静かなブームを呼んでいるB級グルメ情報! 安くて美味しくて、ちょっとディープな秘密のお店を紹介します。誰も知らない怪しいお店やロコで賑わうお店にチャレンジしてみませんか? 独断と偏見で選んだ美味しさは超A級、でも、お値段はB級の素敵なお店を「ハワイ大食いクラブ」(知る人ぞ知るハワイ大学一熱心なサークル)メンバーの私がご案内いたします!
TVディナーって?
![]() これまで敬遠していた「TVディナー」に初挑戦! |
●TVディナー達、今まで無視しててごめんね
本日はハワイというよりも、とってもアメリカーンな食品「TVディナー」についてレポートしてみたいと思います。TVディナーとは、メインディッシュと付け合わせが、すべてトレイにセットされた冷凍食品のことを言います。「電子レンジでチン! すれば、立派なディナーができ上がり」といった、とってもお手軽なものなんです。実のところ、TVディナーにはかなり悪いイメージを抱いていた私。まずい、チープ、高カロリー、アメリカ独身男御用達など、どうもネガティブなイメージがつきまとっていて、スーパーのTVディナー売り場(これが、なかなか大きいのだ)は、さっさとスルーしていたんです。でも、アメリカの食品市場で、これだけのシェアを誇っているTVディナー、B級の中のB級とでも言うべきこれらの食品、マニアを目指すB級ライターとしては無視する訳にもいかない、ってことで、やっと重い腰を上げてリサーチしてみたんですよ。そしたら、これがなかなか面白いことに気づきました。
![]() LIFE CHOICE社のHearty Meat Loaf (ミートローフにブロッコリとカリフラワーのチェダーチーズソース添え) |
●TVディナーの歴史
第二次世界大戦後のアメリカのトレンドは、タイムセービング(キッチン電化製品の発明による労働時間短縮)とテレビジョン・ウォッチング。ここに目をつけた食品メーカー、スワンソン社のGerry Thomas氏が、「スワンソンTVディナー」を発明したのが1954年のこと。なんと今年で50周年なんですね。「テレビを見ながら食べられる、お手軽ディナー」ってことで、またたく間にお茶の間(アメリカだからリビングか)の人気を独占したTVディナー。市場に登場してから、わずか1年で1千万個も売れたんだそうです。最初のメニューは「ソールズベリー・ステーキ(ハンバーグの1種)」、「ミートローフ」、「フライドチキン」に「ロースト・ターキー」。それぞれにポテトとグリーンピースがついて、1つ98セントだったそうです。その後、電子レンジの発明によって(ちなみに私の誕生日は、マイクロウェーブ=電子レンジ発明記念日なのです)、さらに人気を重ねたTVディナー。今ではイタリアンやタイ、メキシカンなど新しい味も加わり、すっかりアメリカ文化の一部となりました。1987年にはスミソニアン博物館にも陳列されたTVディナー、なかなかあなどれない存在だったんですね。
*参考ホームページ:inventors.about.com
![]() BANQUET社のChicken and Pasta Marinara Meal (チキンのフライ、マリナラソースパスタ添え) |
●早速食べてみましょう
「歴史は分かったけど、実際のところ、味はどうなのよ」ってことで、早速食べてみることにしました。スーパー売り場には何十種類ものTVディナーが並んでいます。その中から安価なもの、比較的高価なもの、そして今流行りのローカーブ物(アトキンズの回参照)と、3種類を選んで食べ比べてみることにしました。まずは、セールで99セントと超安価なBANQUET社のChicken and Pasta Marinara Meal (チキンのフライ、マリナラソースパスタ添え)。$1を切る価格がちょっと不安を誘います。次は、パイで有名なMarie Callender’s 社のTurkey Breast with Stuffing (ターキーブレストとスタッフィング、マッシュポテトとグレービーソースにクランベリー風味のサヤエンドウ添え)。約$5と高価? なだけあって、しっかりとしたつくりの箱はズッシリと重く、期待が持てます。最後は、LIFE CHOICE社のHearty Meat Loaf (ミートローフにブロッコリーとカリフラワーのチェダーチーズソース添え)、カーブ(炭水化物)はたったの17グラムとヘルシーです。
これらのTVディナー、食べる前は、「かなりカロリーが高いんだろうな?」なんて恐れていたのですが、実際のところチキンが420、ターキーが380、でミートローフが370カロリーとかなり抑え目。ビタミンや鉄分もそれなりに配合されていて、思ったよりもヘルシーです。
![]() Marie Callenderユs 社のTurkey Breast with Stuffing (ターキーブレストとスタッフィング、マッシュポテトとグレービーソースにクランベリー風味のサヤエンドウ添え) |
それでは食べてみましょう。どれも電子レンジで6から8分程加熱して調理します。食べる前にトレイに貼られているフィルムの一部に穴を開けたり、剥がしたりといった作業がちょっと面倒くさいかな? ここはアメリカの伝統に則って、早速テレビをつけてみました。「カレッジ・フットボールあたりが気分、コークも用意して」と。「チーン」と鳴ったら1分放置ででき上がり。テレビの前のコーヒーテーブルに3種並べて、端からチェックしてみましょう。まずは、99セントのチキンから。「安いだけあって、小さ〜い!」。パスタにはコシがあって、それなりにいけます。チキンは衣が厚いかな。でも、99セントとは思えないできでした。非常食にいいかもね。マリーカレンダーのターキーは、安心して食べられる味。添え物のマッシュポテトやサヤエンドウもちゃんとしてました。量も多いし、良心的ですね。ローカーブのミートローフはお肉が大きい。グレービーもしっかりかかっていて、これなら大食い野郎も満足でしょう。が、しかし、添え物の野菜は何だか水っぽくて、いまいちでした。アメリカ人は野菜物に弱い(っていうか、野菜の存在を無視している人が多すぎ)ので仕方がないか…
食べてみた結果、「どれも、思ったよりもちゃんとしている」というのが第一印象でした。手間はかからないし、栄養もある程度摂れるし、非常用にフリーザーにいくつか入れておいても良いかもね。テレビの前でコークをグイグイ飲みながらのTVディナーの試食は、アメリカ男になったかのような気分。でも、かなり楽しかったです。アメリカーンな気分を味わいたい方には、是非お薦めします。
(2004年10月取材)
大食いクラブからのアドバイス | 最近は、電子レンジ(こちらではマイクロウェーブね)のついているホテルやコンドミニアムも多いですよね。旅行者の皆様も、お暇があれば是非試してみてくださいね。電子レンジから取り出すときはかなり熱いので注意! |
匿名 said on 2013年11月24日
日本のコンビニ弁当と同じですね