What's Happening in Hawaii? Vol.1
ハワイ暮らしが人生の半分を超えてしまったワタクシ。未だ魅力尽きないハワイですが、このシリーズでは「住民の視点」からハワイの旬の話題をはじめ、気になるあれこれをお伝えしてまいります。
■興味津々その1・ハワイの住宅事情(前編)
温暖な気候と美しい自然に恵まれ、世界屈指の観光地として知られるハワイですが、物価の高い楽園での暮らしはなかなか大変です。
なかでもハワイの住宅事情は、アフォーダブル住宅の不足問題が年々深刻化しています。オアフ島各地では大規模な住宅開発が進められていますが、そのほとんどが高級コンドミニアムで、一般庶民にはとても手が出せません。
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ホノルル不動産協会がまとめた2016年度のオアフ島の一戸建て住宅の中間価格は73万5000ドル(約8000万円/前年比4.3%増)、コンドミニアムは39万ドル(約4300万円/同8.3%増)。しかもオアフ島では恒常的に在庫物件が不足しており、2017年に入っても価格は上昇を続けています。
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ちなみにアラモアナセンターに直結する夢のような場所に現在建設中の超高級コンドミニアム「パークレーン・アラモアナ」。ワタクシが娘に「いつか買ってね」とお願いしているコンドなのですが、調べてみましたら、なんと価格は1LDKほどのサイズで120〜200万ドル(約1億3000万〜2億2000万円)で、もっとも高いペントハウスですと3000万ドル!(約33億円)だそうです。「0」が多すぎて何度も数え直してしまいました。
家賃の高騰で州外に移住する人、住む場所を追われる人たちも少なくなく、先日発表された『2017年度・豊かな州、貧しい州』のレポートでは、「ハワイは2006年以降、他州へ移動する人が、他州からハワイへ移動してくる人より多い」という結果が出ています。住宅価格の高騰により、ハワイで生まれ育った人たちですら、慣れ親しんだこの土地を離れざるおえない。さらには年々深刻化するホームレス問題も、ハワイが直面する悲しい現実です。
ハワイ州、ホノルル市では廉価住宅の不足やホームレス問題の解決に向け、さまざまな対策に取り組んでいます。その中でホノルル市が2015年から実施している「アクセサリー・ドゥエリング・ユニット(ADU)」の建設が、改善策のひとつとして、その効果に期待が寄せられています。
◎今注目のADU住宅とは?
ADUは一戸建て住宅の敷地内に家族、もしくは賃貸用として建設する付帯住宅のことです。これまでも「オハナユニット」と呼ばれる付帯住宅は許可されていましたが、所有者の家族以外を居住させることは出来ませんでした。
ADUの建設は収入増、高齢者の場合には引退後の副収入につながり、またホノルル市から建設費の援助が受けられることから、建設許可の条例案が2015年に制定されて以来、これまでに提出された申請件数は1200件余りに上り、すでに約150件に認可が下りています。
建設には少なくとも3500平方フィート(約98坪)のスペースが必要となりますが、オアフ島では12万戸の住宅に400〜800平方フィート(約11〜22坪)の規模のADUが建設できると見込まれています。またADUは長期賃貸用と限定されており、バケーションレンタルとして利用することは出来ません。
費用は建物の大きさや材料などによって異なりますが、下水道連結料金を含め6万ドル(約660万円)程度から建設が可能ということです。
ADUについて広く知ってもらうため、4月初めの約2週間、ダウンタウンの州政庁の横(サウスベレタニアとリチャードストリート角)にモデルハウスが展示されました。
仮設住宅のようなものを想像していましたが、デザインも室内もとってもステキな作りで、快適に暮らせそうですね。2階建てもOKだそうですよ。
ADUがハワイの厳しい住宅事情の改善策として一役買ってくれることに、大きな期待が寄せられています。
後編へ続く…
キョーコのプロフィール
神奈川県生まれ。1988年からハワイ在住。学生時代に知り合った韓国/日系4世の夫と、40歳目前でやっとこさ授かった娘の3人。大規模な再開発計画が進行中のオアフ島カカアコ地区在住。地元日本語新聞の記者を経て、現在はフリーランスライターとして、ハワイ報知のほか、ハワイアン航空機内誌「ハナホウ」やMyハワイなどでローカル情報やハワイアンカルチャーに関する記事の執筆、翻訳作業に関わる。趣味は読書とカメラと俳句少々。
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