ダンと最後に会ったのは去年の秋だったと思います。
ランニング仲間と走って、シャワーを浴びにワイキキ・ヨット・クラブ(以下WYC)に寄ると、日曜の朝食をゆったりと取っていました。
良かったら一緒に座ってと言われ、しばらくぶりのお喋りは毎度の挨拶で始まりました。
「まだ、あいつと一緒なのか?別れたら、僕の所においで。」
と言いながらも、
「上手くいってるんだろう。それが1番だよ。」
と、人の幸せを心から願う温かい人。
伝説のヨットマンにして女好きで知られたダン。以前に紹介させて頂いたこともあります。
AuntyAYAの恋するハワイのおしゃれ術 「海の男のおしゃれ術」
父も5年前にハワイに来た時にダンの若さに感動し、その秘訣はと聞くと
「見せてやるよ。」
と通り過ぎる女性にハグをせがんでみせました。それを見て、我が父はあっさりと弟子入りをしたのです。
生前にもう1つの趣味である水彩画で絵を描いて頂きました。
ご自分はタバコを吸わないのに、なぜか喫煙者の粋な女性が好きでしたね。彼はいつもかっこいい女性に囲まれていました。
奥様も、奥様が亡くなられてから長くお付き合いをしていらしたGFも肺がんで亡くしたダンには子供はいませんでした。
だから、85才の時に生前のお葬式をWYCで開催したのです。
その登場の仕方が素晴らしかった。
相棒の運転する船に乗り、沖に出てウォッカ好きなダンは1瓶を一気に飲み干しました。
「お手頃な棺桶がいる方はxxx-xxxxに電話を!」
と書いてある木の箱に体を埋め入港。そのダンの入った箱をパーティー会場まで相棒達が運びました。
たくさんの生花のレイに囲まれて眠るダンに悪ノリをする女性客は、彼にキスをしたり、またがったり。
でも、彼の演技が一枚上手でした。びくともしないのです。
友人でもある司会者が、
「ダン、そろそろ起きてパーティーを始めよう。」
何事もなかったようにニョキっと立ち上がった時には笑いを堪えることができませんでした。
その後は悪友が彼の写真を雑誌プレイボーイの表紙に加工した写真と、子供時代からの女性遍歴をまとめたショート・ムービーを上映。ゲストにダンの最初のGFもテキサスから招待され証言をしました。
周囲をいつも笑いの渦に巻き込んだダンらしい素敵なイベントだったな〜。
遺言として、WYCの子供達のセーリングの教育に$100,000(約1200万円)を寄付したのもダンらしい。
いつの日か天国で会える時には、あの笑顔で両手をいっぱいに広げて
「ハグをしてくれよ〜。」
と言いながら、ご自身のほっぺを指差してキスもせがむんだろうな。
うん?天国に行けないかもだって?!
いや、人生はこれからです。精進、精進。。。
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