ハワイの歴史、気候、地理などを扱った「知識編」と、旅行者にとっての必須トピックを扱った「実践編」に分けてお届けする「ハワイの基礎知識」。取り上げて欲しい内容がありましたら、編集部宛にドシドシお寄せください。
ハワイの基礎知識 チップ攻略法 3 高級レストラン編
●ハワイの高級レストランでチップを払うには?
わかっているようで、いまいち理解できないのがハワイでのチップの払い方。前回、このコーナーでは、ハワイのビジネスマン代表のビル・アカミネさんと奥様の奈緒美さんに、日米の違いを交えつつ、ハワイのレストランでのチップ攻略法を教えてもらいましたが、今回はさらに一歩踏み込んで、高級レストランでのスマートなチップの払い方について勉強してみましょう。
編集部:「前回、ビルさんと奈緒美さんにレストランの格によってチップを決める、というお話をしていただきましたよね。今回は、高級レストランの代表として、ザ・カハラ・ホテル&リゾートのメインダイニング、ホクズとWホテルのダイヤモンド・ヘッド・グリルのマネージャーさんと従業員の方たちにお話をうかがったんですよ」
ビル、奈緒美:「(身を乗り出して)お、ホクズ! いいねえ~。ハワイには魅力的なレストランが一杯あるんだけど、その代表選手だね。初めてここの料理を食べたときは、感動したな。美味しさと共に、素晴らしいのがお店の人たちのサービス。決して押し付けがましいわけではなく、でもとても温かみがあって、なにより絶妙なタイミングでテーブルに来てくれるんだよね!」
編集部:「ダイヤモンド・ヘッド・グリルは素敵な穴場的レストランなんですよ。お洒落なローカルの人が多くて、ちょっぴりアダルトな雰囲気。私は、友達の誕生日やお祝い事でここに来ることが多いですね。お食事もとても美味しいし、ホクズ同様さりげないサービスが気持ち良いんですよ」
ビル:「この2店以外にも、アラン・ウォンズやロイズ、ミッシェルズ、シェフ・マブロなどのいわゆるファイン・ダイニングと呼ばれるレストランに行く人も多いんじゃないかな? これらの高級レストランでのチップはどうしたらいいのか、一緒に考えてみよう」
●ザ・カハラを代表するレストラン、ホクズのマネージャーさんがチップについて語る
◇アントニオ・ロッチャ・マネージャー◇ 奈緒美:「そうそう、特別な気分になれるのよね」 アントニオ:「私どもでも、チップのことでは、やはり従業員から相談を受けることがありますね。たとえば、日本からのお客様は、ガイドブックなどに書いてあるチップの率は、すべてのレストランに共通なものだと思っておられることが多いんですね。しかし、アメリカ人のお客様は、レストランの格やサービスにより、チップの額を決めるという傾向がありますので、どうしてもチップは多めになります」 ビル:「そうそう、良いサービスにはそれだけの価値があるからね。僕たちの場合は高級レストランでは通常20%、大満足の場合はもう少し上乗せしたりするかな」 アントニオ:「うちの従業員は皆レストラン業界で長いサービス経験を持つベテランばかりです。彼らは、日本にはチップという習慣がないのは良く知っていますが、やはり忘れられてしまったり、精一杯のサービスをしても他のもっとカジュアルなレストランとだいたい同率のチップだと、自分のサービスで満足してもらえなかったのかと悲しく思うようです。また、日本人のお客様は少食な方が多く、シェアをされる場合が多いのですが、小皿に少しずつ取り分けたりとその都度特別なサービスをしております。でもその労力がチップに反映されることは、ほとんどありません。それから、$10内でキリの良い金額をチップとして払われる方も多いんです。例えば$184.10のお食事をされたお客様がいらっしゃったのですが、お支払いはキリの良い190ドル。これだとチップは$5.90で全体の3%となってしまうんです」 ビル、奈緒美:「(首を振りつつ)それは酷い! いくら計算が面倒でも、$10以内でキリの良い金額を払うのは失礼だね」 アントニオ:「すべてのお客様が、ホクズで特別な思い出を作っていただければと思っています。何か問題があった際にはどうぞ、マネージャーの私を呼んでください。問題を解決できるよう、出来るだけの努力をいたしますので、ぜひその機会を与えてください」 ビル:「そうだね。マネージャーに話してみると、案外納得がいくことって多いんじゃないかな? お客さんに満足していただくため気を配るのがマネージャーの仕事なんだから、黙ってチップを払わないよりも、きちんと話して納得したほうが精神衛生上にも良いんじゃないかな?」 奈緒美:「言葉の問題がある場合、難しいかもしれないけど、日本からの旅行者の方が多く来る店では、日本語を話せる人がかなりの確率で働いているので、取りあえず日本語でお話してみても大丈夫だと思いますよ」 |
●Wホテル内の、ダイヤモンド・ヘッド・グリルのマネージャーさんがチップについて語る
◇山田真澄マネージャー◇ 編集部:「そのような場合はどうするんですか?」 山田:「その場合、予め了解をいただいてから19%のチップを伝票に付けさせていただいています」 編集部:「なぜ19%などと半端な数字を?」 山田:「一応、当レストランではチップの平均が18%?20%ですので、その中間で19%にしています」 ビル:「天下のWホテルのレストランにしては、なんだか少な目な気がするな」 山田:「ローカルの方やアメリカ本土からの方はほとんどの方が25%以上チップを払われますが、ときどき30%以上の方もいらっしゃいます。アメリカ人の方は納得のいかないサービスの場合、直接苦情を言われることが多いから、気が抜けないんですが、良いサービスの場合はチップをはずんで下さいますね。納得のいかないサービスの場合、だまって不満を持ったままでお帰りになられるより、何かあれば私にどんどん話してくださるほうが、こちらとしても嬉しいんですよ」 ビル:「不満があれば、ちゃんとマネージャーと話をするのが、アメリカの文化。こちらが一方的に無礼な態度をされたと誤解してしまうこともあるからね。お互いきちんと話をすると、すっきりと楽しい気分でお店を後にすることが出来ると思うよ」 山田:「お客様のテーブルをまわり、ちゃんとコミュニケーションをとるようにしています。どこから来られたか、どのような味がお好みかなどの会話をすることによって、気分良くすごしていただけるように気を配っています」 奈緒美:「アメリカのレストランでは緊張するかもしれませんが、優しい山田マネージャーなら大丈夫! 気軽になんでも尋ねてみてね」 |
◇ナビゲーターからチップについてひとこと◇ ナビゲーターを務める、ローカル・ビジネスマン代表のビル・アカミネさんは、ハワイの銀行でマネージャーとして働きつつ大学で経済学も教えています。奥さんの奈緒美さんは日本出身、ハワイ州政府で統計関係の仕事をしています。現在2人はオアフ島中央部のミリラニ在住。愛犬2匹と郊外ライフを満喫中です。 |
(2007年11月)
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