静かなブームを呼んでいるB級グルメ情報! 安くて美味しくて、ちょっとディープな秘密のお店を紹介します。誰も知らない怪しいお店やロコで賑わうお店にチャレンジしてみませんか? 独断と偏見で選んだ美味しさは超A級、でも、お値段はB級の素敵なお店をハワイ大食いクラブ(知る人ぞ知るハワイ大学一熱心なサークル)メンバーの私がご案内いたします!
ランチョン・ミート徹底比較
ハワイのスナック界に西欧の新興勢力?! |
●ヨーロッパから新興勢力が殴りこみ
ハワイのお手軽スナックと言えば、誰が何と言おうと「スパムむすび」ですよね。リーズナブルな価格設定と、ずっしりとした腹持ちの良さで、私達学生をはじめ、ハワイ中の庶民の味方とでも言うべきスパムむすび。その名の通り、おむすびの上には、Hormel Food社製のランチョン・ミート「SPAM」が乗っているのが普通でした、今までは。しか〜し、ハワイのスナック界に王様のごとく君臨していたスパムを追い落とさんと最近、ヨーロッパから新興勢力が殴りこんで来たのです。その名は「TULIP(チューリップ)」。デンマーク生まれの憎い奴、缶には王冠のマークとともに「デンマーク王室御用達」の文字が。「本当にデンマーク王室の方々がこれを?」っていうのはさておき、なんだか頼もしいではありませんか。敵に不足なし。
ハワイに上陸したTULIP(左)とお馴染みSPAM(右) |
ハワイの夕刊紙「Honolulu Star-Bulletin」によると、TULIPがハワイに上陸したのは今年の8月11日。以前から、沖縄やグアムではかなりのシェアを占めていたそうで、ハワイのローカルに向けての戦略を練りに練った後、満を持してのハワイ上陸となったそうです。TULIPのパッケージには「スパムむすび(この場合はチューリップむすびか)」の写真、裏面にはランチョン・ミートを使った料理の写真が、なんとなく東洋風な雰囲気で載せられています。どう見ても、ハワイのアジア系ローカルにフォーカスしたとしか思えない雰囲気、メインランダーのことはこれっぽっちも考えてなさそうなパッケージです。全米でのスパム消費者の大半がハワイの、それもアジア系ローカルだと言うことを踏まえた上での、マーケティング戦略なのでしょうね。
では、スパムとチューリップ、早速比較してみましょう。
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以上、比較してみたところ、かなりチューリップが優勢なようで… といっても、一番重要なのは味よね、味。ってことで、次は味を比べて見ましょう。と、その前に、パッケージについても比較してみないとね。
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パッケージの機能性はスパムの勝ちかな? さて、開いたパッケージの中には、薄いピンクのランチョン・ミートがみっちりと詰まっています。両者とも見た目にはほとんど差異はありませんね。それぞれを5ミリ厚程度に切って、フライパンでじっくり焼いてみることにしました。ランチョン・ミートからどんどん油が出てきますので、フライパンに油を引く必要はありません。
両者ともに油を出しきって、表面はカリッ、中身はフワフワに焼き上がりました。「さあ、食べてみましょう」。まずは、スパムから。「うん、うん、この味、この強烈な塩気がご飯に合うのよね〜」。いつものお馴染みの味です。次は、チューリップ、「さて」と一口。「え?」。で、もう一口。「お、美味しいっ!」スパムほどの強烈な塩味が感じられず、随分マイルドです(スパム減塩タイプくらいかな)。そして、なによりランチョン・ミート特有の、獣っぽい臭みと人工的なえぐみが感じられず、自然なベーコンの風味が口に広がります。チューリップ、かなりの実力者と見ましたぞ。 |
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●総括
スパムがCOKEだとしたら、チューリップはペプシ! どちらも、それぞれに良さがあるのですが、私的にはかなりチューリップに気持ちが傾いてしまいました。ただ、「むすびといえばスパム」と言うほど、ハワイではスパムの名前が浸透しきっているので、チューリップはかなり苦しい戦いを強いられそうですね。コーク派の人もいれば、絶対ペプシでなきゃ、と言う人もいるように、スパムとチューリップもそれぞれ全くのお好みで票が分かれることと思います。が、チューリップ、確かに美味しいです。もし、スーパーで見かけたら、一度試してみてね。
◎ 両社のホームページ
スパム(英語):www.spam.com
チューリップ(英語):www.tulip.dk/dansk
◎ 大食いクラブからのアドバイス
ランチョン・ミート、缶には「生で食べても良い」と書いてありますが、生だと油っぽくて、ちょっと胸焼けするかもしれません。油を引かないフライパンで良く焼いて、油を出しきってから食べた方が絶対美味しいですよ。
(2003年9月取材)
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