もあり、先住ハワイ民族の墓所をめぐる環境調査は今後も重要なポイントになるものと見られています。

オアフ島の市電 (アラモアナセンター内のサテライト・シティ・ホールで市電の模型が見学できます

ハワイの環境保全にも一役

ホノルル市は、プランニング、デザイン、建設、運営の全てにおいて、「環境保全、経済的、社会福祉および持続可能性」を重視し、新世代の人々の未来を考えた、環境に優しいシステムの導入を重視しています。一例として、市電導入によるグリーンハウスガスの排出減少が挙げられます。国家単位の規模で見ると車両から排出されているグリーンハウスガスは28%といわれており、このうち64%は乗用車やトラックからのものだと言われています。一方市電のような電車によるグリーンハウスガスの排出量は、乗用車よりも1マイル(約1609メートル)につき75%減少するため、ハワイの環境に非常に有効といえます。

■ハリウッド映画にはすでに登場!?

ホノルル市電プロジェクトはまだ始まったばかりですが、ハリウッド映画ではすでにデビュー済みです! 2014年に公開されたハリウッド版「Godzilla(ゴジラ)」で、主人公がホノルル空港から未来的なモデルのホノルル市電に乗り込むシーンも。…がしかし、その車両は無残にも怪獣に破壊されてしまうのでした!?

ホノルル市電プロジェクト (フリーウェイH1西とH2の分岐点で撮影)

オアフ島西部の交通渋滞を緩和できる唯一無二の頼みの綱として多くの人々の期待を集める反面、建設工事がすでに始まっている今でも反対意見が絶えないホノルル市電プロジェクト。少しでも多くのハワイ在住者のストレスが減少し、マイカーがない人や旅行者たちがスムーズに行動できるようになる日がくるのが待ち遠しい、と思う人は筆者だけではないはずです。今後の成り行きからも目が離せませんね。

 

HART(ホノルル高速鉄道輸送機構)
ホームページ(英語):www.honolulutransit.org

 
※この市電プロジェクトの予算や完成予想日などは変更となる可能性があります。ここで紹介した情報は2015年2月取材時点でのものです。(2015年2月更新)

この記事が属するカテゴリー: オアフ島ガイド, 基礎知識, 暮らし, 特集


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2 responses to 【オアフ島ガイド】ホノルル市電プロジェクト徹底取材!

  1. 匿名さま、そうですね、ハワイの道路から車が減少すると環境にも良いですよね。

  2. 大変素晴らしい事です。空気の良いとこに家が欲しいと思っています。

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