〃お一人様〃も多いドリス・デューク・シアター
ベレタニア街にあるホノルル美術館(Honolulu Museum of Art)のドリス・デューク・シアターでは、一般の映画館ではあまり上映されないようなドキュメンタリーや外国映画、そして邦画など、珍しい作品に出会えます。サンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭などの受賞作品が多いのも映画ファンにとっては嬉しい限りです。
先週末、ホノルル美術館から届いたお知らせで、ずっと観たかった「そして父になる」が4日間だけ上映されることを知り、さっそくシアターのサイトでチケットを予約しました。チケットは会員8ドル、非会員は10ドルです。
ドリス・デューク・シアターへは、美術館のメインエントランスからではなく、キナウ街にまわって建物の裏側にある専用入口を利用します。ベレタニア街とは違って、週末の夕方のキナウ街は人通りも少なく、ひっそりとしていて、「今宵はじっくり映画を楽しむぞ」って気分にさせてくれます。シアターのサインも独特な雰囲気を醸し出しております。
中に入り、事前に印刷しておいたチケットをバッグの中から取り出そうとしたとき、「Kyokoね」と受付嬢に笑顔で出迎えられました。なんでチケットも見せていないのに分かったのかしら…と不思議に思いながら館内へ。
300席ほどのこじんまりした映画館です。上映5分前ぐらいになって、あの受付嬢がなぜ私の名前を知っていたか、納得しました。だって観客はこの日、たったの20人ほど。きっとこの映画のチケットを事前にネットで購入したのは、私だけだったんでしょうね。以前ここで「たそがれ清兵衛」を観たときは、満席だったのになあ。
この日は女性の〃お一人様〃が目立ちました。ひとりで気軽に映画を観に来られるところが近所にあるというのは、なんとも嬉しいものです。
上映前に美術館のスタッフが登場し、映画のあらすじや、これから上映される映画について簡単に説明してくれました。「そして父になる」の英語タイトルは「Like Father, Like Son」となっていましたが、やはり原題のほうがピッタリきますね。
「家に帰ったら娘といっぱい遊んであげよう」と思いながら、ずっと映画を観ていました。そしてラストシーンでは、上映前に「ティッシュを用意してくださいね」というアドバイスどおり、涙、涙。夫も終わった途端「帰ろう、帰ろう」って、おばあちゃんと一緒に留守番している娘に会いたくてしょうがないようでした。
ドリス・デューク・シアターでは26日(水)から計5回、14歳のオランダ人少女のヨット単独世界1周を記録した海洋ドキュメンタリー「Maidentrip」が上映されます。たった1人で518日間もの間、航海を続けた少女もすごいですが、それを許可した両親の勇気ある決断になにより驚きました。残念ながらこちらは日本語の字幕はありません。
これから上映予定の作品リストは、同じくこちらのサイトから閲覧できますよ。
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