セントルイス校出身のマリオタ選手、ハイズマントロフィー受賞
カイムキのワイアラエ通り沿いにある男子校の前に、こんな横断幕が掛かっています。
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「おめでとう、マーカス」
「われわれクルセーダーは誇りに思います」
クルセーダー(十字軍兵士)はこちらの男子校、セントルイススクールのマスコットのことです。そして「マーカス」とは去る12月13日に全米大学フットボール最優秀選手賞「ハイズマントロフィー」を受賞したマーカス・マリオタ選手のことです。マリオタ選手は同校の卒業生なのですね。
ハワイ出身選手がハイズマントロフィーを受賞するのは今回が初めてのことです。同校やフットボール関係者だけでなく、ハワイ中がこの快挙に沸き立っています。
高校卒業後、オレゴン大学に進学したマリオタ選手ですが、チームの司令塔であるクオーターバック選手としてその実力を遺憾なく発揮、今シーズンは12勝1敗でチームをカンファレンス優勝に導きました。そして全米優勝を目指し、来年1月1日に行なわれる準決勝戦のローズボウルでフロリダ州立大学と対戦することが決まっています。
今でこそ、アメリカ中のフットボールファンから注目を浴びているマリオタ選手ですが、順風漫歩なフットボール人生とはいかなかったようです。
才能を見いだされ、ハワイではフットボールの名門といわれるセントルイススクールに進みましたが、1学年上のジャレミー・ヒギンズ選手の活躍で高校では3年生までプレーするチャンスに恵まれませんでした。
試合で活躍し、有名大学にリクルートされていくチームメートをベンチから眺めていた彼は「フットボールは向いていないのかもしれない」と辞めたくなったときもあったといいます。そんなとき家族や親友たちに「とにかく頑張れ」と励まされ、踏ん張ったそうです。
「みんなのお陰で今の自分がある」
時折涙で話せなくなった3分間に及ぶ彼のスピーチは、多くの人たちに感動を与えました。授賞式の司会をしたスポーツキャスターも「これまででもっとも記憶に残る、素晴らしいスピーチのひとつ」と称賛しています。
マリオタ選手の両親は、彼と兄の2人を米本土で開かれていたフットボールキャンプに参加させるため、家を売却したといいます。キャンプには名門大学のコーチたちがスカウトに訪れるので、子どもの将来を考えた末の決断だったといえます。お母さんは仕事も増やしたそうです。
マリオタ選手がこみ上げる涙で、途中スピーチが読めなくなったのは、きっと彼を信じてサポートし続けてきた両親のことを思っていたからなのでしょうね。
テレビの真ん前で授賞式を観ていた夫は、もらい泣きしていました。実は彼も元フットボール選手で、セントルイススクールの卒業生でもあります。授賞式が終わると、「オレに家を売ることなんてできるか?う〜ん、車ならできるけど」とひとりで唸っていました。
そして最近ヤツは、母校のロゴマーク入りのアロハシャツをクローゼットから引っぱり出してきて、着ては洗って、着ては洗ってと、ほぼ2、3日おきにこのシャツを自慢げに着て、颯爽と(笑) 出掛けていきます。クルセーダーにもいろいろなタイプがいるようで…
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