昨夏、日本に帰省したとき、母の若いころのアルバムを引っ張り出して、「若い〜」「ファッションがレトロね〜」などと笑っていました。
すると母の口から「父とお見合いをしたころ、親しくしていた男性(母曰く付き合ってはいなかった)がいた」なんていう仰天発言が飛び出しました。
男性は当時、早稲田大学の学生さんで、教師を目指していたそうです。しかし面食いの母は、デートの待ち合わせ場所にスポーツカーでやってくるイケメンの父を生涯の伴侶に選んだそうです。
「その選択は正しかったの?」の質問に、母は「おほほ」と笑うだけでしたが、そんな話、今まで聞いたことがなかったので、そりゃもうビックリでした。
さて数日前のことです。ワタクシがツイッターでフォローしている「ハフィントンポスト」の記事を読んで、母の仰天発言のことを思い出し、その晩、さっそく母にスカイプしました。
記事はカナダ版のエディター、エイミー・ギブソンさんが書いたもので、『今のうちに、親に聞いておくべき24の質問』というタイトルが付けられていました。
エイミーさんは比較的両親とは仲が良いほうで、離れて暮らしていてもよく連絡を取り合っているそうですが、話すことは「元気にしているか?」「子どもたちの様子は?」などとお互いの近況ばかりだったそうです。
ところが母親との最近の会話で、「お母さんがお父さんと離婚した年齢」や「お母さんが父親を亡くしたときの年齢」などを初めて知り、母親の人生の大きな局面を具体的に知らなかったことに気付いたそうです。
次第におしゃべりは深い対話に変わっていき、「お母さんの一番の後悔」や「人生が教えてくれたもっとも大切なこと」など、とても多くのことを知ることができたといいます。
『歳月はものすごいスピードで過ぎ去り、本質的なことを(親と)話す機会はどんどん失われていく…』
でも亡くなってしまったあとでは、当然聞くことは出来ません。そしてエイミーさんは両親に聞くべき大切なことをリストにしました。
ずっと大切にしたい幸せな思い出は何?
私の名前に他の候補はあった?
一番後悔していることは何?
これまで住んだ中で一番好きだった場所は?
結婚式の日のことで、一番はっきり覚えていることは何?
いつも私に言いたかったけれど、なかなか言えなかったことはある?
これまでの人生を振り返って、一番誇らしく思うのはどんなこと?
全部で24項目あります。(詳しくはこちらのサイトでどうぞ)
とりあえずこの中からいくつか母に尋ねてみました。
ワタクシの名前に他の候補はあったかの質問ですが、母によりますと「たまき」とか「さゆり」なんかも候補に上がったそうです。結局父が最初から希望していた「杏子」に決まりましたが、当時「杏」を名前に使用してはいけなかったことから、仕方なく(仕方なくって…そんな)「恭子」にしたそうです。
「結婚式で一番覚えていること」は、ドレスの下のペチコートの履き方を間違えて、接着部分のゴワゴワで、ストッキングがボロボロになったことだそうです。「一番覚えていることがそれか!」と突っ込まずにはいられませんでした。
このとき、ストッキングはボロボロだったんですね(笑)
これまで住んだ場所で一番好きなのは、「今住んでいるところ」だそうです。「家族みんなで暮らしていたころ」などと言われたら、ワタクシはきっと胸が押しつぶされるくらい悲しくなっていたでしょう。でも一人暮らしでのんびり、好き勝手にやっている今が「本当に楽しいのよ」だそうです。ちょっと安心しました。
「人生で一番誇らしく思うのはどんなこと?」の質問に、母は即答しました。
「そりゃ3人娘よ〜」
遠くに暮らして、あまり親孝行できないワタクシにとっては、うそでも嬉しかったです。
母曰く、近くに暮らす姉2人より、ハワイに暮らすワタクシとのほうが、よく喋っているとのことです。
ワタクシが出来る親孝行など、スカイプで「巨人負けたね」とか「徹子の部屋のゲストがね」などと話したり、娘に三線を披露させたりすることぐらいです。
でも「24の質問」をきっかけに、これからはもっともっと、(気持ち悪がられても)母と深い話をしていこうかな、と思っております。
コメントを残す