10年以上前に、フラマスターのジョージ・ナオペ氏より「マカナオカラニ(天からの贈り物)」というハワイアン・ネームを頂いてから、正に天からの贈り物のように、次々と奇跡的な出会いや出来事に導かれ、これまでハワイ文化を学んでくることができました。今では私の人生の一部となっているハワイ語の世界と、ハワイアン・カルチャーの素晴らしさを、皆さんにシェアしていきたいと思います。第一回はこちら。
かずこセリッグの「ハワイ語の世界」 第4回 ハワイ語で「マナ」とは? その2
●ハワイアンは、言葉に宿るマナを慎重に扱う
|
日本のフラダンサーによく知られている、「ポリアフ」(フランク・ヒューイット作)という歌があります。この歌は、ライエイカワイという、ハワイの長編物語をベースに作られたものです。歌の内容は、ポリアフという雪の女神が、去ってしまった恋人、アイウォヒクプアを思って悲しみにくれる、というものです。実は、アイウォヒクプアは、ポリアフに出会う前に、「ライエイカワイ(という女性)と結婚する」という誓いを立てていました。ポリアフを去ってしまったのは、この誓いがあったからとも考えられます。物語では、後にアイウォヒクプアは、誓いを取り消す儀式を受け、ポリアフの元に戻ります。ところが、今度はポリアフが、アイウォヒクプアを捨て、雪の中に帰ってしまうのです。 |
●人の名前にもフラの曲にもマナが宿る 人の名前に使われる言葉にも、マナが宿っています。かつてハワイアンネームを付ける時には、守らなければならない数々のルールがありました。タブーを破って、名前を付けられた者には、様々な不幸が訪れると考えられていました。もし、名前に宿るマナが、自分に悪影響を与えていると思われる時は、やはり、オキ・イノアという特別な儀式をして、改名しました。この習慣は(現代的にセレモニーの形は変わりましたが、)今でもハワイ人の中に残っています。 フラは踊りではなく、チャント(歌、言葉)が一番重要だとハワイのクムフラは言います。それは、言葉がマナを持っているからです。フラマスター、キモ・アラマ・ケアウラナによれば、フラは生命を讃えるもの。だから、フラ曲の中には、それにふさわしい言葉と、避けるべき言葉がありました。フラにふさわしくない言葉を使うと、その言葉のマナが、身内や仲間の中で、一番弱い人を襲うのだそうです。更に「僕のように、フラを教えている者は、特に責任が重い。歌の中だけでなく、日常でも、僕が悪い言葉を発したら、僕の周りで、一番弱い人に悪いことが起こってしまう。だからいつも言葉には気をつけているよ。僕だって人間だから、時には悪い言葉が出てしまいそうなる事はあるけれど、そんな時は舌をかんで、悪い言葉が口から出てこないようにするんだ」と教えてくれました。こうしてハワイ語の「マナ」の意味をひも解いていくと、なんだかとても奥深いものがありますね。一見、遠い昔の話のようですが、実はよく見ると、現代の私達の日常に通じるものが多いのではないでしょうか 。※かずこさんは昨年11月にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
コメントを残す