朝のくつろぎの時間が心ざわざわ…
「アナログ世代」とか「昭和の人」とか、アメリカだと「オールドスクール」などと思われても、新聞はどうしても「紙」で読みたい派でございます。
朝、コーヒーをすすりながら、新聞を読む時間が大好きです。コンピュータの前に座って、デジタル版など読むのは味気ない。
そんなわけで、ハワイに住んでからずっと地元英字紙「ホノルルスターアドバタイザー」を購読しています。
以前はホノルルアドバタイザーとホノルルスターブリティンの2紙がありましたが、いまから5年ほど前に合併し、オアフ島は1紙のみになってしまいました。ブリティン紙は写真がいつも素晴らしかったのに、残念です。
さて、どんなに忙しくても「新聞を読む時間」は大切にしていますが、日曜日の朝はとくに楽しいのです。というのも普段の新聞に加え、トラベルや住宅情報、職安コーナー、特集記事などもあり、また広告やクーポンもたっぷり。届いた新聞を持ち上げるときに、つい「よいしょ」と言ってしまうほど分厚いのです。(ちょっと盛っているかも〜)
ところがこの日曜日の新聞はなぜかとても薄かった。そしてフロントページがない。ローカル版も、スポーツページもない。不思議に思いながら「もしかしたら」とメールチェックしてみましたところ、新聞社が大変なことになっていました。
なにやらコンピュータの不具合で印刷ができないということです。早朝に新聞社からお詫びのメールが入っていました。
とりあえず、広告やトラベルなど、時事ページ以外は日曜に配達し、日曜の時事は月曜の新聞と一緒に届けるということでした。コンピュータの不具合はしばらく直らないようなので、今週の新聞は「薄々」になるそうです。
そして月曜の新聞はハワイ島の「ハワイ・トゥデー・プレス」に印刷してもらうそうです。大変そう〜。20年以上新聞を購読していますが、こんなことは初めてです。
↑一緒にやって来た日曜版と月曜版
さて、このメールを読みながら、わたくし胃が痛くなりました。新聞社で15年ほど勤務していたわたくしには「新聞が出せない」という緊急事態が、どれだけ社員にとって辛く、恐ろしく、心苦しいことかわかります。
わたくしが勤めていた日本語新聞社は夕刊を発行しており、10数年ほど前までオアフ島内に限っては、主に学生アルバイトの少年たちに新聞の配達をお願いしていたので、「発行が遅れれば、その分彼らの残業代が増える」ほか、隣島への郵便受付に間に合わなくなり「配達が1日遅れる」と、編集部のわれわれは「なにがなんでも締め切り厳守」と上司から口酸っぱく言われ続けたものです。
確か1度だけ、社屋周辺で朝から正午近くまで停電になったときに、締め切りに間に合わなかったことがありました。あのときは無力のコンピュータを前に、「ガリ版とかタイプライターなんかのほうがあてになる」と、みんなでふてくされてましたっけ。
そんなわけで、新聞社にとって「新聞が出せない」ということは、読者さまに迷惑をかけるだけでなく、あっちこっちで不具合が生じるわけでして、それがしばらく続くとなると(ちなみに本日の新聞もペラペラでした)、関係者のみなさん、胃酸過多や寝不足などでさぞや辛い思いをしているのではないか…と、わたしは心配してしまいます。
月曜のフロントページには「読者の皆様へ」というお詫びのメッセージが記載されていました。
コーヒー片手に朝刊を読むという朝のくつろぎの時間が、ここ数日は「不憫だわ〜」と心中穏やかでないわたくしでございます。
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